2話〜誰が決めた〜
「いや〜全然暑くならないねぇ」
「ホントだね、こんなんじゃ今年の夏は空振りかぁ?」
「ノリちゃんは万年空振りだけどね」
「店長……今日はもうそれで終わりな」
「ま、待って待ってもう一杯もう一杯だけ」
「アンタが一杯で済むわけないでしょ」
「あ!?ピンちゃん……久しぶり」
「ホントね」
「生きて……」
「このヤロー、生きていたわよ!ピンっピンよっ」
「ははっ、自分で言うんだ?」
「そういえばピンちゃんてなんでピンちゃんなの?」
「へ!?ノリちゃんも知らなかったの?」
「うん、もう10年になるけど……知らないねぇ」
「どうせ知りたくもないんだろ?」
「バレてたか」
「まったくアンタは変わんないね」
ふ〜ん、今日は誰もナレーションしないのね?
じゃあ多分初めてやってみるかな、シーズン1からいるんだけどね。
私はピンちゃん、年齢は不詳。
職業は秘密。
今日も居酒屋なみのりに……
「何やってんのピンちゃん、もう酔ったの?」
「うっさい店長!」
途中で切られると恥ずかしいんだから……
「ピン、ピン……あ!?サイコロ好きでピンゾロのピンちゃんになったとか?」
違うなマスター。
「違うよノリちゃん、多分芸能人から取ったのよ」
女将さんもアウトっ。
「ナミちゃん、それ安直じゃない?」
「じゃあ店長はなんだと思うの?」
う〜ん、秘密にしてるわけじゃないのに何故私に聞かない?
「アレでしょ、ピンクが好きでピンクの服ばかり着てて、今は年だから紫が多くなったとか」
てーめー、妄想で人を貶めんじゃないよ。
「店長さんは本当デリカシーが」
もっと言ってやってよアユミちゃん。
「じゃあアユミっちは何だと思うの?」
店長、アユミちゃんにそんな呼び方したらまた……
つて!?アレ?
「そうですねぇ」
満更でもない感じ?
てゆーか、ほぼ喜んでる?
アユミちゃんももう年だから……
「ピンちゃんはですねぇ、きっと……ずっと独身だったからピン……うごっぐごっ」
てめー、1番の友達だと思っていたのに、言っちゃぁいけないことを!
「ぶふぁ、苦しいですよピンちゃん、ずぼし……ぐふぉむんぐっ」
マジで殺すぞおいっ!
「はぁ、はぁ、ピンちゃん……マジギレ?」
アンタも相当な天然ね。
モエちゃんのこと言えないよ?
って、あの子は計算か——
「アユミぃ攻めすぎだろ?いくらピンちゃんでも知られたくないことくらいあるさ」
マスター……
おいっ、ノリ!なにを知った風な口を——
「ああ、アレですよぉ」
ん!?何か閃いたのかいジューモンさん。
アンタ……時々スルドいからねぇ。
「ピンちゃんはモデルさんやってて、ピント合わせにこだわっていたんですよきっと」
は!?
1番的外れな……
この私がモデルなんて……
「なるほど、確かに昔は綺麗だった感あるからね」
マスター、昔はは余計だよ。
「そうですね、若い時は綺麗だった感じしますね」
アユミぃお前わざと天然やってないかい?
「おお!?それでいこう!ピンちゃんの由来はそれで決まりっ、そしてナミちゃんワインもう1本ね」
やっぱアンタは呑むんだね。
「ピンちゃんも呑んで呑んで」
「ありがとう店長」
赤ワインかぁ、久しぶりだね。
「ピンちゃんそこにレモンサワー入れちゃえ」
は!?店長何を……
「あっ!?ピンクになったぁ」
マスター喜ぶな。
「ああ、これだぁ!?だからピンちゃんなんだね」
って、女将……いやナミちゃん、アンタはもっとまともだったと思っていたのに。
「もうそれでいいよっ。もっと私の話をしろよお前らっ」
えー!?
何ぃこの人ぉ——
「忘れてた、アユミはワインを呑むと怪獣になるんだった」
は!?何それマスター、先に言ってよ。
「どうしよう、どうしよう、モエ……はいないか」
えー!?
ナミちゃんまで動揺するほどなの?
「ははは、アユミっち爆発だぁ」
コイツはブレないねぇ。
「店長煩いっ、今日は朝まで付き合ってもらいますからね」
アユミちゃん……
「がはっはっは〜、俺にそんなこと言うとトコトン行っちゃうよっ」
「よ〜しっ逃げんなよ店長、ピンちゃんの本当の由来……ピンクキャバレーに行くぞっ」
は!?
違うしっ。
何なのこの子は——
てゆ〜か、そんなとこないしっ。
「そうだったのか……アユミは何でも知ってんな」
「だからぁ違うってマスターっ!」
完




