1話〜ご無沙汰〜
「あ〜今日は暇だな!?」
過ごし易くなったから家でエアコン浸りってわけでもないだろし……
あ!?
愚痴ってしまった。
すみません、リョウです、こんばんは。
なんか気のせいか、さっきから寒気がするんだよなぁ?
「ルイ、今日って寒くないか?」
「え!?そう……ぜんぜんっ」
「そうかぁ、風邪っぽくもないしなあ」
「オヤジは風邪ひかないでしょ、ふふ」
「このヤロ〜」
「あ、すんませんっマスター!」
「ま、いっかあ」
「ちょろ」
聞こえてんぞっ。
「いらっしゃいませ〜」
「え!?オヤジ、ドアも開いてな……」
「あっ、なんだぁノリぴーかあ!?」
「なんだとはなんだよ?わざわざ来てやったのに」
「そうだけどさあ」
「なんだよ?」
「呑めないじゃん、つ〜か金にならないじゃん」
「こ、このヤロ〜!?つ、つ〜か驚けよっ」
「ま、そうだけどノリぴーじゃ驚けないよ」
「面白みのねぇヤツだなぁ」
「ほら、入り口で何やってんの2人とも」
「ナミ〜聞いてよ、リョウがさあ驚いてくんないんだよ」
「え!?ウソっ——せっかく出てきてやったのにっ」
「そうっ、まったくいつからお前はそんなつまんない男になったんだよ」
「いやいやいや、だって身内だしそんなに怖くなかったし」
「じゃあコレはよ?うらめし〜やぁ、どう,どう?怖かったねぇ、ねぇ?」
「いや、ぜんぜんっ」
「ちっ、もういいや帰ろノリちゃん、せっかくお岩さんの真似したのにさあ」
「あわわわ」
「何してんのノリちゃん?」
「ウソっ、ノリぴーが気絶しそう」
「ちょっとおいっ、ノリちゃんっ」
「あ、ああ、何だナミかあ?」
「ナミかあじゃないよ、幽霊がオバケに怖がってどうすんの?」
「いや、だってお前は生前から怖かったし」
「おい、あの世のそのまたあの世に送ってやろうか」
こっわぁ。
「で、何か用があったんじゃないの?」
「そうそう、忘れてた!?爺さんがさあ」
「はあ!?ふざけんなっ」
「そうなんだけどね、なんか可哀想でさあ」
「嫌だよそんなの冗談じゃないよ」
「どうしたの……ってアレ!?ノリぴー?」
「おお!?ルイ、元気してたかあ?」
「うん、あの世から見てなかったの?」
「この人たちが素直に見守ってくれてるわけないだろ」
「そっか、あ!?お婆ちゃんも」
「おば!?ルイ……ナミちゃんよねえ?」
「うん、ナミお婆ちゃん」
「テメー、いっぺん冥土に連れてったろかっ」
「やめろよナミ、ルイがこわ……」
「はははは」
「笑ってやがるし、全くアンタらは親子揃ってオモロなっ」
「じゃあ爺さんには嫌だって言っといてね」
「仕方ねぇなあ」
「どうしたの?オヤジ」
「ん!?なんか〜爺さんがさあ、孫が誰1人来ないから寂しいんだって」
「はあ!?そんで迎えに来たの?」
「そう、孫が長生きでいいじゃんなあ?」
「あ、アンタたちって……バカ?」
「る、ルイお前はそんなことを言うヤツじゃなかった」
「いや、俺だって言うよそんなの」
「なあ、せめて酒の一杯でも注文してから言えっていうんだよなあ?」
「まったくだ、孫の働くとことか見に来たかと思えば、どうしようもないジジババだね」
「これでも大変だったんだよトシはさあ、じゃあ誰かが迎えに行けばいいじゃんて軽く言うもんだからね」
「そうだよ、そしたら爺さんはエンマ様んとこいって頼んじゃうからねぇ」
「ホントっ、チケットとってきてやったぞ〜って言いながらトシとまた呑みに行っちゃうし」
「で、俺たちが来るしかなくなったってわけ」
「まあ……お疲れさんっ大変だね、何か呑んでってよ」
「じゃあ呑んで帰るよ、あ、あと肉巻き頼むな持ち帰りで」
「ふ〜ん、向こうで作ればいいじゃん」
「いや〜アユミがさあ、どうせ行くならリョウのを買ってこいってさあ」
「懐かしいなあ、アユミちゃんかあ!?」
「何だよお前、俺たちには懐かしいのなの字もなかったのに」
「ホントよねぇ」
「ああ、マスターは2人がいなくなったあとアユミさんに助けられてたから——イテっ」
「どしたあ?ルイ」
「今なんか頭叩かれた」
「さんじゃなくてちゃんだろ?ルイっ」
「ええ、こんな時ばっか見てんのかよぉ、あのオバはん——痛っうわっ、ごめんごめんなさ〜い」
「無茶苦茶殴られてるなアイツ笑」
「ホントはセーイチローのとこも行ったけどさ」
「元気してた?」
「ああ、お前よりはな」
「でもアイツ……なんて言ったと思う?」
「何?」
「行ってもいいけど呑んだくれの相手でしょ〜?ならまだコッチにいるだって」
「ははは、セーイチローらしいね」
「仕方ねぇかぁ」
「そうだね」
「おい、そろそろ帰んないと、チケットが切れる」
「そうね、じゃあ行くね、ハイこれご馳走さん」
「またね〜みんなによろしく〜」
「は〜い」
「ちゃんとやれよ〜ルイ」
「お前がなっ」
「って!?」
「どしたの?」
「コレ……」
「ああ!?葉っぱだあ」
アイツらってやっぱり元々タヌキだったんだな?
完




