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居酒屋なみのり  作者: マメ
居酒屋なみのり4

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10話 〜テン楽劇!?〜


「うわぁ〜、タダシさん食べた〜」


「あ、ごめんモエちゃん。とっといたんだ?」


「もぉ、私の最後の唐揚げを食べるなんて〜」


あー、疲れた……もう嫌だ。


あ!?


失礼しました、私はタダシです。


お久しぶりです。


そして、乾杯!



何を騒いでるんだって?


それは……


「もういいです、タダシさんとは絶交します」


おっしゃ!


これで解放されるぅ。


「チラっ……今、ニヤつきましたよね?」


「いいや、全然」


またこの子は口でチラっとかいう割には鋭い。


「あ〜いいですよぉ、あと3分だけ絶交しますっ」


え〜!?


短くない……もうちょっと怒ろうよ。


「ふ〜ふふん、あと20秒〜」


もうかよ、俺の静穏な時間がぁ〜!?


「はいっ、終わり。もうタダシさんが食べちゃうから……」


また話、戻ったぁ?


「いや、じゃあ何か頼もうよ」


「ダメなんです、今日は2000円以内て決めてるんですから」


「いや、モエちゃん……2人で2000円はちょっと」


「頑張ればいけますってぇ、タエさんのレモンサワーを盗み呑みするとか」


「こら〜モエちゃ〜ん、聞こえてるぞ」


「あ!?ヤバい、地獄耳。悪魔か鬼か?」


「モエ!」


タエさん怒モード、ヤバいヤバい。


「ごめんなさい、タエさん……悪気は」


「ははは、タダシさん、モエちゃんに悪気があったら恐ろしいわ」


そうっすよねぇ〜タエさん。



「じゃあバラとおかわりは何を呑む?」


「だからダメなモノはダメっ」


「え〜!?帰れって追い出されるよ」


「平気ですよぉ〜そんなの」


「何で?」


「だって私は……大のお得意様だから」


うわぁ〜、またお調子モンモード突入だよモエちゃん。


「帰れっモエ」


「うわっ、出たっ」


「出たって何だよ!?」


「え、ブラックノリさんが」


「俺は普通だ、お前がまた変なことしてるからだろ?」


「へんなことじゃないも〜ん、節約だも〜ん」


「節約するならスーパー行って帰れっ」


「あ〜!?お店の人がお客さんを追い出そうとするぅ」


モエちゃん……周り見たってみんなノリさんの味方だよ。


つーか、俺もノリさんに1票だよ。



「分かりました」


何が!?モエちゃん、何だか怖いよ……もう。


「じゃお会計ねぇ」


「違いますノリさん。お祝いしてください」


「は!?」


いやいやいや俺も、は!?だよ。


「節約している理由を聞いたらお祝いしたくなりますから」


「あ〜はいはい、タダシはウーロンハイだっけ?」


「お願いします、ノリさん」


「はいよ〜」


「泣きますよ?今、ココで」


「分かった、分かったからモエちゃん。ノリさんが来たら聞いてもらお?」


「では待ってる間、仕方がないので私にもレモンサワーを」


結局か?


「ノリさん、追加でレモンサワーを」


「はいよ、あ〜あと理由をテキトーに聞いといて」


「はあ〜」


うわぁ、モエちゃんのじと〜とした目がぁ!?


「あの〜モエちゃん」


「タダシさんは黙って!」


はい……はぁ、コレはまた長くなるヤツかなぁ?


今日は何時に帰れるだろうか?



「はい、お待たせ〜」


「待ってましたわ、ノリさん。じゃあ理由を……」


「あ!?お客さん」


「ガシっ!誰も来てませんよね?」


今度はノリさんの腕を掴みながらガシって口で言ったよ、この子!?


「分かったよ、聞くよ」


「その理由は……何と私たちの結婚資金を貯めるためです」


「あ、そっ、はいはい」


「ちょっとノリさん!?」


「は?だってタダシ持ち家だろ?役職にもついてるし稼ぎいいたろ?」


「はぁ〜、まあ余り大きな声では言いたくありませんが……そこそこは」


「で、何で資金がいるんだ?式代か?その前にタダシにプロポーズしたのか?」


うわぁ〜やめてくれ〜ノリさん。


そんなこと言ったら煽ってるようなモンだよ。


「分かりました。ではココで結婚を申し込みます」


「おお、やれやれ〜」


タエさん!?赤い顔でそそのかさないでよ。



「た、タダシさん……私と結婚してください」


チリン、チリン、


「いらっ……」


「え!?モエちゃんタダシさんにプロポーズしたの?」


「アユミちゃん」


「うわぁ、おめでとう。タダシさんもおめでとうございます」


「え!?いや〜ありがとうございます」


うわぁ!?


ついお礼を——


「はい、ノリさんお祝いお願いしま〜すっ」


「いや、いや、いや……」


「そんなぁ!?嫌なんですかタダシさん」


「あ!?いやそうじゃなくて」


「ならOKですね?あ・な・た」


「きゃ〜!乾杯っ、おめでとうっ」


いや、だからアユミちゃんそんな空気作らないで!?


「ナミ〜、お祝いになんか作ってやって」


「あ!?ちょうどいいわ、今日はお頭付きの鯛があるの」


「うわぁ〜ナミちゃん、それ予知能力だよ」


タエさん、そんなに喜ばないの!



「じゃあ改めておめでとう」


「ありがとうございます」


「この店キッカケの結婚て何組目だ?」


「ね?初めはみんな嫌がってた相手とね」


「ほぉ〜、そうなんですか?タダシさん」


「え!?何が?モエちゃん」


「私を避けていたと?」


「いや、そんなこと言ってないよ」


何だよ、この冷や汗は……


「結婚した暁にはタダシさんに退職してもらいます」


「は!?」


ホント、は!?だよモエちゃん。


「そして、時計屋さんを2人で始めます。そうすれば24時間……」


24時間監視システムだよぉ、それ!


「お前に時計屋さんなんてできんの?大変だろ」


「ふふふ、私の実家の力を使えば!」


「モエちゃんちてなんかやってんの?」


「タダシさんにだけ言いますね、耳貸して」


コソコソ、


「えぇ!?も、モエちゃん——ぼ、僕と結婚してくださいっ」


「タダシっ!てめー逆玉かよ?」


「タダシさん、変わり身はやっ」



「ま、嘘ですが……タダシさんからプロポーズされたのでお受けしましょう」


そんなの詐欺だよぉ〜!



             完






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