9話〜セーイチローを訪ねて〜
「いらっしゃいっ」
「ああ!?」
「おお!?リョウくん」
「セーイチロー、なんか変わったぁ」
「ナミさん……」
「ホントだぁ、セーイチローお前変わったなあ」
「あ”っ……」
はは、相変わらずノリぴーには当たり強いね、セーイチロー。
「ここでいい?」
「あ、うん」
へ〜、結構広いねぇ。
「呑み物は?」
「生かな」
「うん」
「俺も」
「はい、生三丁よろこんで〜」
おお、そのタイプの店ね。
「セーイチロー、オススメは?」
「餃子とかやきとりも人気だね」
「じゃあ、それ頼むわ」
「おまかせでいい?」
「そうだね」
お〜来た来た。
「じゃあ、まずは乾杯っ」
っと!
「ああ、美味しい」
「いやぁ、暑い中来てよかったね」
「うん、セーイチローの顔を見に来たんだからね」
「はは、ありがとうね、こんな遠くまで」
なんの、なんの。
「はい、餃子ね」
「おお、うっまそう」
「いただき〜、ホフホフ……あっつ、うまっ」
ノリぴー、落ち着いて。
つ〜か、いくつだよアンタは?
「はい、やきとりお待ちっ」
「……」
「セーイチロー、ホントにセーイチローなの?」
「へ!?」
「いや、こんなだったっけ?」
「まあ、そりゃ……友達の前とかでは普通にこうだったけど」
「ああ、トシくんがいる時は大人しかったのかあ」
「別にそういう……つ〜か、アレは来なかったんだ?」
「誘ったんだけどね」
「遠いからイヤだとか」
そうそう、
「泊まりじゃなきゃムリっとか」
うん、うん、言ってた。
「は!?あのヤロー?」
「ホントよね〜、息子が働いてんのに来ないなんてね〜」
「そうだよ、薄情なヤツだよ、アイツは」
はは、居ないと言いたい放題か?
まさか、俺も居ない時は……こわっ!?
「ま、来たら来たでウザいしね」
セーイチロー、ダイレクトすぎだよ。
「そ、そ、来たくないヤツは来なくていいっ」
え〜!?
「は?アンタ……」
「何?ナミ」
「いや、アンタあんなに」
「は!?」
「だから、アンタこの間」
いや、ナミさん言わなくていいことも……
「だから、セーイチローの店に行こうって言ったらアンタ」
「何、俺が何言ったの?」
「そんなとこまで行けるかっ、わざわざ何でセーイチローを見に行かなきゃなんね〜んだとか」
「は!?」
あちゃ〜、言っちゃったよぉ。
「そんで、だったらその辺でウロウロしてた方がよっぽどいいやって言って」
「は!?」
あ、ノリぴー、キョロキョロしてももう無理だよ。
「そんなこと言ってねぇしっ」
「言ってたよね〜リョウ」
「う、うん……まあ」
あ、セーイチローが、しら〜とした顔してる。
これは腹を立ててるな。
「いや、そんなこと言ってね〜し、今ここに居ないやつの方がよっぽど悪いし」
責任転嫁出たぁ。
「そうだよね、ノリぴーが正しいよね」
「その通り、セーイチローも分かってんじゃん」
いや、ノリぴー……そうじゃないから、この顔は違うから汗
「リョウくんとナミさん次何呑むの?俺奢るよ」
「ありがとうセーイチロー、じゃあ私はカシスを」
「リョウくんは?」
「俺はレモンサワーを」
「分かった、ノリぴーは特別メニューがあるから」
「え!?悪いじゃんセーイチロー、来てやった甲斐があったな」
な、なんという能天気!
「はい、カシスにレモンね」
「ありがとう……ってそれデカっ」
「うん、これはノリぴー専用のメガハイね」
「おお、セーイチローサンキュー」
いやぁ、なんか色がおかしいよ!?
「じゃあいただき〜、ゴクッゴクッ」
へ!?
平気なの?まさか……
「うべぇ〜、ヒーヒー、ふわぁ」
な、なんて声を!?
「な、何だよセーイチロー、何呑ませたんだ?」
ノリぴー、声が。
「ははは、この間リョウくんから聞いた、アサミさん専用特製野菜ジュース割り」
「え〜、そんなの真似すんなよぉ、おえっ」
「そして、はい、ノリぴー専用串カツもあるよ」
「な、何だよ今度は」
「食べて食べて、どうぞ」
「いいよ、じゃあ食べるよ」
「ガブっ、はふはふ、ふふお」
あれ!?
普通にウマそう?
「うまっ、あつ、うま」
「俺も食べようかな」
「ああ、リョウくんなら普通に食べられるよ」
「え、てことは?」
「ふ、むむむ、ひ〜、から〜い」
やっぱか……
「ゴクッゴクッ、ぐふぇ〜マズいっ」
「ははは〜」
「ちくしょう……セーイチローめぇ」
「へへへ、ごめんごめん、やり過ぎたかな?じゃあ」
また何か持ってくるのか?
「はい、濁りと刺盛りどうぞ」
「おお、すご〜い」
「わざわざ遠くまで来てくれたからね」
「悪いじゃんセーイチロー」
「よ〜し、じゃあ店終わったらどっか歌でも行くかセーイチロー」
「おお、いいね」
「いこいこ」
涼しくなった夜風の中、歩く4人だった。
完




