エピソード2 幽霊は殺人事件の犯人を知っている 第5話
第5話です。
「アリバイがあるなんて、そんなわけあるわけない! 私は確かに久留和に殺されたんだ!! この目で見た!!」
白石が部屋を出ていったあとも長澤は憤慨し続けていた。
これに佐渡は困った。
そうは言っても、ただの大学生にはこれ以上どうすることもできない。
「ねぇねぇ。本当にそこに長澤社長がいるの?」
そう聞くのはずっと黙って話を聞いていたシオンだ。
シオンの言葉に佐渡は頷く。
「あぁ」
「今は何してるの?」
「……シオンのお父さんの態度に怒ってるな」
「へー! 面白い! 霊ってちゃんと感情があるんだ! 思ったより意思疎通ができるんだね!」
シオンは楽しそうにしていた。
「ねぇ、佐渡クン、霊ってやっぱり透けて見えるの??」
「あ、いや、別に普通の人間と同じように見えるけど」
「へー! へー!」
「だから、時々生きてる人間と間違えるんだよな。最近は影の有無で見分けがつくようになったけど」
「そーなんだ! じゃあさ、じゃあさ、霊の声って――」
「シオン、ストップ。いろいろ聞きたいのは分かるけど、今はその辺にしておいて。話が本筋からズレる」
そう言って興奮した様子のシオンを藤原が止めた。
藤原は眉を下げ、佐渡を向いた。
「悪いな、佐渡。コイツ、オカルトが好きでさ」
「うん、今ので分かった」
「ボク、幽霊とか妖怪とかの話が大好きでさ~! 霊が見えたり話ができる佐渡クンがうらやましいよっ」
「そ、そう」
「うん! ――そうだっ! うちのパパはああ言ってたけど、ボクたちでこの事件解決しない??」
さも名案と言いたげにシオンは提案する。
これに藤原と佐渡は怪訝な顔をした。
「何言ってるんだ?」
「ふふんっ。そんなの決まってる! 僕たちが探偵になるんだよ!」
「はい?」
「混迷を極める難解事件。しかし僕たちは霊からの情報を持っている」
佐渡と藤原がぽかんとしている中、シオンは決め台詞かのように人差し指を立てて腕を上げるポーズを取った。
「あの世とこの世を繋ぐ幽霊探偵――わー! いいね! さっそく僕たちで久留和のことを調査しよー!」
「オカルトだけじゃなくて、探偵も好きだったか……」
テンションが高いシオンに藤原は呆れたようにしていた。
これにシオンは藤原にピースをする。
「まあね! さぁ、早速作戦会議だ! 明日は日曜日! 久留和の聞き込み調査だー!!」
シオンのやる気は誰にも止められない。
そんなことを佐渡と藤原は思うのだった。




