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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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新婚旅行 リーザ海に行く

リーザとの生活が始まり、もうすぐ1年を迎える。

遅くなったが、私はリーザとの新婚旅行を考える。

費用は両親に頂いたモノが有る。使わずに取って置いた(なんとか取って置けた)。

「リーザ、泊まりでどこか行きたい所ある?」

リーザは少しだけ考えると

「はい、イースター島かマチュピチュの天空の町とか興味をそそられます。カッパドキアやナスカの地上絵もいいですね」

おっ意外、近代的な街や観光地では無いんだ。でもちょっとスケールが。

「ゴメン、ちょっと遠いな(費用的にも)。日本国内で2、3泊だとしたら?」

「皇居、大阪城、京都御所や正倉院は興味深いですね」

いやリーザ、一般人では入れない所も有りますので。

「リーザ、歴史好き?」

「はい、私達エルフは自身の歴史を文字や書物などの情報として残しておりませんし、建造物に関しても特別に保全している物はありませんので、人間社会の歴史を重んじる、脈々と繋がる伝統を大切にされている事は色々と興味深いですね」

エルフ達は人間社会より永い時を過ごして来たと、、、ある程度は理解して来たつもりだが、やっぱ想像と実感が全く追い付かないな。エルフがどんな歴史を持ち、過ごして来たのか興味は尽きないのだが。

「もうちょっと身近な所は如何でしょうか」

リーザの希望に添えないので、なんか下手にお伺いを立てる感じになった。

「それでしたら海ですね!私の里国に海はありませんので」

へぇ〜エルフの里国に海は無いんだ。

「海水は塩辛い、しょっぱいって聞きますが、実体験してみたいですね。それと、波が発生する仕組みは学びましたが、実際に見てみたいです」

観察好きのリーザが出た!

季節的にも海水浴シーズン真っ只中になりそうだから丁度いい。

何よりリーザの水着姿!見てみたい!

よし決まり、海にしよう。


水着を買いに行こう。

どこの海水浴場に行くのか、 海の行き場所は具体的に決まって無いが、形から入りましょう。いつもの私のパターンだが。サッカーをやる時もそう。ジャージとかお揃いのTシャツを作るとか。

でもね、雰囲気は盛り上がるでしょ。

「リーザ、海で海水浴をするには水着を着ます。裸ではダメです」

「嫌ですわトキヒコさん、ちゃんと学んでいます。警察によって公然でのわいせつ物陳列罪で逮捕されます。しょっ引かれてしまいます」

リーザの場合は逮捕されないでしょ、芸術になっちゃうよ。でもしょっ引くって何で学んだ?

「リーザ用の水着を買いに行きますが、お願いが有ります」

「はい、何でしょう?」

「動き易いからと言って、露出度の高いヤツは控えて欲しいな」

「はい」

「動き易い、泳ぎ易い水着を選ぶのなら競泳用が有るけど」

「はい」

「海に本気で泳ぎに行くのでは無いので、可愛らしいというかキレイな感じの物を選んで欲しいなぁ」

「はい、トキヒコさん選んで下さい」

「人それぞれ好みが有るだろうし、リーザが選ぶ物にも興味が有る」

「はい」

「それに私が選ぶと、いやらしい妄想からの選択になっちゃうだろうし」

「はい、トキヒコさんの妄想は全て受け入れます」

そこでニコっとされてもなぁ〜照れるしかないよ。

「リーザの水着姿は見たいが、海辺にいる他の男共には見せたく無いの。でも正直なところ少しだけ他の男共に見せたい、リーザを自慢したい気持ちも有る」

「矛盾してるけど、リーザ、キレイでカッコいいもん」

絶対私、不釣り合い。


いつもの郊外型ショッピングセンターに向かうと、婦人服売場に水着コーナーが特設されていた。

「うわぁ、凄い数!」

何着ぐらい並んでいるのだろう。婦人、女性用(幼児用とちょっと年齢層が上の方以外)の水着が専用の水着用ハンガーに掛けられズラッと並ぶ。

凄く華やかで賑わっている。もう既に『夏!』って感じ。

女性の一人客や女の子同士の客層が多いが、カップル客もチラホラと見れる。

でも私的には目のやり場に困る。恥ずかしい思いが強く、正直居づらい。

リーザ、目が輝いてる。エルフだ何だかんだ言っても女の子だ。

「トキヒコさん、凄いです。スゴイ商品群です」

リーザの表現方法はストレートですが良いです。嫌いで無いです。

おっ、珍しくリーザ積極的!リーザに手を引かれ、一緒に見て回る。恥ずかしいが私も嬉しい。

「リーザ、どんな色の水着を着てみたい?」

「情熱の赤、クールな青、エメラルドグリーン、、、沢山あって決められるません!でもオレンジがいいかもですね」

オレンジ、似合うかも!

「オレンジ系でリーザが気に入る物があるといいけど」

色は目で見て分かるけど、水着の形に関しては良く分からん。

実際、この水着専用ハンガーにセットされている物を私が見ても、水着の全体像はさっぱりだ。胸のカバー具合とかハイレグ度(?)とかの全体像が分からない。実際に着用した時の肌(胸やお尻)の露出具合が分からない!

困った時は誰かに聞くのが一番だ。恥ずかしながら店員さんを呼び、水着の形から聞いた。

「すみません、余り露出度の高く無いワンピースの水着はどこら辺でしょう」

ワンピースは私の好みで、自然と露出も下げられると思って。ちなみにリーザ承諾済み。

でも、露出度以前に水着の形状の選び方は、スリーサイズが影響する面もあるんだと!

リーザはFカップ(ぐらいだそうだ)の身長176cm だから外国人用(海外メーカーの高いヤツ)やビキニタイプの方が着易いとの事。

ビキニはオッパイポロリを心配しちゃうんだよな。自分の彼女や妻で無ければ、幸運以外の何もので無いのだが。

取り敢えず早々に店員さんの指導の元(指導って、水着の下に着るモノが有るそうだ)試着をさせてもらった。

「ジャーン、どうでしょう?」

ビキニのリーザ誕生!

ああ、眩しい。もう私、ノックアウトです。

「水着は体のラインがそのまま出ますね。下着と変わりませんね」

確かに私も、レースなんかが無ければ、水着と下着の違いは判別出来ないかも。

試着は続く

次もビキニ!

リーザ・ビキニ!

ビキニ!

何着か試着させて頂いて、結局オレンジにエメラルドグリーンの縁取りと肩紐の有るビキニに決まりました。

リーザ、素敵!でもやっぱオッパイポロリが心配だなぁ

「うふふふ、トキヒコさんありがとうございます。これで浜辺の男子達を悩殺ですね」

いや、いったいどこでそんなニュアンスを覚えたの?あ、オレの持ってる漫画かな。

「リーザ、私がすでに脳死です」

ビーチサンダルと大き目のバスタオルも一緒に購入した。


さてさて、では何処に行こう。どこの海にしよう。

余り遠くでなくてもいいか。

でも 余り人のいないとこ。

これはいくらなんでも無理か。旅行を計画している時期は海水浴シーズンだし、ましてや人気の少ない海水浴場だと宿も多分無いだろうし。

プライベートビーチなんていうのはもっと嫌だなぁ。日本だと単なる金持ちが行くトコみたいで。

そうだ、先に部屋風呂の有る宿屋を探そう。人目を気にせずにリーザとゆっくり出来そうだし、それで海水浴場が近い所。

温泉地で海水浴場は余り聞かないから、私が希望する条件はなかなか無いかな?


いやいや有りますねぇ、いまの日本の観光力。

顧客のわがままを実現させる努力が多くあります。

無事に宿も抑えられ、宿から向かう近くの海水浴場の情報もバッチリ。

1ヶ月先が楽しみ!

後は病気や怪我をしないよう心がけ、旅行前後に緊急の仕事が入らないことを祈りつつ過ごしましょう。

なんだけど、土日曜日を含めた1週間の休みを取る方が大変だった。

会社の課の同僚に色々とお願いして、事務の女性陣にも何とか協力を得て。

取引先で親しくして頂いてる方達にも遠回しに見積りや発注に関してのお願いをし。

「お土産、楽しみで〜す」

と言ってもらえるまで、変な苦労をしたよ。


そしていよいよ新婚旅行へ出発の日。

海外旅行なんかに比べるとと、新婚旅行と言うにはこじんまりとした小旅行かも知れないけど、私が知らない国、知らない土地であたふたする心配も無いしな。何より何かに気を取られ、二人の時間が取られるのが嫌だと思ったし。

新婚旅行には車で出発した。

世間は夏休みに突入しており、土・日曜日前後の平日休みを取ったが、観光地の賑わいからは回避出来なかった。

道は混んでいたが、それでも夏休み中の土日に比べればまだマシだろうと自分に言い聞かせ、安全第一で車を走らせた。

出発から2時間も掛からずに海が見えて来た。

「リーザ、海が見えて来たよ」

海は、まだまだ遠くの景色となっていたが、太陽光をキラキラと反射している海面がはっきりと判別出来る。

「あそこで光っているのが海なんですねー!私にも見えました!」

助手席のリーザがうれしそう。

この後20分程、車での道中は続いた。


目的の宿へは迷わず到着し、チェックイン前だが車の駐車と水着への着替えをさせてもらった。

この宿から徒歩にて10分弱で海岸へ行ける。

必要最小限と思う荷物をまとめカバンひとつ持って宿を後にした。

夏の日差しは強烈で、リーザと共に私も麦わら帽子を被った。私の麦わら帽子は青色のリボンが付いていて、リーザのはピンク色。水着と一緒に買っておいて良かった。


海岸までゆっくりとした足取りで向かった。

海水浴場は、、、!多い!人、多いよ!

特に夏休みもあって、家族連れが一番多いかな。

浜辺は既に多くのパラソルと色採り取りの敷物で占領されていた。

私達も日除けで有り、佇む場所の目印となるパラソルを借りるべき、海の家を見て回った。

でも、パラソルと敷物を広げられそうなのは、もう海水浴場の端っこになりそうだ。

まあでもその方が、変に人目を気にする事も少なく過ごせれるかな。


海の家の並びの一番端を訪ね、パラソルと敷物を借りた。

お値段が結構する。でもこの料金の中にシャワー代も含まれるとの事で納得した。

パラソルの設置は、海の家の若い衆が砂浜にスコップで穴を掘り、支えを埋め込んでくれた。

若い衆のリーザを見る視線は気になったが、設置を済ますとサッサと海の家へ戻って行った。

高校生のアルバイトかな、その態度が気持ち良かったので

「後で何か食べに行くよ!」

と手を振った。

彼は嬉しそうな顔で振り返ると走って海の家へ戻って行った。


「さあリーザ、海へ入りましょうか!」

「はい!」

ソワソワしていたリーザが微笑ましい。

リーザは立ち上がると、薄手の上着を脱いだ。

砂浜にビキニ・リーザが誕生した。

ま、眩しい。これは他人に見せちゃダメ。

「先ずは日焼け止めを塗りましょうね。白いのが透けるぐらい伸ばします」

「はい」

自分の手足やお腹、届くところは自分自身で。

「日焼け止めを塗らずに強い陽射しに長時間当たっていると日焼けをします。でもそれが急激だったら、日焼けを越えて軽い火傷となってちゃいます。そうなると大変、背中や肩が痛み、場合によっては水疱が出来ちゃったりするんだ。触られたり、服が擦れただけでも痛いと感じちゃう事もあるし、お風呂に入った時も大変!ピリピリと肩や背中が痛かったりしちゃうんだ」

肩から背中にかけては、お互い塗りっこした。リーザの肌キレイ。

「リーザ、軽く準備運動をしましょうね」

「はい」

腕をグルグル回して、腰を捻り、屈伸運動をした。

「さて、それでは参りますかね」

「参りましょう!」

波際まで焼けた砂浜を走り出した。

「それー!」

っと、低い波を2つ3つまたぎ越え波に飛び込んだ。

ん?リーザ?

「ゲヘッガハッ、グエッ」

衝撃的な事実だが、リーザは泳げなかった。






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