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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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ダークエルフ 情報収集

「さくらはここで留守番してろ」


私の家から突然にザーララによってエルフの里国に来た事となったが、私の格好がTシャツ1枚にジャージのズボン、そんで裸足。


このままダークエルフを探しに出るにしろ、この格好ではちょっと不安が有る。


ザーララさんに家に有る私の物をココに取り寄せてもらっても良いのだが、それはそれで不安が有る。

(イタズラと言うか意地悪されそう)


リーザがエルフの女王ユーカナーサリーより与えられている家に私がこちらで活動する用の服が少し置いて有る。それを着る為に王宮の城壁内にあるリーザの家に向かう事とした。

合わせて何かダークエルフの情報が仕入れられればとの期待も有る。


ただし、リーザとユーカナーサリーには見つかりたく無い。

(こちらに来ても良いとの返事は来て無いから)



「ザーララさん、私が戻るまで、さくらをこの城の外に出さないで下さいよ。約束して下さい」

「さくらを外に出しちゃったら?」

「絶交です」

「さくらが自分で出て行ったら?」

「それも一緒です」

あ〜、こうでも言ってもさくらの行動に不安しか無い。


「お父さん、私がやる事をザーララさんのせいにしないでよ」

「リーザに言うぞ。直ぐにでもココに呼ぶぞ」

さくらが恐れる存在はこの世でリーザただ一人だろう。


「お父さん、ズルい!」

「うるさい」


こうまで言っても、まだ不安感を残させるさくらが怖いんだが。


「大人しく待ってろよ。ではロウ、お願いします」




私はロウの術と魔力によって、リーザの家の裏手に立った。

王宮からは死角になっている。


リーザは王宮に行っているようで、案の定留守だ。


エルフの家には鍵が掛かっていない。鍵相当のつっかえ棒やかんぬき式の鍵等は出来るが、日本の昔の田舎のように、殆どの家に鍵は掛かっていない。(私の学生時代の学生寮の部屋もカギを掛けなかった。部屋に戻ると、誰かがファミコンをやってたり、私の布団で寝ているヤツも居た)


私はロウと揃って、コソコソと家の中に侵入した。誰にも見られてはいないけど、心理的に。


リーザのタンス、洋服掛けの中には、私の上着が3着入っている。

これはリーザのお母さん、『ホーリョンの紡ぐ者』が作って下さった。

麻の様な肌触りの生地で凄く気に入っている。


上着は生地のままの色、青色、黄色に染められた物の3色で、頂いた当初は生地のままの物から着出し、それが気に入ったので、そればっかり着ていたが、実生活でも同じ洋服ばかりを着る私に対して、リーザにちょっと言われた。

『「トキヒコさんはいつも同じ格好です。お洋服を色々とお持ちなのに勿体ないです」』と。その後は青色と黄色の物を好んで着回している。


今日は久し振りに生地のままの物にした。理由は無い。


あ、ダークエルフ、、、彼も父や母が居るのだろう。

『リーザのお母さん』と思ったら、そんな事を思った。


自分の子供がダークエルフになったと知ったら、、、今は考えるのを止めよう。


私は自分の身支度を進める。(そんなに大袈裟な事では無い)シューズは私の世界の物、家の下駄箱からこちらに二足持ち込んでいる物が有るので、それを履いた。くつ下は無し。



私の身なりが揃ったところで、ロウに囁き掛ける。

(誰も居ないはずなんだが、なんとなく)


「ロウ、ここから王宮の動きは何か感じられる?」

ロウは私が着替えている間、窓際に立ち、王宮を見ていた。


「トキヒコ殿、なかなかに掴み切れませんね。この場所から見る限り、トゥクルトッドドゥーで出た者が3名いましたが、リーザリーではございませんでした」

ロウにリーザが王宮に居るのかどうか、意識のレベルで確認してもらおうと思ったが、逆探知される可能性が有ると言われて止めた。


こちらに来たのはザーララさんに引っ張られて来たのだが、そもそもはロウを自宅に呼んだからで、リーザに対して説明と言うか言い訳と言うか、上手く話す自信が無い。

(たぶん怒られる)



「トキヒコ殿、王宮へ使いを出しましょう」

「使い?」


「はい。術を使い、私の代理成るモノに行かせます。そこにおあす蜘蛛を使いましょう」

わっ、デカイ蜘蛛!体は小さなネズミぐらい有るぞ、いつの間に?いつからいた?


「ロウの代理って、“使い魔”みたいなモノ?」

「エルフは“使い魔”とは言いませんが、トキヒコ殿の世界にある物語で語られるモノと同意と考えられて良いです」

ロウ!流石ハイエルフ!何でも出来るなぁ〜


「ただ、ユーカナーサリーの結界が難儀です。結界の張られておらぬ場所であれば、難無く届きます」


エルフの里国の王、女王ユーカナーサリーが創り出す結界。

私も何度か見聞きしたが、実際は私の目では見えない。


結界は物理的な接触や侵入を防いだり、術や魔力による影響を防ぐモノだそうだ。

実際にエルフの里国では、外部からの無断侵入を防ぐ為の結界が先代の頃より高い壁となり国を囲っている。エルフの歴史を聞いた中で、大昔に戦い地に落ちた邪竜を抑え込む為に多くの結界の術が使われたとも。


「結界かぁ〜、オレは見えないし。実際に結界に引っか掛ったら、どうなるの?」

「結界と呼ばれる物は、物理的に外部と遮断するモノ、侵入や接触に反応して術者に知らせるモノ、術などの概念的な力を防ぐモノと色々有りますが、ユーカナーサリーはあれで強力な魔力を内に持ちます。ですが王宮内に張られております結界は侵入するものに反応するモノと思われます。遮断的なモノでは無いと思います故」


「では、見つかっちゃう?」

「トキヒコ殿、そこでこの蜘蛛の力を借りるんです」

わっ、ロウ捕まえてる。


私の世界に居る蜘蛛と変わらないが、デカくてキモい〜、、、脚が10本有る!?


「王宮にこの蜘蛛が居ても不審がられ無いでしょう。ユーカナーサリーが蜘蛛や虫の類いが苦手とも聞き及んでおらず、何よりトキヒコ殿、私もユーカナーサリーに負けぬ力を持っておりまする故」

ロウも強いのか。ハイエルフ!


「ただ問題がございます。無機質な物を使役するのと違い、生命有るモノが対象と成りますると力を多く使います。ですのでトキヒコ殿、この場から動かず、術を繰り出している間は私をお護り頂きたいのですが」

えーオレがロウを護るって?逆だろう。


「ロウを護るって、具体的にはどうすればいいの?」


「いえ、外敵が現れたり、災害が発生した時にお護り頂ければ。生命を使役としている間は意識の半分を使役の対象に使いまする。ですので、何か災いなる事が発生した場合に対処する反応が遅れるやも知れません」

いや、反応が遅れるって言っても、多分人間より早いと思う。


「うん、出来る限りの事はする。100%安心させる事は出来ないかも知れないけど」

「充分です。トキヒコ殿が側に居て下されば何も心配事はございません」

どんな信頼?




「よし、ロウ蜘蛛行ったれ!」

ロウ蜘蛛は出撃した。


長い脚を小刻みに動かし、案外と移動は速い。

ロウは意識を半分、蜘蛛に乗せて蜘蛛の複眼でこの世界を見てるのかなぁ〜何かいいな。


「トキヒコ殿、少し時間が掛かるやも知れません」

わっ、ビックリ!蜘蛛を使役中に喋れるのか。


「ロウ、使役中に会話は可能なんだね」

「ええ、少々であれば。お返事が遅れると思われますが」

「何で時間が掛かるって?」

「距離です。単純に王宮までの移動距離に関してです」


そっかー、人が徒歩3分でも、蜘蛛の移動じゃなぁ〜速く見えていたけど、元々がそれ程大きく無いから。


「ロウ、蜘蛛を持ってオレが走り届けようか?」


「それですとこの代理使役の術が行いずらいですね」


そうか、意識を半分持って行かれるのは、相当に不安感が有るものなんだ。何かいい案は、、、

「ロウ、ストップ!この家の外に誰か居る!」


もしかして、リーザ戻って来た?


緊張が走る。










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