表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
居酒屋なみのり  作者: マメ
居酒屋なみのり4

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
63/68

12話 〜それでも変わらない〜


「パパ、唐揚げまだぁ?」


「もうちょい待ってなルイ」


「うん、じゃあジュース」


「ああ、いいよ俺やるよ」


「セーイチロー助かるっ」


ガチャ、


「はい、ルイのジュースなぁ」


チリン、チリン、


「あ、アユミさん」


「ち」


「ちゃん」


セイちゃん、次からは1回で言おうな。



「うわぁ、ルイくん大きくなったね〜」


「ア……ユミさぁんっちゃん」


「可愛いっ」


「ルイ、さんて言ったら怒られるぞ!?」


「ルイくんはなんでもいいもんね〜」


「ね〜」


連れて帰りたい〜。


それは誘拐か!?



「はい、アユミちゃん、ビールね。それと」


「何これ?リョウくん」


「これはサービスというかお礼」


「ええ!?いいのぉ?なんだか分からないけどもらえるなら」


うわぁ綺麗なお刺身〜美味しそう。


「今日も行ってくれたんでしょ?どうせ」


「あ、あぁ!?ま〜ね」


でも、どうせって……汗。


「3回忌だからねぇ」


「もうそんなだ、早いねホント」


「ノリさんが逝って、そんでナミちゃんもとうとう……3回忌かぁ!?」


「いつも花をありがとうね」


「ははは、バレてたか」


面と向かって言われると……なんか恥ずかしい。



「まあ、ココはねぇ私の人生みたいなもんだからねぇ」


「そうかぁ、もうアユミちゃんも50超えたんだっけ?」


「今日をお前の命日にしたいのかリョウくん」


「いや、歳の割に若いなあ?って」


「ん!?褒めてるつもりか?」


「乾杯っ、アユミさんちゃん」


「はい、乾杯!ルイくん」


「ルイが空気読んだ」


やっぱそうだよねセイちゃん。


ちょっと悪ふざけしすぎたかな?



「しかし、疲れたぁ」


移動距離長すぎだよ〜。


「そうかぁ、出張帰りだったね?」


「今度はどこ行ってたんだっけ?」


「沖縄〜」


「おお、いいねぇ?楽しんだんだ?」


「それがね、セイちゃん、もう大忙しでさ。沖縄に2支店あるから遊びに行く暇が」


「仕事でしょ?それに夜は別でしょ」


「あったり前よっ」


えっへん!


「泡盛呑み漁りツアーとか?」


「バレてたかっ。いや〜スクガラスが意外に美味しくてつい」


「地のモンはやっぱ地のモンが合うからね」


「そうなのよリョウくん、さすがマスター分かるわね」


「まあ、アユミちゃんはそうでなくても呑み歩くんだろうけどね」


「やっぱバレてたっ」


へへへっ。



「はあ〜でもやっぱ落ち着くわぁ!?帰ってきたって感じ」


「はい、いただきもんで悪いけどスクガラスね。島豆腐はないから木綿で勘弁」


「しょっぱっ!」


「セイちゃんそこでキュっと呑むのよ」


「う!?うまい……かも?」


かもじゃないよセイちゃん。


「そんでちゃんと指導できたの?」


「まっかせてよ!リョウくん」


「出世街道から逸れてってみんな気にしてたからね」


そうだったのよねぇ、あの頃は。


俺たちのせいか?なんてあの店長さんまで気にしちゃって。


「まっ、私の決めた道だし、後悔はゼロだしねっ」


「え!?何が?」


「ん!?こっちの話」


「ルツェルンと衣笠を天秤にかけるなんてこの子……頭おかしいってノリぴーがよく言ってたもんね」


「そうそう、言ってたねぇ。お前——バカだろっ?てさ〜」


「ははは、お客さんなのにねぇ」


あの人にお客さんて概念あったのかしら?



「あ、でも来月そのルツェルンに行くのよ」


「え!?まさかやっぱ転勤で?」


「違うわよ、また教育兼視察よ」


「ああ!?アユミちゃんてそんなに偉いんだ」


「ん!?よくぞ聞いてくれましたセイちゃん」


「いや、別にただ流れで言っただけで……」


おいっ、ちゃんと聞こうよ〜。


「まあまあ、セーイチロー聞いてやろうぜっ」


「仕方ないか?リョウくん」


し、仕方ない?このぉ〜!?でも言いたい。


「私は本部長なのだ。我が社創立以来初の女性本部長なのだっ」


ドヤっ!


ほれ拍手せい。


「アユミちゃん?お〜いっ」


「あ!?浸ってた……」


恥ずかしいっ。


「何かアユミちゃんて前よりおかしくなったよね?」


がっ!?セイちゃん……そんな風に!?



チリン、チリン、


「いらっしゃいませ、何名様ですか?」


「2人です」


新規さんかあ?


またお客さんが増えるといいね。



「しかし……それでも本部長になるなんてやっぱ優秀なんだね」


そうなのよ、ホントは優秀なのよ私は。


「女性初かあ!?他の女性社員は寿た……うごごご」


「セーイチロー、それ以上言ってみろ?本当にお前の命日に」


「ぶはぁ、はあはあ苦しいっ」


「ははは、アユミちゃん危ないよ〜色々と」


「ん!?アユミ……?」


へ!?何?アンタたちは……


「ああ!?フラミックスのアユミさんですか?」


へ!?


そうだけど……


「今度、アユミさんにセミナーしていただくグロスドットの山田と言います」


「ぐ、グロスドット!?あんな超有名企業に!?」


「アユミちゃんが!?」


何!?私じゃいけないの?


「はい、われわれの業界ではかなり有名な方で」


「そうだったのアユミちゃん……いや、アユミさん」


「ただ抜けてる人だとばかり」


「おいっ!?この時ばかりと私を……」


「いやあ、アユミさん凄いっ」


「いやあ、本当に凄い人なんですよアユミさんは」


「アユミさんちゃんさんっ」


うわぁルイくんこんな時も可愛いっ。



「今度のセミナー楽しみにしていますアユミさん」


ぬぐぐぐっ、


「だから何度も何度も——呑んでる時はアユミちゃんなっ!お前らっ」




            完




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ