4話 〜伝説級〜
「マスター今日だよね?」
「あん?今のマスターはお前だぞ」
「そうなんだけど、じゃなんて呼べば?」
「そうだなぁ……大マスターとか?」
「大ママ、チーママみたいな?」
「う〜ん、そうさねぇ?レジェンダリーマスターでいいよ」
「は!?恥ずっ」
「ちっ、何だお前コラっ!」
まったくおふざけが取れない人だね、この人は?
ま、それで今までこの店をやって来たわけだからね?
少しは尊敬していますよ、レジェンダリーっ。
「リョぉ〜」
「マスターなっ」
「今のうちにソレやっときな」
「分かってるよ」
「分かってるよじゃないでしょ?リョウ」
「マスターなっ?」
「煩いガキだなぁお前は?」
はあ〜、自分でマスターと呼ばないとな?って言ったクセに早くも崩壊かよっ?
「マスター、大女将にダメでしょ?」
「ヤバっ、アユミさんもう居たんだ?」
「居たわよ。そしてこのビールはあなたが差し出したものよ?リョウくんマスター」
「ははっ、そのリョウくんマスターてのそろそろ辞めてくれない?」
何か意味が違う気がしてさ?
「なら私のこともキチンとちゃん付けで呼ぶようにね?リョウく……マスター」
分かりましたよっ?
「じゃあ仕方ないからアユミちゃんね?」
「しかっ……もぉナミちゃん。新しいマスターがイジメるぅ」
おいっ、辞めろよ。最近タダでさえ怖いんだからさ。
あれ?シカとされてるし……
「ほら、早くやんないとみんな来るよ?」
「分かりました。おお大女将さんっ」
「刺すぞコラっ!」
ゴメンなさいっ。
チリン、チリン、
「いらっしゃいっ」
「お久しぶりです皆さん」
おお!?もうこんなにかぁ?
「ああ、リョウくんが料理してるぅ?」
「て、ミナちゃんはこの間もそう言ってたよね?」
「ははははっ」
ただ、ダジャレが言いたいだけだろ?
「うわぁ可愛い。ぷにぷにねぇ?」
「アユミちゃん、良かったら抱っこしてあげてくれますか?」
「いいのぉ?キョウちゃん」
「キョウは抱き疲れしたからだろ?」
「そういうことを言わないのマチダはっ!」
相変わらずだなぁ〜この人はっ?
「まあまあ、早く座ってぇ」
「ノリさんお久ぁ〜」
「おう、キョウ。おめでとうどうな。やっと籍入れたって?」
「はい、もうこの子も5ヶ月なのにね?マチダっ」
ははぁ〜結婚してもマチダ呼びなんだね〜?
「はいはい、キョウちゃんはどうする?少しくらいは呑むの?」
「ナミちゃん。私が呑まないとでも?」
「まったくもお〜。最初はビールでいいね?」
「は〜いっ!」
「じゃあおめでとうっ!かんぱ〜い!」
「わあ〜」
パチパチパチ!
「ホントにおめでとうなぁ2人とも」
「ありがとうございます。ノリさん」
うわぁ、また泣き出したよレジェンダリー。
「でもねぇ、あの時ここの看板を見つけてなかったら、2人は付き合ってなかったかもね?」
「付き合うわけないじゃん、ミナ?マチダだよぉ」
て、今はアンタの旦那さんなっ!
「まあ、良かったよねぇ。あの時ミナがコウちゃんをぶんどってな?」
あっ、空気が変わった、、、
「いや、何言うのよノリさん。そんな昔の話〜」
「ふ〜ん、ミナには昔でも、私にはまだ6年前の雪辱なんですけどねぇ?」
「まだ引きずってるよコイツ」
「マチダくんは平気なんだね?」
「え?ナミさん。そんなの気にしませんよ俺は」
ま、アンタはズレててこそナンボ?
だからね!
「ふ〜んそうなんだねミナ?」
「え?違うのよマモマモ。上手くいかなかったのよ?」
あ、マジで雨降りそっ?
「でも、もう6年かぁ?アユミもその頃だもんね?」
「そうですね?モエちゃんやタダシさんたちもその頃じゃあ?」
「そうだね?ってモエちゃんたち遅いね?」
「店長や十文さんも来るとは言ってたけど……」
「みんな来たら賑やかになるぞぉ?」
「赤ちゃん平気かなぁ?」
「小さいうちからこんなトコに居たらヤバいかもね?」
「こんなとは……ま、一理あるな?」
「ノリさん認めた〜」
ガン、ガン、ガン、
チリン、チリン、
「ちょいと失礼致しますよ〜」
て、アレ?
このわざとらしさはモエ……
「わっしょいっ、わっしょいっ」
「ああ、おかめにひょっとこだあ?」
タダシや店長たちかぁ……やるなぁ?
「ははは、写メ撮ろ」
「て、何だぁ、でっか?」
「ははは、こうしてみるとホントだね?」
「何ですか?コレは……」
「祝い酒。二斗樽の」
「ええ!?何十人分ですかぁ?」
「ははは、後でアサミも来るから無くなるなっ」
「無くなるね」
うんうん、確かに。
「よ〜し、鏡開きだぁ、マチダとキョウ。こっちこっち」
「うわぁ〜、はいっ、いきますよぉ?」
「せ〜のっ」
ぱこんっ!
「おめでとう〜」
パチパチパチ!
「ホントにありがとうございます。皆さんに会えて良かった」
「そうだねキョウ」
本当にいい日だなぁ。
俺もこれを受け……
チリン、チリン、
「ああ、来たっ」
「遅くなりましてすみません」
「きゃ〜アサミちゃん久しぶりぃ!」
「ああ……キョウちゃん。で、私の酒はもうこんだけ?」
て、一斗以上呑むつもりか〜いっ!?
完




