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居酒屋なみのり  作者: マメ
居酒屋なみのり3

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9話 〜これも修行〜


チリン、チリン、

「いらっしゃい」

「こんにちは」

「モエ、帽子かわいいじゃん」

「へへ〜、イメチェンですっ!」

「ああ〜モエちゃ〜ん!」

「アユミちゃ〜ん、元気でしたあ〜」

「うん、まあ……2日ぶりだけどね?」

て、アレ!?

モエちゃん何か……

「はい瓶ねぇ、今日のお通しはこれ食べてね」

「はい、じゃあかんぱ〜いっ」

「タダシさん、お肉ハイっどうぞ」

「え!?モエちゃんは食べないの?」

「私は修行の身なので」

「あ、はははは〜まだやるんだ?」

「まだとかではないのです」


「そういえばモエ、その……」

「ようやく気づきましたかマスター?」

いや、分かってはいたけど……

「私は目覚めたのです」

うわぁ〜、帽子脱いだら……夕方のおじさんのヒゲみたいになってるけど?

「で、なにがあったの?それ」

「あ、マスター、私には何かお野菜をいただけますか?」

「野菜ね?オニオンスライスとかでいい?」

「結構でござりましてよ」

話し方まで……変。

「タダシは何食べる?」

「え〜と、トリカラとつくねピーマンを」

「はいよ」

「タダシさん、私はちょっとお手洗いに行って参りますわ」

「う、うん」

「で、何があったの?」

「え!?あぁ、実は……」


タダシさんの話によると日曜の夜に——


「ねぇタダシさん、気分転換に肝試しでもしようよぉ」

「は?肝……どこで?」

「ここでいいじゃないですか?」

「ん?いやぁ、どうやってやるのかなぁ〜」

「う〜ん、あまり乗り気じゃないですねぇ?」

「そうだねぇ〜、乗り気も何も……やりたくないかなぁ」

「そうですか?ならばタダシさんが楽しめるように私はやってやりますよ」

「モエちゃん、な、何を?それ髭剃りで……」

「今から私は一休さんになりすっ!」

と言ってシェーバーで頭をツルツルにしたそうでした。


「で、あの頭?」

「はい……」

「お化けなら一休さんじゃないよね?」

「ええ、多分名前が……」

それで見た目が似てるからと?

モエちゃんらしい。笑


「あ、出てきた?はいトリカラねぇ」

「でゎ、いただくとしましょうか?」

「うん、まだそのキャラやるの?」

「キャラとかではありませんでしてよ、タダシさん」

やりづらそぉ〜タダシさん。


どうしたのモエちゃんキョロキョロして?

あ!?食べた……トリカラ。

ノリさんが見ていない隙に……

「はいウーロンハイねぇ。て、モエ……トリカラ食っただろ?」

「ふふえ、ほれはぁオニホンでふ」

無理、無理だよモエちゃん。

「嘘つけ、オニオンでそんなに頬を膨らますかぁ?」

「うん、あ〜。オニオン飲み込むのつっらぁ〜」

モエちゃん早くもキャラ崩壊。

「マスター、レモンサワーください」

「酒はいいのか?」

「嗜む程度なら構いませんわよ」

「ふっ」

でも、モエちゃん……その頭もかわいい〜。

「ねぇ、タダシさん」

「どうしたのそんな小さな声で?」

「ネギ塩ハラミ頼みません?」

「ああ〜!?いいよ頼もっか?」

「はい、レモンサワーね」

「あとハラミを」

「ハラミねぇ、はいよっ」

「ナミぃ、タダシがハラミだって〜」

「はーい、ノリちゃん」

「モエ、今日はやきとりいかないのか?」

「マスター、私の心を揺さぶっても無駄です。そんなことをするより、あなたの心を見つめ直しなさい」

「何だコイツ?」

確かに、何だコイツ?

「ノリちゃん、上がったよぉ〜」

「お?」

「はい、タダシ。ハラミねぇ」

「ありがとうございます」

あ?またキョロキョロしてるモエちゃん。

そんでぇ、ノリさんが後ろを向いた隙に……

「は〜むっ!」

食べたぁ!?


「うわぁーっ辛ぁいっ!」

どしたの?モエちゃん……

「ははは〜モエ、食ったな?」

「食べてません。けど突然辛さが私を襲いました」

「あ!?忘れてた?」

「何ですか?タダシさん」

「俺いつも、タレに青唐辛子を混ぜてもらってるんだった」

「もぉ〜、先に言ってくださいよぉ!」

「ほら、罰としてもう一口食えっ」

「ああ、マスターやめてぇ〜」

あんなに食べさせて……


「ひぃ〜ハァーっ!」


             完


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