5話 〜いいのかわるいのか〜
チリン、チリン、
「いらっしゃいませっ」
て、
「おい、ハモってるんじゃないよ」
「へへへ、マスターなんにしますぅ?」
「モエの奢りなんだな?」
「べー」
なんだコイツ?
そんで……
「ここで編み物してんの?」
「うん、ナミちゃんに教わってるのよ」
まあ、アユミは似合うとしても、モエはなぁ……ホントに出来んのか?
「ナミちゃん、ここはどうやるんですかぁ?」
「ちょっと待っててモエ、今、手が」
「はぁ〜い」
「じゃあ今のうちにモエちゃん、ここ教えて?」
「あ、はいアユミちゃん」
え!?
モエが教えてんの?
はあ?
「ほら、ココ違いますよ?こっちからこうで……」
「ああ!?ホントだぁ、出来たあ?モエちゃんありがとう〜」
「ノリちゃんこれねぇ」
「はいよっ」
「と、どこまでいった?」
「ナミちゃん私はココができなくて?」
「あら、結構いったねぇ?モエ向いてんのかもね?」
「ナミちゃんのおかげっすよぉ〜。もぉ〜」
「モエっウザいっ!一杯奢れ」
「ええ、ナミちゃん酷ぉ〜い」
「はは、冗談だよ」
いや、お前は心の底からイラッとしていたよ、今。
「はあ〜、私には向かないかもぉ?」
「諦めるな、アユミちゃん。私も芳子さんからは、こうやって言われていたよ」
「芳子さんてお母さんですかぁ?」
「そうですよね?ナミちゃん。お料理も上手だって言ってたよね?」
「うん、色々教わったねぇ〜」
「ふ〜ん、私も会ってみたいですね?」
「じゃあ、ここでひとつ死んでみるか?」
「何でですかぁ……あ!?芳子さんはもう……」
「ははは、会いに行ってみるか?運が良ければ帰って来られるかもね?」
無理だろ?
「いいなあ?そんなお母さん。何でも教えてくれて」
「アユミ、教わる方も大事だぞ?」
「え!?それって私じゃ無理ってこと、ノリさん?」
「どぉ〜だっかねぇ〜?」
「ははは、まあまあアユミちゃん。気にしない気にしない」
ちょっと編みモンできたからって、調子付いてんなモエ?
「でもねぇ、大変な時もあったのよぉ、芳子さんは」
「ええ、どんなことですか?」
「あのね、カレーを作ってたんだけどね?」
「カレー?」
「食べたらね、すっごく甘くてね。それでね、まだ弟も小さかったのにね、甘くて食べれないっ!て文句を言ったの」
「小さいのに甘いて言うほどとは?」
「それがね、ジャガイモがなかったからってね、サツマイモを入れていたのよ」
「ええっ!?さつま……」
「恐るべし、芳子さんっ」
「まだまだよ、芳子さんの怖さはね?」
「な、何がナミちゃん。ゴクリ」
ゴクリって言葉で言うなよモエ。
「そしたらね、怒ってね台所から塩を持って来てね」
「嘘でしょ?」
「えっ!?」
まさかぁ?
「匙でねバッ、バッてぶっかけてね、これで甘くないだろ文句言うなっ!」
「え〜こわ〜い」
「それでね、弟がしょっぱいよ食べられないよ!て、また文句言ったらね」
普通言うわな?
いくらアイツでもそれは悪くない。
「でっ、で?ナミちゃん」
「そしたらね、芳子さんとうとうキレちゃってね。いや発狂してね、もう食べるなー!て言ってカレーを取り上げてそして流しにバンっ!って」
「うわぁ、お母さんがそれを?」
「ええ!?昔の人が食べ物にそんなことするとは……相当?」
「そうだけどサツマイモに塩よ?もうねぇ、カレーじゃないって」
「芳子さんて天然〜!」
おい、人の親をモエ……
「でもさぁ、ナミちゃんもたまに……ズレてるよね?」
「アユミちゃんに言われると、なんか……ムカつく」
あ〜俺知っらないっ……と
完




