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居酒屋なみのり  作者: マメ
居酒屋なみのり5

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7話〜ママさんもママ〜


チリン、チリン、


「いらっ……」


あら!?


「ひとり?」


へ!?


「ママは?」



「ボク?お母さん探しているの?」


「お母さんじゃない、ママっ」


「ああ、そうなんだね、ママね」


「ママさんならこの辺にはたくさんいるぞ」


「ちょっ、ノリさん、そうじゃないでしょ」


まったく〜。


「ボクのママはどこにいるの?」


「わからない……探しているの」


う〜ん、迷子なのかな?


それともこの辺りで働いている人の子供なのかなあ?



「ノリちゃん、一緒に探してあげたら?」


「それより交番に行った方が」


「自分で探すっ」


あら、おこりんぼさん?


「ボク、名前は?」


「ユウト」


「ユウトかあ、んでママの名前は?」


「ミナコ」


ミナ……って!?


「あいつ!?ちょっと見ない間にこんな大きな子を作ってたのか?」


「ホントよねぇ、隠し子か!?」


「いやいやいや、どうやったら急に」


こんなに成長を……



「ユウトはいくつなの?」


「8歳」


「8歳かあ……すると18の時の子かあ?」


「あいつ、いつも子供をほっぽらかして呑み歩いてるんだな」


「そうよ、最近ウチの店にも来ないで」


「な、ココに来るんなら許しもするが」


アンタたち……何なの?



「まあ、せっかくだからなんか飲んでいけよ、坊主」


あ!?嫌そうな顔した。


「何飲む?オレンジかコーラか」


「僕、お金持ってない」


「なら、ココで働いていってもらおう」


ちょっ、アンタは押し売りか?



「いいわよ、ユウトくん、オバ……お姉さんがご馳走してあげるから」


ナミさん優しいっ。


って、どしたのユウトくん、キョロキョロしちゃって?


「お姉さん!?あっ、こっちの人かぁ」


「このガキゃあ、いっぺん」


ああ、ナミさん落ち着いて、落ち着いてぇ。


「はは、ユウトからしたらおばあちゃんでも……」


「このヤロー!」


「うわっ、ごめんなさい」


私まで謝ってしまうほどの気迫!?



「ご馳走さま」


あ〜、お利口さんね。


でも、ドアの方ばかり見て、やっぱ早く探しに行きたいのね。


「お姉ちゃんと探しに行こうか?」


どうせ暇だし。


「おばちゃんと!?ありがと……」


「テメー、2度と喋れないようにそのベロをっ」


「やめ、辞めろってアユミ」


「はあ、はあ、はあ」


「ごめんね、ユウトくん、あの人ちょっとアレだから」


が!?


アンタらにだけは言われたかないわよっ。



「ナミ〜、俺いってくるよ」


「そうね、お願い」


「行こっか坊主……じゃなくてユウト」


「うん、おじいちゃ……じゃなくておっさん」


「テ〜メ〜」


「ははは、ごめんなさい」


もうノリさんの扱い方を分かってるし、やっぱミナちゃんの子かしら?



「んで、ママってのはここいらで働いてんのか?」


「う〜ん、分かんないけど……いると思う」


「ふ〜ん、ミナコかあ?アイツはミナだったよなあ」


「ママのこと知ってるの?」


「あ、いや、似た名前の人をね、だから多分違うと思う」


「……」


「ま、とりあえずココらにでも聞いてみるか」


「うん」



カラン、カラン、


「すみません……」


「あら、なみのりの……」


「ちわ、ミナコって子いないですか?」


「子じゃなくてママ」


「ママなら私だけども」


「え!?あなたがこの子のお母さん」


「はあ?」


「良かったな、見つかって」


「ちが……」


「でも、ママさんミナコっていうんだね」



「何言ってんの、私はタカミだよ、知ってんでしょ」


「でも、見つかって良かった、良かった、じゃあなユウト」


「ちょっと、私の子なわけないじゃん、幾つだと思ってんの」


「僕は8歳」


「なっ、私は80よ、産めるわけないじゃん」


「ははは、そういうことで、じゃ」


「コラっ、私に押し付けんなっ」


「ちっ!」



「ノリさん、平気かしら」


「う〜ん、いくら何でも子供を置いて呑みに行ったりとかは」


どうかしら〜あの人は……汗



「あと行きそうなとこは分かるか?」


「う〜ん、中華屋さんが好き」


「そうか〜、ってお前がじゃないだろな」


「違うもん……」


「分かったよ……あっ、俺もなんかお腹空いてきたな〜、なんか食べたいな〜、おっ、おお、中華屋さん発見っ」


「おじさんもペコペコ?」


「ん、ああ、そうだな」


(俺は食べないけど——呑むっ)


「いや、ナミのいない今こそ、呑んでやるっ」



ウィーン、


「あら、ノリさん……お孫さん?」


「ちげーし」


「はは、こっちどうぞ」


「ユウト、何食べる?」


「う〜ん」


「ユウくんはたまごチャーハンよね〜」


「ね〜」


「って、なんだ?仲良さそうな……」



「あれ、ユウト!?早かったのね」


「ママ〜」


「え!?」



「もしあの子がママなら中華屋さんかも」


「中華!?」


何、ナミさん。


「何か心配、アユミちゃん、私……ちょっと見てきていい?」


は、急に!?


さっきと違う……


「え、はあ、私しか居ないからいいですよ、お客さん来たら連絡します」


「ありがとう」


チリン、チリン、


何か……余計に心配!?



「おま……こんなとこ……じゃなくてこんな大きな子がいたのか?」


「え、違うわよ」


「なら連れ子とかか?」


「ちっがうしっ、マモルも子供いないから、未婚だから」


「じゃあ……」



ウィーン、


「あら、ナミちゃん……まで」


「あ!?来やがった」


「何やってんのよぉ〜アンタは」


「は?ママを訪ねて〜だろ」


「嘘つけっ、呑んでるし!私は生をくださ〜い」


「おま、店はいいのか」


「アユミちゃんに頼んできた」


「ま、ならいいか、何気に疫病神なとこあるからな」


「うん、お客さん来ない時は大抵あの子いる」


(ゴメン、アユミちゃん、そうゆーことにして)



「それより、やっぱミナちゃんだったんだ?でも」


「はは、とりあえず乾杯!ナミさん」


「うん、あ〜おいしっ」


「でも18の時の子かあ?」


「え!?そうじゃなくて、母がね」


「え?」



「てゆ〜か、ユウト、もっとなみのりにいなよ」


「嫌だ、ママといる」


「まったく〜、人の店を託児所みたいに」


「説明しろよ」


「ああ、母がね歳とってからの子だから、外では私を親にしようって」


「はあ!?そんな」


「なにか気恥ずかしかったんでしょ」


「じゃあ弟か?」


「そ、でも18も離れてるから」


「なるほど……あっ、おかわり」


「ナミ……店戻れよ」


「アンタはよぉ?」


「俺はまだ……ホントのママを見つけてないから」


「次の店で呑むと」


「そ、なあユウト」


「ええ、じゃあノリさん保護者の私がついていかないと……ゴチで〜すっ」


「ふざっ」



「ミナちゃんがいるならノリちゃんが行く理由は?」



「いや、な、ナミぃ俺も行く〜」


「アンタは店番、行こうミナちゃん」


「うん、ナミちゃん」





おいっ!私のおかわりはっ!!



             完



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