風の民 エルフの里国の王の出陣
「あああー我が王よ!ユーカナーサリー!トキヒコさんが消えてしまいました!あああー」
リーザはトキヒコとクーリャが『記憶の石』と共に、キッチンのテーブルの上から消えてしまった場面を目の当たりにし、ヘナヘナとアパートのキッチンの床に崩れ落ちたが、それも一瞬の事。
直ぐに気持ちと身体を奮い立たせ、エルフの里国に『渡り』王宮内にある王の部屋へ駆け込んだ。
(自身だけが往復する『越える』パワーは有ったようだ。)
エルフの里国の王は睡眠中であった。
「如何なる事か、リーザよ詳しく話せ」
エルフの里国の王、女王ユーカナーサリーはベットの上で体を起こし、リーザに向く。
リーザは自宅のキッチンで見た事を憶測や脚色は交えず、エルフの里国の王、女王ユーカナーサリーにそのままを伝えた。
「ううう、、、あぁ~ん、トキヒコさんが消えてしまいましたー」
リーザは泣き乱れた。
「どうしましょう、どうしましょう」
エルフが取り乱す事は珍しい。
「リーザよ、風の民の里へ乗り込むべきじゃな」
エルフの里国の王、ユーカナーサリーは寝床から出た。
そして身支度を始める。
いつもの赤色のドレスは選ばず、活動的なパンツルックである。しかしその服の色も真っ赤である。
「リーザ、当てを取れ」
『当て』とは、各種の動物の骨から作り出した一種のプロテクター、防具である。
リーザは女王ユーカナーサリーの身支度を手伝いつつ、その姿に見惚れる。
リーザは女王ユーカナーサリーが当てを着ける姿を見るのは、これが二回目となる。
一度はエルフの里間における大きな争いが勃発した時。その時以来である。
「ユーカナーサリー、我が王よ!畏れ入ります。」
エルフの里国で戦争や武力による争い事は基本的に無い。
その様な中、リーザは王が戦う為の準備を行う姿を見て、自身の意識を高めた。
リーザは、トキヒコが消えた事への対応をとして最上級な準備を行う王への傾倒が増すばかりだ。
「我が王よ、私も支度の為、居住部へ向かいます!ですが王よ、風の民の里は何処になるのでしょうか」
リーザは風の民の里の場所を知らない。
「いやリーザよ、我は知らぬ事ぞ」
「え~~~」




