EPISODE 3 - 59
そう呟いた俺は、
今度こそ奴らと決着を付ける為、
八汰烏との同調率を高めて行く。
「さて………。
この状況をどう切り抜けるかね………」
依然、状況としては、多勢に無勢だ。
下手な手を打とうものなら、
その時点で、詰みかねない。
「テメー………。
クソ雑魚の分際で良くも
俺様をコケにしてくれやがったな!!」
「(ここは一番、切り崩せそうな所から崩していくか)」
どうやら2度に渡って行った挑発は、まだ有効のようだ。
更に挑発をしてやると、1対1の状況に
持ち込める可能性が非常に高いかもしれない。
まぁ、1対1の状況に出来たとしても、
他の2体が戦闘に介入してくるかもしれないが、
仮に介入してきたとしても、タンク野郎の性格からして
その時点で、仲間にも食って掛かる可能性が高い。
そうなったら、俺も戦域を『離脱』するも良いし、
乱戦に持ち込んで、一網打尽にしてやるのも悪くない………。
「(さて、もう一発ぶち込んでやるかな………)」
そうと決まれば、『即実行』の精紳だ!
尚も喚き散らして来る
タンク野郎の頭に向けて
ハンドガンの銃口を合わせると………。
「………いい加減に黙れ」
タンク野郎の喚き声のせいで
聞き逃しそうになったが、
そんな声が聞こえた気がした。
「あぁ!カイト!!
テメーも俺様の事をコケにしてるのか!!
上等だ!あのクソ雑魚野郎の前に
お前から血祭りに上げてやっても
一向に構わないんだぞ!あぁ!!」
声の主は恐らく、中央に居る
『ダークブルー』の操縦者なんだろう………。
その証拠に、タンク野郎の標的が
俺から『カイト』と呼んだ中央に居る
外骨格の操縦者に切り替わっていた。
タンク野郎が『カイト』と呼ぶ
操縦者に更に言い募ろうと瞬間。
「俺は『黙れ』と言わなかったか?」
「っ!?分かったよ………」
先程までの騒がしさが嘘のように
タンク野郎が黙った。
「(想像以上にヤバイな………)」
直接的な殺意は向けられていないのに
俺の直感が警告を放ち続けている。
「(もし生身の体なら『冷や汗』が
止まらなかったかもな」
確かに『カイト』と呼ばれる操縦者は
只者ではない気がするが、まだやり様はある。
「(今は下手に動かずに様子を見るべきだな)」
そう腹を括ると、俺は奴らの
一挙手一投足に全力で
注意を払う事にする。
「なぁ………。『クレース』?」
「………何だよ?」
そうしていると、『カイト』が『クレース』と
呼ぶ操縦者に向けて静かに語りだした。
恐らく『クレース』と呼ばれる操縦者は
タンク野郎の事なんだろうが。
『クレース』は、先程の威勢が嘘のように今は、
借りてきた猫のように大人しくなっている。
「お前………。
この現状に対して、どう責任取るつもりだ?」
「………どうとは?」
「はぁ………。
それを、俺が聞いてるんだろ?
喚き散らしてる暇があったら、
少しは考えたらどうなんだ?」
「はぁ………。
あの『サンプル』は、お前が逃がしたんだ。
だったらお前が1人で責任を取れ」
『カイト』の言う『サンプル』は
きっと、ベフィモスの操縦実験の
被験者にされていた、
朱音の妹の事を言ってるんだろう。
そうなると、奴らの狙いは『AOI』と
言う事になるのか?
「だ………。
だがよ………。
俺様の『パンツァー』じゃ、
もう奴らに追いつけねーんだが………」
『クレース』の言う通り、
朱音は今、ジャックさんの操る
『ライトニング・フェニック』のおかげで、
この場にはいない………。
俺の体感だと『ライトニング・フェニック』は、
時速3000km相当は、出ていたはずなので
仮に八汰烏で追いかけたとしても、
まず追いつくことは不可能だ。
タンクタイプは、圧倒的な
『攻撃力』と『防御力』を得る代わりに
『速度』が1番、出ないタイプだ。
『クレース』の言う通り、
今から追いかけたとしても、
時間の無駄にしかならない。
「(そうなると、『カイト』の狙いは………)」
「だったら眼の前に居る
外骨格の操縦者を生け捕りにしろ。
『真紅』の外骨格を庇った事から、
『仲間』なんだろう………。
きっと、居場所を知っているはずだ………」
そう言いながら、『カイト』は
俺をターゲトにするように、
『クレース』を誘導してきた。
「(ですよね………)」
分かっていた事だが、
この場で、朱音を追いかけるとしたら、
仲間である俺を捉えるしか、
方法は無いからな………。
「そんなことなら、お安い御用だ!!
さっきからコケにしてくれた事も合わせて
倍返しにしてやろうと、
思ってたところだからな!!」
「勢い余って殺すなよ?」
「んな事は、言われなくても分かってんだよ!!」
『クレース』は、自分のやる事が
分かった途端に強気な態度を取り出す。
「単純で羨ましい限りだ………」
何はともあれ、
『カイト』の口ぶりから察するに、
予定通り『1対1』に持ち込めそうだ。
全面的に信用するのは危険だが、
恐らく余程の事でもない限り、
介入はしてこない気がする。
だったら今は、
タンク野郎をぶちのめす事だけ
考えますか!!
この度は、最果ての世界を
ご覧頂きまして、誠にありがとうございます。
これからも、3分間から5分間の
ささやかな楽しみを
皆様に提供出来ますように
のんびりマイぺースながらも
精進してまいりますので
何卒最後までお付き合いの程
宜しくおい願いいたしますm( _ _ )m




