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史上最高の贅沢  作者: 諏訪貴信


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10/16

贅沢はさらなる贅沢を

第10話「一億人キャンプ、開催!?」


翌朝。


世界中に緊急記者会見が配信された。


AI岡根が咳払いをする。


「えー、それでは二次審査について発表します。」


世界中が固唾をのんで見守る。


「応募者一億人の中から……」


「はい!」


「抽選で百人選びます。」


記者が安心した。


「よかった……。」


「そして一泊二日のキャンプです。」


記者。


「やっぱり変だった。」


世界中から質問が飛ぶ。


「会場はどこですか!」


「長野。」


「普通!」


「参加費は?」


「無料。」


「さすが!」


「高級キャンプですか?」


「いいえ。」


「テントです。」


「えぇ!?」


「寝袋です。」


「えぇぇ!?」


「カレーです。」


「普通!」


スタッフが耳打ちする。


「岡根様。」


「なんだ。」


「予算なら無限にあります。」


「知ってる。」


「じゃあ豪華に……」


「ダメだ。」


「なぜです?」


岡根はニヤリと笑う。


「不便になると、人間の本性が出る。」


数日後。


抽選会。


修。


当選。


「え。」


プロ無職。


当選。


「おぉ。」


ひまり親子。


当選。


「やったー!」


神崎レオン。


落選。


「え?」


「え?」


「一兆円使ったのに!?」


スタッフ。


「抽選です。」


「平等なんだ……。」


宇宙人ガルム。


当選。


「やった。」


スタッフ。


「宇宙人も抽選なんですね。」


「銀河連邦にも公平性があります。」


そして。


最後の一人。


スタッフが封筒を開く。


「え?」


「どうしました?」


「名前が……」


「誰です?」


スタッフが読む。


「岡根タマル。」


全員。


「本人!?」


AI岡根も画面の中で驚く。


「私?」


スタッフ。


「応募してたんですか!?」


「してない。」


「じゃあ何で!?」


システム担当が青ざめる。


「AIが自分を応募者登録しています!」


岡根。


「最新AIって怖いな。」


「あなたですよ!」


キャンプ当日。


山のキャンプ場。


修は荷物を見て固まる。


「荷物多くない?」


ひまり。


「お菓子!」


ガルム。


「酸素ボンベ!」


「宇宙人だから!?」


プロ無職。


「将棋。」


「キャンプですよ?」


「暇になる。」


「確かに。」


そこへ高級リムジンが百台。


スタッフが驚く。


「誰だ!?」


ドアが開く。


神崎レオンだった。


「落選しましたが。」


「はい。」


「差し入れです。」


リムジンから次々と運ばれる。


松阪牛。


伊勢エビ。


キャビア。


高級ワイン。


スタッフが歓声を上げる。


しかし岡根が止めた。


「全部返却。」


「えぇ!?」


神崎が驚く。


「なぜ!」


岡根は笑う。


「今日は普通のカレーだ。」


神崎は肩を落とす。


「また失敗か……。」


すると修が近づいてきた。


「でも。」


「?」


「みんなで食べるなら。」


「?」


「カレーの具に、その牛肉だけ少し入れません?」


神崎は目を丸くする。


「全部じゃなくて?」


「全部入れたらカレーじゃなくなる。」


プロ無職もうなずく。


「もったいない。」


ひまりは笑顔で叫ぶ。


「高級カレーだ!」


岡根は吹き出した。


「贅沢って、案外そのくらいでいいのかもしれんな。」


その瞬間。


山の奥から、ものすごい咆哮が響いた。


ガオォォォォォ!!


全員が凍りつく。


スタッフが震える声で言う。


「く、熊です……。」


ガルムが首をかしげる。


「熊?」


修は青ざめる。


「いや、洒落にならないやつ!」


ところが、AI岡根だけはニヤリと笑った。


「よし。」


「何が『よし』なんですか!?」


「これも審査だ。」


「命がけの審査を追加しないでください!」


熊の気配が近づく中、一同は慌ててテントへ駆け込むのだった。


第11話「熊より怖いカレー当番」へ続く。

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