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百合子の場合⑥



更に三ヶ月が経ち、夫の体重は追加で二キロ増えた。


うふふ、うふふ。


夫の体重、体脂肪が増えるたびに、私の心が軽くなる。

フワフワと羽が生えたように。



深夜の映画鑑賞。


ワイン、ハイボール。

おつまみは、アンチョビを乗せたクラッカー、自家製のガーリックポテトフライ。


私は最近、胸焼けが酷くて、と隣で日本茶をすするだけ。



「僕の方が胃は若いかもね」なんて言いながら、次々にアルコールと塩分を口に運ぶ彼。


うふふ、そうね、あなたの方が若いかもね。

だから、まだまだ食べれるね。


沢山食べる夫を眺めながら、「そうだ、モンブランケーキもあるよ。ケーキにはブランデーにする?」と更にカロリーを追加。


「うん、そうしようかな」と従順な彼。



うふふ、素敵な夜ね。


そんな映画鑑賞を週二回程度、行う。



明日の朝はシュガーたっぷりのフレンチトーストにしよう。



映画鑑賞二時間の間。

たっぷりと栄養を蓄えた夫。


どうか、どうか、気づかないでね、私の企みに。


愛しいあなた、もっと丸々太って。






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