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ヴァルディア戦記  作者: ユユ
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問題児たち

入学初日の午前の座学が終わり、ユーリとアルノーは食堂に向かっていた。

食堂には、すでに多くの生徒達で賑わっていた。

「ん〜、いい匂い〜」

「ああ、腹へったなぁ。並ぼうぜ。」

二人は列に並び、スープ、サラダ、焼いたチキンにパン。騎士候補生のためか、量も栄養も十分な食事だった。

二人は端の方の空いてる席に座り、食べていると

「あ、級長!ここいいー?」

同じ四班の数人が来た。

「うん。いいよ〜」

「ありがとー!」

そう言い、三人が座り始める。

「私はリズ!得意なのは弓!よろしくね!」

短髪で小柄で活発そうな見た目の女子生徒だ。

そして、続くように

「僕はアイク。得意なことは知略戦。レグナスからの留学生だ。よろしく頼むよ」

まるで、魔法使いのような大きな帽子を被っている。

優しい印象の男子だった。

「その帽子、邪魔じゃないの〜?」

「いや、ないと落ち着かないんだ。」

「へ〜、そうなんだ〜」

ユーリが大きな帽子を興味津々に見ながら質問していると、

「……私はノア。得意なことは……薬剤の知識なら多少は……よろしく。」

大きな丸メガネに、髪がボサボサの大柄な体格の女子。静かそうな印象があった。

「うん。俺はユーリ、得意なことは剣かな。よろしく〜。」

「俺はアルノーだ。まあ、強いて言えば槍が得意だ。よろしくな。」

二人も自己紹介を終えるとリズが興味津々に

「ねー!級長強いんだね!どこで剣習ったの?あんな動き初めて見たよー!」

「そう?我流だよ〜」

「ええ!我流であの動き!すごーーい!」

「驚いたな、師匠や先生のような人はいないのかい?」

「うん。いないね〜」


その時、隣の机に座っていた生徒がこちらを見て、

「あれが四班か。寄せ集めみたいな奴らだろ?」

「おいおい、聞こえるぞ。」

笑いながらこちらを見ていた。

これに、リズが反応する

「ちょっと!聞こえてるんですけど!?感じ悪!」

「事実だろ。寄せ集めで平民の集まり。……つまり、落ちこぼれの班だろ?」

「「ハハハハハ!!」」

二人の言葉に食堂の空気が凍りつく。

そんな空気を無視してユーリが

「あれ誰〜?」

「おそらく、第一班かな。」

「ああ、平民って言葉を使うあたり貴族っぽいしな。」

アイクとアルノーが答える。

「おいどうした?図星で何も言えねぇか?ふはははは!」

「……貴族とは、思えない品性の無さ……。」

ノアの言葉で第一班は

「なんだと?」

「貴様、我ら貴族を馬鹿にするのか!」

逆上し、近づいてくる。

ノアが言ってしまったという表情浮かべた瞬間、

「ぷっ!あははははー!サイコーじゃん。」

ユーリが爆笑した。

第一班の二人の怒りの矛先がユーリに向かう

「貴様!笑うな!」

「完全に言い負かされてんじゃん!喧嘩売っといてだっさ〜。あははは。」

ユーリに釣られて四班の面々だけじゃなく、食堂が笑いに包まれる。

「〜〜っく!クソがぁ!」

第一班の二人がユーリに近づいた時、ユーリの表情が変わり。

「それ以上近づいたら、暴力になるよ〜?……もっと恥じかくことになるよ?」

ユーリは笑顔だった。

たが、目の奥は笑っていない。

二人は怒りつつもユーリに手を出せなかった。

その時、

「何をしている。」

静かな、しかし威厳のある声が聞こえた。

クロード・アークライト。

第一班の班長だった。

「揉めている理由は。」

「ク、クロード様!これは、その、奴らが生意気だったので躾けようと」

「いやいや〜、お前らが俺らを寄せ集めの落ちこぼれって言ったせいでしょ〜。」

「なっ!」

第一班の二人は何も言い返せなかった。

すると、クロードが

「実力を示す場で、身分を持ち出すとは。

恥を知れ。」

「!ク、クロード様……!」

「も、申し訳ございません……。」

「二度と我らの品位を下げる真似はするな。」

クロードに叱責された二人はトボトボと去っていく。

静まり返っていた食堂の空気がもどる。

そんな中、ユーリがクロードを見て

「おお〜、怖〜い。」

笑いながら言う。

するとクロードがユーリ顔をじっと見つめる。

「んん?なに〜?」

「……何故、笑っていた?」

「え〜?」

「侮辱され、普通は怒るところだろう。」

「ん〜、例えばさ、子供に馬鹿にされてもなんとも思わないでしょ?それと一緒だよ。」

「いや、普通に怒りを覚えるが。」

「……え?」

「?……なんだ?当然だろう。」

クロードがユーリの事を心底不思議なものを見る目で見ていた。

「ん〜?じゃあ、あれだ。弱い犬ほどよく吠える。ってやつだ。」

「……ならその犬を躾けるべきだ。」

「え〜。こわ〜」

ユーリの言葉に変なやつだ、と言いながらクロードは去る。


すると、四人がユーリのもとに寄って

「でもさ!でもさ!スッキリしたね!」

「ああ、あいつ、普通の貴族様じゃねえな。」

「……ふふ、ザマァ。」

「……君、結構口悪いよね。」


食事を終えて教室に帰るユーリの後ろ姿を見ながらクロードは、

「……なんなんだ、あいつは。」

小さく呟いた。


昼休みが終わり、午後の座学が始まっていた。





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