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居酒屋なみのり  作者: マメ
居酒屋なみのり5

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10話〜最後もやらかしたヤツ〜

作中の「トシ」とは作者本人のキャラです。

ご一緒にからかってやってください。


「はい〜、お待ちどうさま〜」


「うわぁナミちゃん、美味しそう」


「へへへ、なみのり特製アヒージョ」


「いただきます」


うん、うまいっ!



こんばんは、アユミです。


今日は私が60歳くらいの時の思い出話かね。



「う〜ん、私はやっぱワインですかね」


「あ〜、モエちゃんはベルギー暮らしが長いからワインかぁ」


「そうですね、ヴァンダンジュ・タルディヴでもいただけますか?」


「は!?」


そうよねえナミちゃん、何それ?


「あ、すみません、まだ日本に戻って間もないのでつい……」


はあ!?


この子はまったく……って、


「モエちゃんももう50になるんだね?」


「え!?そうですけど、なにか?」


「いや、早いもんだねと思ってさ」


「そうですねぇ、だからナミさんは……」


「おいっモエ、なんならベルギーに帰る日にちを遅らせてやろうか?日本の病院が恋しいだろ」


「いや〜ごめんなさいナミさん、ぜんっぜん恋しくないです、それなら早く帰ってハルトさんといた方がまだ」



チリン、チリン、


「おお、セーイチロー久しぶり」


「ああ、ノリぴー元気なんだぁ、まだ」


「この……何呑む?」


「ん、レモンサワーを」


「はいよ〜」


「あ、あとテキーラある?」


「え!?あるけど、ああ……」


何だろ、テキーラってセーちゃん珍しい。



「はい、セーイチロー」


「うん、そんで乾杯っと」


「ええ!?って……ああ、トシくんのかぁ」


「そ、アイツにもやらないとイジけるからね」


「ははは、アンタは幾つになってもアイツ呼ばわりだね」


「今更ね、今更っ」


そうだね、歳を取っても変わらないものもいいもんだね。



「じゃあ私たちも乾杯っと」


そうだね、


「乾杯、トシくん」


「もう2年かぁ、早いもんだね」


「そうねノリちゃん、アンタもそろそろなんじゃ?」


「は、やめろよぉ、俺はあと100年は生きるからな」


ははは、せいぜいあと30年くらいにしたら?


ノリ爺さん。



「セーイチローもアヒージョ食べる?」


「ん、もらおうかな、それじゃあビールにしようかな」


「ビールってセーイチロー呑めんの?」


「ん、ああコレなら合いそうかなって」


「ええ〜ビール呑めるようになったのぉ、セーイチローおとな〜」


「ナミさん、大人って……」


はははセーちゃんも、もう50過ぎてるのにね。



「でも相変わらずマヨネーズは嫌いなんだろ」


「ん、少しなら食べられるけど、ない方がいい」


「ふ〜ん、マヨネーズ……ナミさんコレにマヨネーズかけたい」


「え、アユミちゃん」


「なんかトシみたいだな?」


「そうだね、アイツもいろんな食べ方してたしね」


「リョウ、マヨネーズだって」


「はいよ〜」



「リョウくん久しぶり」


「おお、セーイチローよく来たな、はいマヨネーズっ」


「俺じゃないっ」


「はははは」


「え〜美味しいんですかぁアユミちゃん」


「うん、いけるわ」


「じゃあ私もちょっと入れてみよっと、セーイチローさんは?」


「だか〜らぁ」


「うわぁ、ごめんなさい、ごめんなさいっ」


「まったくモエちゃんはわざとやるんだもんなぁ」


「へへへ、セーイチローさんからかうの久しぶり〜」



「そう言えば、トシくんのこともからかってたよね、モエちゃんは」


「そうですかぁ、リョウくん?確かに……でもどちらかと言うとリョウくんの方をからかっていましたね」


「へ!?俺からかわれていたの?」


リョウくんも意外と……



「しかし、思い出すなぁ」


「え!?リョウくん何が?」


「え、トシくんの最期をさ」


ああ、確かに、確かにね。


「……」


あ、セーちゃん少し困ったような顔をした。


「ホント恥ずかしい弟だよ」


な、ナミさん息子の前で!?


「そうだよあんな話聞いたことないよ」


ノリさんまで……


「まったくです、さすがの私もビックリしましたもん」


「ホントだね、あの人の最期は泣けなかったね」


リョウくん、さすがにその話はやめよ。


私まで……



「そのお陰で悲しい別れにならずに済んだけどね」


「な〜、ひ孫の代まで語り継がせたいよ」


「ぷっ、やめてよぉノリちゃん」


「いや、仕方ないよ」


「タバコくれってね」


「何十年もやめていたのにね」


「最後に吸いたかったんだろうけどさ」


「私は少しわかる気がしますけど」


「でもアレはないよ、アレは」


ナミちゃん、そんなに笑って!?


「だってさ、最後にタバコ吸いたいって言ってさ、吸ったらさ」


「ゲホゲホって言ってな」


「そのまま死んじゃったもんね」


「吸わなければあと何日かはもっただろうにね」



「仕方ないさ、アイツはそういう人だったから」



そ、そうよね、セーちゃん。




             完







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