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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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女王への贈り物 エルフに対して

ブローチ製作の対価として、リーザを差し出せ?!何てこった。

「お店出す時に手伝って欲しいの。何時も一人だとさぁ、休暇時間にお店空けちゃうから」

あ、早とちり。

「お店のお手伝いですか、売り子さん?」

「そう」

「トキヒコさん、売り子さんとは?」

あーリーザ、ニュアンスがね、分かり難いか。

「売り子さんは、お店で物を売る担当者。お客さんの相手をする人の事だよ」

「そうですか。店員さん?ですかね」

「うん、そんな感じ。由香里さん、まあその程度でしたら大丈夫だと思います」

「よし、契約成立。出来たら連絡するね」


よし、女王様へのプレゼントは確保出来た。でも何時出来るのかは分かんない。1週間なのか3週間ぐらい掛かるのか。由香里さんのブローチ製作の手順と言うか方法を知らないので、待つしか無いな。特急料金で頼んだんだけどなぁ。

「後は由香里さんの連絡を待つだけなんだけど、製作期間がどれぐらい掛かるのかが分からない。その間、エルフの里国はどんよりと暗い感じが続いちゃうの?」

ブローチを女王様に渡せば、問題が解決すると決めちゃってるんだが。

「さあどうでしょう、それは私には計りかねます。ですがユーカナーサリーは本来明るい性格のお方と認識しております。トキヒコさんの心配が無になる事を望みますが」

まあ分かりません。リーザがエルフの里国に行った際に確認してもらいましょう。


1週間後

「トキヒコさん、我らの里国の活気が薄れている様に思われます。ユーカナーサリーの影響だけとは考えられませんが、王本人も元気さと言いますか、いつもの活力が余り伝わって参りません」

女王様、1週間も引きずっているのか。もうそれうらみじゃないの?リーザが呪われちゃう!いや、私か。

「リーザ、私も里国へ連れて行ってもらいたいし、女王様にもお会いしたいのだけど」

前回エルフの里国を訪問してから、1ヶ月以上は過ぎてるもんなぁ

「でも、理由が無い。それに会話で相手を幸せにする事なんて私では出来っこ無い、そんなスキルも持って無いしなぁ。無暗に訪問して変に勘ぐられてもなぁ。特に今、私が出来る事は無いか」

何か良く分からん心配をしちゃうな。

「余り、そうですね、ユーカナーサリーへの謁見はお勧めしかねますね。ユーカナーサリーの機嫌が悪くは見られてませんが、ちょっと暗い感じを受けます。トキヒコさんに飛ばっちりが向かう事だけは避けねばなりません」

飛ばっちりって、、、まあ、リーザにプレゼントしたスズランのブローチが今回のきっかけであるから、私がうろチョロするのは宜しく無いかもな。

でも、女王様の親友とも位置するリーザが近くに居てもイマイチなら、やはり私なんかが行った所で何の役にも立たないなぁ。ノコノコと私がで出張った所で、、、やっぱ役立たず。

悶々としてしまう。

あ~どうしたら女王様のご機嫌は治るのかなぁ~

いや、だけど、女王様の機嫌うんぬんでは無くても、私の気持ちはどうなんだ?私ってどんな気持ちで女王様と接して来た?


今夜の食卓にはコロッケが並んだ。何か一品多いと感じた訳だ。

「トキヒコさん、今日はお肉屋さんでコロッケをサービスして頂きました。二つです。嬉しいですね。お夕飯に一緒に頂きましょう」

「うん、嬉しいねぇ」

素直に嬉しい。でも何でサービスしてくれたんだろう。

そりゃリーザは皆に好かれてるけど、、、何でみんな、リーザを好きになってくれたんだろう?

確かに容姿はいい。でもやっぱりリーザは素直だ。穏やかであり、嘘や隠し事、勘ぐりや悪意を感じ無い。誰かに、皆に『好かれたい』って考えて行動しているとも思え無い。まあ、人から好かれるに越した事は無いけどね。

あ、さっき『素直』に嬉しいって思った、リーザは『素直』って感じた、、、

でも『素直』って何?


エルフが相手だと頭の中、考えや気持ちは伝わってしまう。

私がいい加減、中途半端な思いを持っていたら、それは何らかの形で伝わってしまうのではないのか。

『ありのまま』の自分でなかったら、エルフには相手にしてもらえ無いのではないか。

そう思った私は精神修行をした(妄想、自己流、それも食事中)。


『素直』って、素直な気持ちってなんだ?

女王様がリーザのブローチを見て羨ましがったのなら、それはそれで事実であって、私はそれを聞かされても別段女王様に対して悪くは思わなかった。人間だったら普通にあり得る気持ちだし、変じゃない。そう、普通だ。

だから私からすれば女王様の機嫌を取る必要も無く、普通に接する事は出来ないか。

元々相手に合わせたり、相手の機嫌を取るような事は苦手なので、協調性が無いとか生意気だとか言われちゃうが、繕った言葉は相手にどう伝わるんだろう。

悶々とする。

ブローチをお渡しする事だって私がそうしたいだけだ。

後は女王様が受け取って下さるか否かだ。

喜んで頂けたら、尚、私が嬉しい。

たぶん似合う。可愛く似合う。絶対だ。

よし。

私もリーザみたいに素直で普段通りでいたい、変に飾って見繕ってもたかが知れてる。

だから普通の自分。それがありのままの、素直な自分であったのなら、、、。

「トキヒコさん?」

「ああリーザ、ごめん。考え事してた。妄想とは、、、いや妄想と変わらないか」

「ソース掛け過ぎです」


実はこの精神修行(?)と称した、自問自答の様な気持ちの整理と確認は、その後のエルフとの付き合いをスムーズにさせた。

(私は姑息で強欲な人間であると自覚しているつもりだ。だからこそ、エルフに対して、飾らない自分を示したい。良い悪いは相手が評価する事だけど。どうにか、いつもの自分、素直な自分で居たい、、、。)

加えて何故か、エルフに対して考えや気持ちを多少ブロックする事も出来るようになった。


「リーザが買い物をするとお得だ!コロッケ美味しい!」

オレが駅前商店街に買い物に行っても、あそこの連中は誰もサービスなんてしてくれない。

私の辞書に『サービスを受ける』なんて言語、載ってない。

リーザを少しだけ、妬む。




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