1話〜台風の目は?〜
「う〜ん、台風来ないのに……」
「そうだねノリちゃん、お客さん来ないね」
天気予報の……
「バカっ」
「え!?俺何かした?」
あ!?
「いや、独り言」
声に出してたのね。
モエちゃんか?私は……
「こんなに暇ならさぁ」
「なに、トシ」
「焼肉やんない?」
「はあ!?ここで?」
「そう」
そう、じゃないよ。
得意げな顔してコイツは……
「ホットプレートならあるよ」
あるよじゃないよノリちゃん。
トシの思いつきにまた乗せられるなよ。
「どうせお客さん来ないなら、雨降る前に」
それも一理ある。
うん、うん——って乗せられてるわたしも。
「悩みどころだねぇ」
「男だろ悩んでんじゃないよ、やるよ!」
「え!?何故ここでナミ男ver.」
あ、やっちゃったぁ!?
つい……
「仕方ない、トシ買ってこいっ」
「ええ〜、今度は暴君モードかよっ」
ははは、呑むと決めた私にもはや怖いものはないっ。
「まあ、言い出しっぺは大体そういう末路だよね」
「うっせーノリぴー、ってあれ財布が無い」
「はあ!?」
「落としたの?」
「いや持ってきてないのかな?」
かな?ってコイツは……はなっから金払う気がなかったのか——
「じゃあ、ノリぴー頼むね」
「トシくん、このやろ……あ!?俺も財布ない」
嘘つけお前らっ!
「てことでナミ、頼んだよ」
「頼んだよじゃないわよぉ……」
「あ!?」
トシなんか思いついたな悪知恵トシ。
「店長……来そうだね?」
「おお、そうかぁ」
そうかぁ……でもないよねノリちゃん。
お客さんにたかる気か?
「ジ〜」
その効果音は!?
「そうかモエ、お前金あるか?」
「やっと私に声をかけましたね。焼肉をやるのに私を抜きにしようなんてさせませんよ」
「いいから金あるか?」
この際だノリちゃん、押せっ。
「無いですよ、あるわけないじゃないですか」
「無銭飲食する気か?」
「違いますよこれから」
「おお、タダシが来るのか、アイツなら持ってるな」
「嫌ですよ、どうせタダシさんと焼肉ならこんなとこじゃなくて……」
「モエ〜!」
「うわぁ、ナミさんごめんなさぁいっ」
チリン、チリン、
「あ!?来たっ」
「何ノリちゃんいきなり、財布ならないよ」
「へ!?聞いてたの?」
「ん!?少し入りづらかったからそこで聞いてた」
はあ!?
いつからそんな男になった。
「ふ〜ん……あ!?ヨーコちゃんもくんじゃね?」
「ああ、連絡してみて」
「ちょっと待って」
「この人たち……ヤバいな」
「あ!?ヒロくんは焼肉いらないのな?」
「いや、いるけど調達の仕方が」
「じゃあヒロくんの奢り兼買い出しで」
「モエちゃん、突然グイグイきたね」
「はは、この子は変だから許してあげて」
「もお〜またナミさんへんな噂流さないで下さいよぉ」
噂じゃないっ!
「あ、ヨーコちゃん、向かってる?焼肉食べたくない?」
「え!?焼肉行くの?ミソカツの舌になってたんだけど」
「そうなんだぁ、じゃあ来るときさぁお肉買ってきてよ」
「はあ!?だから……って、まさか私に奢らそうとしてない?」
「そんな訳は……あるか……も?」
「も?じゃないわよ、とにかく今日はみ・そ・か・つ」
「ダメだ、アイツ手強い」
「アンタが下手なだけじゃない」
「う〜ん……トシくん思ったほど使えない」
「そうっすよねノリさん」
「ヒロくんまで……ひどいっ」
「まあ、まあ、トシさん。気を取り直して下さい、これから真打の登場ですから」
「モエちゃん、それって」
「今日は誘ってあるので、あの人が来たら……チョロいですから」
出たブラックモエ。
それでよく妹キャラを公言しているよな?
チリン、チリン、
「ヨーコちゃん」
「もぉ、トシくんなぁに、人を財布みたいに」
「いやそうじゃなくてついでにと」
「ついでってなんのついでなのよぉ」
「ここに来る?」
「ここに来るたびに肉買わされたらたまんないわよ」
「はいっ、ヨーコちゃんビールね」
「ありがとうございますナミちゃん」
チリン、チリン、
「こんにちわぁ」
「おお、アユミぃ、会いたかったよ」
「帰ろうかしら」
「そう言うなよ」
「ノリさんにそう言われると恐怖しかないのだけど」
「で、財布は持ってきたの?」
「そりゃありますけど」
「さすがアユミちゃん!」
「その顔はみんな持ってきてないとか……」
「ああ、ココで焼肉をやろうと思うんだけどみんな忘れてきたってゆーから」
「そんな訳ないですよね?」
「店長以外みんな忘れたんだよ」
「嘘つけっ、俺は出さないっ!」
「店長胸張んなっ」
「ふ〜ん、そう言うことですか!?」
「だから〜ココは1番可愛くて1番頼りになるアユミちゃんにぃ」
「もぉ、モエちゃんに言われたら仕方ないかな」
「うわぁアユミちゃんさすがですっ(ちょろっ∴小声)」
「モエ、聞こえんぞっ」
「あわわわっ」
またまた、わざとらしいこの子は……
「じゃあオレ買ってくるよ」
「あ、じゃあ私も行こうか」
「じゃあヒロくんとヨーコちゃん頼むわね」
その間に準備とっ。
「でもさすがモエだよな」
「そうだね」
「もぉ、褒めるならハッキリ言ってくださいよぉ」
「ああ、アユミなら金を出してくれるとか」
「そうそう、アイツはチョロいとかも言ってたね」
「きっ!」
「ひゃあ、効果音を口に出すのは私の特許ですよぉ〜アユミちゃ〜ん」
「ならモ〜エ〜、この恨みはらさでおくべきかぁ」
「ホントごめんなさい、ごめん」
「ま、許そう。新章の1話目から揉めても仕方ないしね」
「そおですよぉ〜、みんなで美味しく焼肉しましょうよぉ〜、こんなトコですがぁ」
「モエっ」
「あっ!?ナミとアユミのダブルアタックだ」
ゴン、ゴキっ、
「もお〜私は当分お休みしますっ」
「そうしてくれ」
「もお〜ダメだとか言って下さいよぉ〜」
「これじゃ今回もまたグダグダだねナミさんっ」
あちゃ〜
完




