9話〜どんでん返し〜
「はい、ジューモンさん、バラの正油ね」
「うわぁ、ありがとうございます。ナミさん」
て、あれ!?
「ナミさん、これは?」
「ああ、少し余ったからニンニク正油でどうぞ。余り物で悪いんだけど」
「おお、いただきます」
そういう余り物なら大歓迎ですよ。
「美味しい!ニンニクも合う。もらって良かったですよ」
嬉しそうに笑うねぇナミさん。
こんばんは、ジューモンです。
こうして話すのは初めましてですかね?
そして、お疲れ様です。
乾杯!
「何、何、ジューモンちゃん美味しそうなの食べてるね」
「すごく美味しいですよ、正油味。大豆の風味がして、とても」
「いいなぁ?」
「まだあるんじゃないですか?頼めば……」
「いやそうじゃなくて、こう……仲良くというか」
分かってますよ。
「はい、店長どうぞ」
「え!?なんか悪いじゃん。いただきぃ」
悪いじゃんて、そういう空気に持って行ったくせに。笑
「ホントだ美味しい!ナミちゃんこれもっとちょうだい。ジューモンちゃんの分と」
「は〜い」
え!?
なんか……ありがとう。
「で、ノリちゃんみっかった?」
「いや、無いよ店長」
「そうかぁ、まずいなぁ!?」
ん?
「ジューモンさんは昨日来ていないし」
「どうしたんですか?ノリさん」
「店長がね、スマホをねなくしたって」
「あらら、その手に持っているのは?」
「これは自分ので、会社のを……だからヤバくて」
あちゃあ、2度と帰り道に呑みに行くなって怒られるヤツだ。
チリン、チリン、
「おっ!?アユミちゃん、お疲れっ」
「店長、どもっ」
なんか浮かない感じだなぁ?
「アユミはどこ座る?」
「はい……まだ見つからないですか?」
「え、ああ、どーせ帰り道に落としたんだろ?いーよ、いーよ」
「おい、ノリちゃん。ノリっ、酷くないか」
ははは、冷たいようでいて……仕方なし。
「はい、アユミ」
「ありがとう、ノリさん」
「乾杯っ」
「あ〜、沁みるわぁ」
「アユミちゃん、今日はそうとうお疲れのようで?」
「聞いてくださいよぉ、50回くらいぶっ飛ばしてやろうかと思いましたよ、今日は」
「お、俺を!?とうとう?」
店長……何かしたんですか?
「いやウチの部長ですよぉ〜」
「あれぇ、確かすごく世話になってるとか?」
「はい、普段はいい上司なんですが……だから3発で勘弁してあげました、ふふっ」
その調子でふふって……コワい〜!?
「アユミでも大変なんだな?」
「でもって何?でもって、ノリさん」
「ホントよノリちゃん、アユミちゃんは課長に昇進したから大変なのよ」
「え!?アユミちゃんが課長?ウソっ」
「ウソって、何か?店長」
「あ、いや、ただ驚いて」
うん、アユミちゃん怒って正解!
「ノリちゃん」
「何、ナミ?」
ナミさん、コソコソモード。
何か企んでいるのはバレバレ、嘘つけない人なのかな?
「アユミちゃ〜ん、昇進おめでとう!」
「おめでと〜」
「ありがとうございます」
うわぁ、ご馳走すごっ!?
「早く、早く、アユミちゃんから手をつけてよ」
「はい……て!?店長さんスマホいいんですか?」
「ん!?良くはないけど……ないモンはないっ。早く食べてよ」
「いただきま〜す」
「しかし、会社のスマホなくすなんて」
「いや、そうだけどさぁナミちゃん」
「私が課長になったからにはそんな社員はぶっ飛ばしますよ」
「アユミちゃんキャラ変わって……てゆーか、もう酔ってる?」
「ちょっと、おトイレに」
「やっぱアユミちゃんペース速いね?今日は」
う〜ん、そんな感じしますねぇ?
プルル、ル、
「あれ!?」
「どしたの、店長?」
「これ会社のスマホだ!?俺のだと思ってた」
「なにやってんだよ!?店長」
「じゃあ個人のは?」
「かみさんのと同じだからひょっとしたら家に置いてあるかも?」
「まったく、そそっかしいんだから」
「煩い、オバっ」
「ああ!?またぁ」
「どうしたんですかナミちゃん。また店長とじゃれてんですか?」
「アユミちゃん、じゃれてるわけじゃ」
「ははは、ナミちゃん、そんなんじゃノリさんに逃げられますよぉ」
あちゃ〜、アユミちゃんそうとうきてるなぁ?
「あ、ワインもうない?今日はお店からお祝いで出すよぉ」
「うわぁ、ありがとうございます。ノリさん」
「ねぇ、ねぇ、コレ」
「何?ナミ、そんなところで」
「ほら?」
また何か企んでるのかナミさん。
「あれ!?」
「どうしたのアユミちゃん?」
「いやぁ〜」
て?
アユミちゃんまたトイレに駆け込んで、そんなに呑みすぎたのかな?
「アユミぃ、どうしたの?」
「ナミちゃん!?」
「慌ててな〜い?」
「いや、ちょっと……」
「まさか、ぶっ飛ばされるやつ?」
「え!?いや、そんな」
ナミさんのマウント恐ろし!
「なぁ、ナミそろそろいいんじゃない?」
「いや、最近アユミ、なんか……だから」
何コソコソ話してんのお2人さん!?
「どうしよう、クライアント800件がぁ!?」
うわぁそれは大変だ、アユミちゃん。
「海外のもあんだよね?ヤバいね」
「うわぁ!?まさか、国際法とか?いや〜」
「ほら、泣きそうだから貸しなよ」
「分かったわよ、はい」
「ほらアユミ、スマホあるぞ」
「お前かぁ!ノリっ」
ピシっ!
「痛〜、何でだよぉ〜」
完




