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居酒屋なみのり  作者: マメ
居酒屋なみのり4

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13話 〜負けてもなお〜


「なあ、モエ」


「何ですかノリさん?」


「お前らさあ、別れてみろよ」


みろよって何ですかみろよって?


「何でですかぁイヤですよ〜」


「何かさぁ最近浮いた話ないからお前が……」


「そうねぇ、それいいかも?なんか最近マンネリというか」


な!?出て来ないでくださいよぉ。


「なら、アサミさんたちが別れるっていうのは?」


「あ〜無理無理っ。私たちってほら?硬い絆でさあ」


何を?このおばさんはっ!?


「私たちの方が固いですよ〜だぁ」


「あ!?対抗したわね?なら勝負よ」


すぐムキになるんですよぉ〜この人は。



「いいぞ〜やれやれっ」


「やめなさいっ。煽るなっ」


「ナミぃ!?いいじゃん暇つぶしに」


「お客さんはおもちゃじゃ……」


「いいじゃん、つまんないテレビよりよっぽど面白いぞ」


「そお?ならいいか?」


いいか?


じゃないよナミさん!?


「いいわ、ナミちゃんたちがそうまで言うなら勝負よモエちゃん!」


そうまでは言ってないですよぉ!?


「で、でも負けたと思われたくないから私も」


「モエちゃんアナタが決めていいわよ」


く〜、余裕ぶるのですね?アサミさん。



どうしよう?


あ!?そうだ。


「くっくっく〜、私を甘く見ましたねアサミさんっ」


「甘くは見てないけど何?早く言いなさいよ」


「ちょっ、今いいとこなんですからノってくださいよぉ」


「イヤよ、アンタと同じおバカさんに見られるじゃないの?」


「アサミぃ、もう遅いぞ〜」


「そうだよ〜アサミちゃん」


「な、ナミちゃんまで……汗」


「では、言いますよ、大切なら呼んだらすぐに来るはずです」


「で!?」


「今からココに来てと送信して先に来た方の勝ちと」


「いいわよ、じゃあやりましょうか!?」


え!?


マサユキさんは今日はお休みなの?


ホームセンター勤務で帰りが遅いはずでは?


私の勝ちだと思ったのにぃ〜!?



「じゃ、やりますよ」


「モエ、何で言い出しっぺのお前がキョドってんだ?」


「べ、別にあてが外れた訳ではないですよノリさん」


「わかりやすいっこの子。こりゃダメだ」」


「うわぁ〜、ナミさん始まる前から私の負けみたいなぁ」


「ふふふ、安心してモエちゃん。マサくんは今日も出勤よ」


セーフ!


「なら勝てますね?」


「急に元気になった」


「単純」


もお、ナミさんは私の味方なんでしょ?



まぁ、やるしかない。


「はい、送信っと」


コレでどっちが!?


ピロロン(おんぷ)


え!?早っ?


「あぁ、マサくん今日は遅番だから閉店には間に合うと思うけどだって……残念」


「ははは、これは私の有利になりましたねアサミぃ……ちゃん」


「あ!?急に偉そうに——」


ふぁはは、勝てばいいのです。


勝者こそすべてっ。



「ふ〜ん、来ないわねぇ。ノリさん私お代わりね」


「はいよっアサミぃ」


「モエちゃんスマホばかり睨んでないで食べたら?」


「そうだよ、温め直そうか?」


「そうよモエちゃん、温め直せるならそうしてもらいなよ?」


ぐぬぬ、上から来ましたね?アサミさん。


でも、まだ勝負は……



ヒューゆ(おんぷ)


「あっ!?来た!」


「おお!?やっと返事かぁ」


「何だって?」


ぬぐぐぐっ、


「やめろモエ、スマホ壊れる」


「どうしたの、何だって?」


「ポイントカードの通知でした。こんなタイミングでクソォ」


「モエちゃん、キャラ崩壊……」


ああ、いけないいけない!?


永遠の妹キャラがぁ〜。



チリン、チリン、


「おお、アユミぃ、お疲れっ」


「はいノリさんっ」


相変わらず爽やかな登場ですねアユミちゃん。


「で、みなさん今日は何をやってるんですか?」


「え!?ああ、アサミがモエを虐めてて」


「虐めてなんかないわよ。やめてよもぉ」


「半分虐めです。ぐすんっ」


「ちょっ……モエちゃんが言い出したことでしょ?」


「で、どんな虐めですか?ああノリさん今日はホッピーの白を」


「はいよ〜アユミぃ」


アユミちゃん……私の虐め問題を軽くあしらって。


「ナミさんはわかっ……」


「はいアユミちゃんお通しねぇ。それとあまり関わんないでいいわよ」


「が〜んっ」


「こいつまた口に出して言った」


「ホント、効果音を口にする子だね?」



「何か可哀想になってきたから聞いてあげますよ」


アユミちゃん……今まで。


「独り身とバカにしてごめんなさい」


「こらモエ。お前——」


「ああ、冗談ですぅ」


「ホントにモエは……あのね」


「そうなんですねナミちゃん。それでモエちゃんスマホばかり?」


「そうなのよ。もう2時間経つのに返事が来なくて」


「もういやっタダシさんなんて……あ!?何か事故とかに?」


「そんな悪いこと考えるなよモエ。ただシカトしてるだけだって」


「それもどうかと?」


「いや、無事ならいいんじゃないの?」


「そんなこと言ったってナミちゃん」


「あ!?私……見たわよ」


「え!?アユミちゃんタダシさんをですか?」


「ええ、ススムくんたちと……」


「ススムたちと!?」


「多分……雀荘じゃないかな?入って行くの見たから」


「グググぐぅ!あのヤロー!?」


チリン、チリン、


「あ!?モエ——」



「結局戻って来ねえなぁ?」


「試合放棄で私の勝ちね?」


「まだこだわってんのかアサミ」


「勝負は勝ってこそよ」



チリン、チリン、


「ちょっ、モエちゃんやめ……」


「タダシ!?」


「ふっふっふぅ〜、これで私の勝ちですねアサミさん」


「えぇ!?引っ張ってくんのありぃ?」


「来たことにかわりはありませんっ。どうもご馳走様です」


「ええ、奢るなんて言ってないけどぉ」



てぃろ〜ろ〜ん(おんぷ)


「あ、ススムからだ?」


「課長の負けっすからね〜今からなみのり行きますんで……ゴチで〜すっ」


「あ!?いやそれはモエちゃんが……おいっ、切りやがった」


「タダシさん!?」


「モエちゃん、ススムたち3人の呑み代よろしくねっ」


「いや〜んタダシさぁん——」



「真の勝者は私」


「アサミせこっ」




            完




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