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9/11

逃走は何処までも(行けません)

 ヒュンヒュンと景色が後ろを過ぎ去る。

 いや~~風が気持ち良いですね~~。

 というか景色があんまり変わらん。


「ではなく」


 思わず現実逃避していた。

 パンパンと明らかに後方から銃声がするが気の所為と思う。

 炸裂音がしませんから。

 

 パキンッ!


 してないと思う。


 パキンッ!

 パキンッ!



 ……してるね。

  

「どうしたの?」

「この状況に僕は疑問に思う」

「何が?」


 本気でわからないという顔をしてるよ此の人。


「大の大人が女の子にお姫様抱っこされてる状況だよ」


 泣いてもいいかな?

 中年がこの状態って……。

 心にクルな~~。


「おや~~女の子扱いしてくれるんだ」

「第三者がみたらね」



 ニシシッと笑う日高姉さん。

 うん。

 此の人見た目は可愛いんだよ。

 見た目は。


「仕方ないじゃない此れが速いし」


 ぶ~~と頬を膨らませる。

 

「まあ~~万年運動不足中年の足は遅いからね~~誰がだっ!」


 僕は思わず右手でツッコミをする。


「セルフツッコミと高度なボケを」


 アパートとから逃げ出した僕たちは追跡を逃れるため走っていた。

 家の屋根の上を文字通り跳んで。

 但し僕を日高姉さんが僕を抱えてだが。

 普通の人間に出来ることではない。

 日高姉さんたちだから出来ることだ。


「其れで助けは?」

「一時間後だとおもう予測だけど」


 お守りを弄りながら僕は答える。

 救難信号は発信した。

 だけど問題は返信が来ない。

 恐らく妨害電波か何か。

 或いは……此の代わり映えのない景色。

 此れが関係してると思う。

 多分。

 嫌な予感がする。




 ――ザザッ。



 うん?

 何か視界の端で何か……。

 気のせいかな?


 異変に気がついて来て最短で其れぐらいと予想したのだが……。

 無理かな?

 

「遅いな~~」

「仕事してるのに文句言うな」

「え~~」


 ご不満みたいだ。

 正気か?

 此の人?


「いや無茶言うなや日高姉さん」

「護衛対象を放おって?」


 いや分かるけど。

 分かるけどさ~~。


「生活費は大事です」


 僕ら逃亡者何だけど?

 逃走資金なんて洒落た物無いよ。

 分かってる?


「へいへい」

「因みに日高姉さんが生活出来るのも皆んなのおかげだよ」

「へ~~い」


 日高姉さんだけは無職です。

 色々してますので。

 色々。

 破壊工作とか。

 情報収集とか。

 潜入捜査とか。

 僕の護衛とか。

 色々無給で。


「はいはい~~プータローは其れまで時間を稼ぎますか」


 ……正直すまんとしか言えん。


 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 良き流れになってきましたなぁと。 ただの逃亡劇ですが<キーワード>が散りばめられているのが楽しきかなと。 [気になる点] 何で主人公が金持ってないのかなぁと 副業で稼いでいる雰囲気がないん…
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