7、日本人の心。……私もう日本人じゃないけどねっ
フォレスト王国に行くことになった。フェアディに乗せてもらい、森を進んでいる。走ってまだそんなに時間はたっていないのに、魔物の数が多い。さすが帰らずの森。
戦闘スタイルとしては、フェアディにはずっと走ってもらい、私はその途中で現れた魔物をフェアディに乗ったままウィンドカッターで首を落として無限収納に入れる、という形にした。
これが結構効率いいんだよね~。
そして私達は順調に森を進んで行く。にしてもこの森深すぎる!!
ジェットコースター並の速さなのにまだ街まで三分の一残っている。
…………。
流石に疲れた。
「フェアディ、そろそろ休憩しよう。私ご飯作るから」
『む。分かった』
……今更ながら、自分がとても、とても怖くなった。
私はそもそも動物すら殺した事が無かったのに、何故か魔物を斬る、殺す事に何にも抵抗が無い。そんな自分が一番怖く感じるのだ。
私の顔色が余程悪かったのか、フェアディが近くまで来た。
『どうした?体調でも悪いのか?』
「体調は悪くないよ。…………ねえ、フェアディ。私ね、私がとても怖いの。魔物を殺す事に、抵抗が無い事は、良い事だと思うけど、本当に何も抵抗が無い自分が怖いっ……!!」
私の頬に、涙がつたった。
『泣くなリティア。我はどうすれば良いのか分からんからな。……のうリティア、良い事だけを考えないか?抵抗が無いのは生きる為に良い事だ。転生して、体が変わり、適応しただけかも知れんぞ?』
そう言いながら、フェアディは私の頬につたる涙を舐める。
少しだけ、怖さが薄らいだ。
「ありがとう。もう大丈夫だよ!」
『……そうか』
フェアディは何かを感じ取ったのか、もうそれ以上言葉を連ねる事は無かった。
……さあ、料理をしよう。#無限収納__インベントリ__#には、コンロやフライパンなど、料理道具も種類豊富に入っていたからね。魔物の肉を早く食べてみたいからでは決してないよ~!
コンロとフライパン、鍋などを取り出した。魔法でコンロに火をつけてっ、と。まずはお米を炊こう。
あっ、炊飯器も入ってた!!しかも業務用。助かったよ。鍋で炊くなんてしばらくやっていないからね~。焦がす自信がある。いやマジで。
……と、とにかくお米をといて水を入れてスイッチをオンッ!楽だね。
とりあえず、ホーンラビットの肉を取り出す。私の#無限収納__インベントリ__#はとっても優秀で、勝手に解体してくれるからまたしても楽だよ。
野菜も出して味噌炒めにしよう。そう!なんとね、ティーアママが刷り込んでくれた情報に、ソミの実と、ユーショの実というのがあった。
分かると思うけど、醤油と味噌だよっ!!意外といろんなところに実っているから良かったよ~。
ソミの実とユーショの実は中が味噌と醤油だから殻を割るだけでいい。ああ、何と簡単なことでしょう。
一から作らなければならないかと思ったわ……。
作った事はないよ?でも気になって調べてみたら事はあるから試作に試作を重ねれば、なんとか出来ると思っている。
……多分、だからね。
んん!米、味噌、醤油って日本人には必要だよね!……もう私日本人じゃないけど。
野菜を切って、肉を炒め、野菜を炒め、味噌などで味付けして出来上がり!
「フェアディ、出来たよ~!!」
『おっ。うまそうだな。これはなんの調味料を使っているんだ?』
「これはね、ソミの実を使っているの。とっても美味しいから。早く食べてみて!」
『ソミの実は美味しいのか?』
「ソミの実自体は美味しくないよ。だけど、調味料として使うことで美味しくなるんだよ~」
『そうなのか。ではいただきます。 もぐもぐ。……と、とっってもうまい!!!』
「そうでしょう」
ふふっ。素直に褒められるのは照れる。
というかこっちでもいただきますって言うんだね。
勝手に想像してそういう習慣はないと思ってたわ……。
思い込みはダメだね。
『この白い粒のはなんだ』
「お米って言うの。私がもともといた国での主食だったんだよ。美味しいでしょ?」
『ああ。リティアは魔法凄いのに、料理も凄いのか』
「そんなに凄くないよ。この料理は家庭の味だからね。でもありがとう。美味しいって言ってくれてとっても嬉しい!」
素直にそんな事を言われたら照れる。
フェアディと和やかに料理を食べていたら、急に揺れた。
「「何!?」」
二人で警戒したけどその後は何も起こらなかった。
そして揺れた原因が私もフェアディも分からなかったが、私は地震かと考えてまた食べる事に集中した。
そんな中、頭の隅で考える。揺れは大きかったのに、一度、しかも少しの間しか揺れなかったのは何でなんだろうと。
……まあ、この後いろんな新しい事だらけでこの事はすぐに忘れてしまったんだけどね。




