11話 〜振り回し方〜
さ〜て、お客さんもまだ少ないし何かお試し料理でも作るかなぁ?
「お!?何やるのナミ?」
「ん、チーズをねぇ……内緒っ」
「は!?そこまで言ったら教えろよ」
シカト、シカトっと、へへ。
チリン、チリン、
「おお、ミナ〜軽く久しぶり」
「こんばんはナミさん」
「出迎えたの俺なんだけど?」
「ああ、大将……」
「おい、俺のこと大将なんて呼び方したことあったか?」
「は、あ……あ!?」
「このやろっ、今日の酒は激薄でいいな?」
「ごめんなさ〜い、ノリさん」
「ははは、で、1人?」
「いえ、後からキョウが」
「キョウは子育て……ああ!?マチダに預けてか」
「ん、まあ……私はお腹すいたからシソパスタにしようかな?」
「はいよっ、呑みもんは白?」
「いや、レモンサワーで」
「待っててね〜」
「ふ〜ん」
「どしたの?ミナ」
「え!?ああ、マチダがどうしてもついてくるからって」
「へ〜、まだ仲良いんだね。ラブラブだぁ」
「ラブラブって……オジさん」
「て〜め〜!」
「きゃー!ごめんなさい」
「もお、ノリちゃんはお客さんで遊ばないの」
「は〜い」
「は〜いって、あなた方の方が仲良いですね」
「うわっ!出た!」
「人をお化けみたいに」
「ミナはトイレの1件以来きっしーがトラウマなんだって」
「ナミちゃん、トイレの件てどの話ですか?」
「あ!?きっしー自覚あるんだ?いくつも」
「あははは……こわい」
チリン、チリン、
「いらっしゃい、キョウちゃん」
「ナミちゃんお久〜」
子育て疲れはなさそ〜、てゆ〜か子育てできてるのかなこの子は?
「ちわ〜すっ」
「マチダくんもよく来てくれたわね」
「こんばんは、ナミさん。と……」
「お前もそのくだりやるんだ?」
「ああ!?ノリさん、マチダだのは素だから、私のとは違うから」
「まあ、何となく分かるけど……て!?お前はやっぱ」
「あはは、ごめんなさ〜い」
「はい、トリカラねぇ」
「ありがとうございます、ナミちゃん」
「おっ!?うまそ〜、1つ」
「やめてよ〜、コレは私の」
「仲良く食べればいいのに」
「イヤよ、ミナ」
「仲良くした方がいいよ」
「お前が言うな、マチダ」
あらら、ケンカ中か?
「そういえば子供はどうしたの?」
「私の実家に、ノリさん」
「あぁ、そうか……そんで、そんで」
て、ノリちゃん椅子持って行かないの。
「え〜、教えてもいいけど……」
あら!?ミナはメニューを見て?
「ミナ、私の悩み事でノリさんにたからないの」
「は〜い、ちぇっ」
「ミナ、洗いざらい話すんなら1品いいぞ」
「ホント?ノリさん、じゃあね」
「ちょっ、目の前で内緒話してもバレバレだよ」
「まったく、やめなさいっ」
「いたっ」
「いてっ」
「ナミちゃんありがとう、でも話しても問題ないけどね。別れるんだし」
「なあキョウ、考え直すってのはどうだ?」
「い〜や、もううんざり」
「そこを曲げてこそ、大人の女って感じだけどなぁ」
「うっさいマチダ。もう決心したの」
「ふ〜ん、よっぽど何かあったんだ?」
「そうなのよ、ノリさん」
あ!?この顔は聞いて欲しいヤツだ。
「この間ね……」
こっちは何も聞いてないのに話し出したこの子。
「あ!?きっしー、にごりのおかわり?」
「そうですね。そしてお2人も呑んでください」
「いつもありがとうね、きっしー」
あ!?キョウがきっしーを睨んでる。
「私……何かしました?」
「いや、きっしーは何も悪くないよ」
「はあ、キョウちゃんが怖い顔してるもんで」
「え!?あ〜ごめんなさい。きっしーさんつい」
「ついって程度の顔でもなかったですよ」
きっしー……食い下がるなあ?
「私も今日から実家に帰るから」
「俺もか?」
「アンタは家でもアンタの実家でも行けばいいでしょ」
「ああ、じゃあモモカに会えないじゃないか」
「会いたければ会いに来れば?来られるもんならね」
「うわぁ〜、それは無理でしょ?キョウのママは怖いもん」
「ふっふっふ〜、有ること無いこと吹き込んだから」
「そういうのはずるいぞ、キョウ」
マチダくん、電話し出した!?
「あ、こんばんは、お義母さん……」
「はあ!?電話すんなしっ」
「いえ、いつものことですから、いま代わりますね」
「もしもし……」
「もしもし、じゃないわよっ!何やってるのアナタは!?」
「はい、はいっ……ごめんなさい、ママ」
「あちゃ、怒られたのはキョウの方だつたか?」
「マチダぁ、電話しやがって私が怒られただろ」
「お前がウソばっかつくからだよ」
「だって、バッグ買わせてくれないじゃん」
「はあ!?」
と、顔を見合わせるノリちゃんと私……
「当たり前だろ、出産祝いはモモカのために使うんだから、それでバッグ買うとかはないし」
「いいじゃん、手当も入ったんだし」
「それこそダメだろ。キョウはもっとしっかりしていると思ったけど……」
「ケチケチケチ、ケチンボマチダ」
「キョウ……呪文みたくなって……てゆ〜か、下ネタ?」
「もう、ミナは私の味方でしょ?」
「いや、味方したいけど、なんか……」
「もう〜、ノリさんたちは分かってくれるわよね?」
ノリちゃん、ガツンと言ってやれ!
「俺が買ってやろうか?」
おい!?お前!
「え!?ホントに?ノリさんステキ!誰かさんとは大違い」
「うん、いいよ。どんなのがいい?」
「きゃーノリさんサイコー!好きになっちゃった」
ニヤつくんじゃないよ。
「じゃあ、お前はノリさんとくっつけよ。俺はモモカを引き取って暮らすから、じゃあな」
「ああ、じょ……冗談よマチダ〜。あんなオッさんなんて興味ないし!?捨てないで〜」
「あ!?キョウたちお金払わないで出てった」
「ミナ、ハメられたんじゃない?」
「まさかそんなぁ……」
「それよりノリさん……散々な言われようだったけど?」
「あ!?そうだあのヤロ〜。とっちめてやる」
ちょっ、ノリちゃん出てっちゃったぁ。
「お〜い、未練がましいオッさんに見えるぞ〜」
完




