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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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夢魔5 トキヒコVS夢魔軍団

「渡れない!?」

 ロウが動きを止めた。


 ザーララの追跡をも止めた何かの壁、ブロックか。

 超大木からワラワラと降りてきて、こちらに向かって追いかけて来た夢魔達は、そこまで迫っていた。

 その数30ぐらいか、多いな。黄色のモジャモジャが列を成してやって来る!


 奇声を上げながら両こぶしを振り上げている者、腕をグルグルと回している者。彼らなりの威嚇行為なのだろう。

 でもそれらの腕の動きに反して、移動の動きは決して早くは無い、、、のろいぐらい。

「ロウ、なんとか渡れる方法、ブロックの隙間とか探して!」

 ロウの背中から降りると、私は迫り来る夢魔達に向き直した。


 夢魔に対する策?そんなモノは無い。

 ただ、来るべき者達に立ち向かう。逃げ場も無いしな。

 その内、ロウが渡る~帰る~方法を見付けてくれる。必ず。

 それまで、多少なりとも時間稼ぎは必要だろう。

「うおおおお!」

 トキヒコは、夢魔達に立ち向かうべき雄叫びを上げ、夢魔に向かって駈け出した。

 トキヒコは、ケンカ慣れしている訳でも無く、格闘技の覚えなんて無い。

 ただ、少なからず相手の姿がマンガのキャラクターに見えていた。

 ここは異世界。魔力で以て訪れる事となった、右も左も知らない、見た事も無い世界。

「だからこっちもマンガチックにやってやろう!」

 トキヒコを掻き立てていたのは勇気、では無かった。単なる無謀、無茶である。


 、、、夢魔達に向かって勇ましく駈け出したんだが、足元がフワフワでやっぱり進まないわ。


 少し走った(?)だけで息も絶えだえ。

 程なくして、私は多くの夢魔と対峙した。

 ギャアギャアと奇声を上げながら、夢魔は迫って来る!

 夢魔は(たぶん)攻撃態勢を取り、お団子結びが1個の者は1本、3個の者は3本と、頭部に作ったお団子結びの数だけ頭から紫色の光を放った。

 そして何十本もの紫色の光が弓矢のようにトキヒコの全身を貫いた!

「ぐわあああぁぁ〜!」


 が、先程にロウと揃って額を貫かれた時と同様に何も起こらない。

「その攻撃、オレには無力だな、今度はオレのターンだ!」

 勇ましく言ったものの、相変わらず地面はフワフワで走って相手に向かうなんてままならず、へっぴり腰になりながら、一体の夢魔の前に来た時には肩でゼイゼイと息を切らしていた。

「おりゃぁぁー」

 とパンチを繰り出すも、叩いて夢魔を起こせなかったように透けているのでは無いのだが手ごたえが無い。

「あら?」

 何か情けない声が出た。

 すると夢魔達の光の攻撃。

 夢魔達も物理的に相手を攻撃出来ずに、紫色の光の攻撃を繰り返す。


 トキヒコは夢魔達の攻撃を無視して蹴りやパンチの攻撃。

 トキヒコは全身を紫色に光らせながら、足元がおぼつかず無茶苦茶な動きをしている。

 外から見ている者がいたのなら、下手くそなダンスか、何かのコントの一場面としか見えない。

 お互いの攻撃?は続く。


「ハアハア、ゼイゼイ、いい加減、オレの、オレのスーパーパンチ、当たれよ!」

 だらだらに汗だくとなり、疲れてヒョロヒョロのパンチを繰り出した。

「ボヨン」

 と一体の夢魔がびっくりするほどぶっ飛んで行った。

「え?何で?」

 トキヒコはヘロヘロになりながら蹴りを出した。

 が、相変わらず手ごたえ無し。

「なんなんだよー!ハアハアゼイゼイ」

 そして再びパンチ、、、当たった!?

「ボヨン」

 またしてもパンチを当てられた夢魔はマンガのようにぶっ飛んで行った。

「ハアハアハア」

 トキヒコはアゴに流れる汗をぬぐった。

「ハアハア、、、汗が止まらない、、、水か!」

 汗だくの手のパンチは夢魔に当たった。ズボン越しのキックは夢魔に当たらなかった。

 アイツを起こした時も水をぶっ掛けた。

 もしや夢魔の弱点か?水か!

「ロウ!」

 あれ、いない。

 大分離れてしまったとは思ったが。

 ん?あれ?腕輪、ブレスレットが無いぞ?

 夢魔との大立ち回りで落としちゃった、かも。




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