表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
引きこもり冒険者のおバカな英雄譚  第一部 暴れまくって王国を救う?   作者: 牟川
第2章 遊撃騎士団ドラゴン討伐隊 爆誕! ~ そしてハンターの影
60/101

第57話 ドラゴン討伐隊 ~プレ始動


 結局、ハンターの件は中途半端な感じで幕引きとなった。

 支部長が半ばリーダーとするあの集まりも自然解消となり、今は王立騎士団や、教会の武装組織である教会騎士団・・・・・が捜査を担当している。


 結果的に見ればあの集まりは、無駄に終わった。これから、ゾラン公国領内での調査も視野に入れていた矢先で中断となったからだ。

 しかし『脱兎の耳』メンバーを救出したのがイルザたち冒険者だということになり、存在感を示したのかもしれない。それに、ハンター関係者であるロムの逮捕は国家憲兵隊が行ったものとして、各紙で記事になったのだ。


 この妙にバランスの取れた感じは、何かしら作為を感じられる。

 例えば、冒険者からハンターに関わる者が2名も出てしまったわけだが、その逮捕や被害者の救出に冒険者が協力したという事実が公表されたことで、一先ずは良しとされることを狙っているような気がする。


 特に、ロム隊長がハンター関係者だったことで、ブランドイメージが失墜しかねない『遊撃騎士団』にとっては大事なことだろう。


 であるからこそ、俺に『脱兎の耳』メンバーの救出を依頼した黒装束姿の連中が一体何者なのか、益々気になるところだ。彼らには、そのような思惑があって俺に依頼したのだろうか……。




 さて、この事実は大々的に公表され、市民の多くがハンターを国家転覆を狙う謎のテロリストとして、認識するようになったのだ。

 

 しかも表向きは、初め王都ムーク市警が内々で捜査を行っていたものの、捜査状況を他の機関に報告することなく勝手に進めて、先日の暴動に繋がったことになっている。


 要するに、市警に責任を擦り付ける形で、他の諸々の機関には落ち度はないという方向性にもっていきたいのだろう。


 上司から聞いた話だと、市警本部長は責任を取って辞職したらしいが、田舎の街道保安官に就任する見込みらしい。そして王都ムーク市長は、全ての責任を市警本部長に擦り付けて、火消しに回っているようだ。


 最後は誰もが助かるようになっているようだな。まあ、当の本人たちはそう思ってないかもしれないが……。



 そんな政治的争いが起こっている中、俺はある集まりに呼ばれていた。

 この集まりにも、政治的争いの一部である可能性が感じられるのだが、拒むことは難しかった。


「これより新入団員、そして新しい隊の結成を祝う歓迎会を始めます。乾杯! 」


 多くの遊撃騎士団の団員が集まる中で、そう大声で副団長のイルザが言う。すると、団員たちも各自が飲み物の入ったグラスを上にあげて応えた。

 俺はと言うと、我ながら不貞腐れた態度を取りつつソッポを向いている。


「1人、幼い子供がいるようですが、みんな優しく接してあげてください。本当にダメな兄なんです」


 イルザの発言に、笑いが起こる。

 半ば俺を名指したものだ。


 酷いもんだね、全く。先日上司に相談したのだが、結局のところ遊撃騎士団への加入は拒否するなと命じられてしまい、このザマとなっている。

 

 既に、この場での俺の役割は終ったはずだ。

 俺は新入団員として紹介され、同時に新たに結成された隊の隊長としての挨拶を行ったのである。


 その名は、≪ドラゴン討伐隊≫。しかしながら、相変わらずF級冒険者である俺が隊長を務めるというのは、何だか変な話だ。


 ……まあ、イルザに免じて、今のことは水に流すとしよう。

 俺が遊撃騎士団に入ることが発表されてから、多少なりともイルザへの風当たりが強かったからである。縁故採用などと、騒がれたのだ。


 しかし、王宮の推薦により『遊撃騎士団』の団長が決定したという書面がギルドの支部内のあちこちに掲示され、一先ず落ち着いたと言えるだろう。


 表向きは、ミズロン村でのドラゴン討伐について、王宮が俺に対して関心を示したということになっているらしい。


 また、ドラゴン討伐隊のメンバーを選んだのも事実上は王宮らしい。

 メンバーから察するに、色々と思惑はありそうだ。


 

 さて、俺は提供されている酒を飲みつつ、テキトウにぶらつくことにした。立食式のパーティーに近いものだったのは、幸いだ。


「おい。隊の皆が集まっているんだから、お前も来いよ。何してるんだ。隊長のくせに」


 そう言って俺の腕を掴んだのは、剣を装備しスマートな体型の青年だ。先日、俺に敵意のような視線を向けた青年である。

 彼は元ロム隊のメンバーの1人で、名はソドと言う。そしてB級冒険者だ。


「わかったよ」


 俺はソドに連れられるまま、ドラゴン討伐隊のメンバーが居るところにやって来た。


「うわぁ。隊長の癖に、このやる気の無さはナイわぁ……」


 と、アンナが言う。

 元『脱兎の耳』メンバーだったアンナは、今や遊撃騎士団に加入して、ドラゴン討伐隊のメンバーに配属となった。要するに、俺と同じチームということだ。ランクはC級冒険者である。


「隊長さん。隊をほったらかしにするなんて……。流石は私を抱き捨てた男ですね! 」


 このおかしい発言をするのは、ドラゴン討伐隊最年少の少女である。彼女は、アンナが捕らえれていた建物付近の見張りをしていた少女だ。あの時、彼女と一緒に居た中年男性を手刀で気絶させた俺は、彼女を寝技に持ち込んで毒薬を飲ませてたわけだが、そのことが原因で今に至る。


 そんな彼女の名はソフィナ。

 どうして遊撃騎士団に加入することになったのかは、全く以て不明だ。何よりもハンターの関係者である彼女は、冒険者ギルドを経由して王立騎士団で拘束されていたはずなのだが、どうして今自由の身であるのだろうか……。

 

 それはさて置き、以上がドラゴン討伐隊のメンバーとなる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ