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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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夢魔4 発見!

 ロウと二人で超大木に登る。

 登ると言っても階段を昇るように。


 幸いにも足場となる階段状になっている窪みが有るので、それを使った。

 さて、リーザを眠らしている、リーザの夢の中で『住んで』いるヤツは何処だ。

 、、、でも、どんだけ登らなければならないのかなぁ。


 5~6m程登った事になるのかな?ようやく一枝目に到着した。

 人が左右で行き来出来る、余裕で歩けるぐらいの太さが有る枝。まるで奥の部屋へと続く廊下の様に。

 枝の先あたりまで進むと、自分の近くの枝の大きな葉っぱを引っ張り集めベットのようにまとめ、スヤスヤと夢魔が眠っている。

 頭には2つのお団子結びが作られており、その片方がチラチラと紫色の光を発しているのが一瞬見えた。

 もしかして、これは何処かの誰かの夢の中に入っているのか?

 ただ、リーザと繋がっている者では無さそうだ。


 この超大木の下に着いた時の『リーザと繋がっている』感覚が無い。

 こいつで、この夢魔で目覚めさせる、眠りから起こす実戦をしたかった。無理やり夢魔を起こす事により、どんな状況になるのか。

 事前確認したかったが、凄くヤバかったらそんな目に合うのは1回でいいだろう。

 対象の夢魔を見付け出して、起こして、その後は出たとこ勝負だな。ロウも居るしな。

 先に向かう事とした。


 さてさて、どこまで登って、どれだけの枝を訪問すれば目的の夢魔に辿り着けるのやら。

「ん?」

 何だろう?何か弱くジーンと来た。

「何だろう?気になる」

 上の方から、まるで音が響いて来るように、頭と体にジーンと来た。

 あっ、まただ。感じた、来た。

 すごく弱いが一定の間隔、リズムを感じる。まるで誰かの呼吸の間隔。

「ロウ、何か感じる?」

「いえ、私は何も」

 これって、リーザに取り憑いてる夢魔からのモノかな?

 ロウは何も感じず。私だけが感じる、、、リーザに次いで夢魔に近い立場だからなのか。

 この先、無数とも言える枝枝を一本づつ訪問するのも、対象となる夢魔に辿り着くゴールが見えない。いつまでたってもリーザを起こせないかも知れない。

 この『ジーン』の感覚が来る方を目指す。直感だな。


 しかし『ジーン』の感じはその後強くはならず、歩いていたり、動いていると感じない程に弱かった。

 気のせいだった?


 どれぐらい登ったのだろう。下を見ると、ゆうに15階建てのビルぐらいは登っただろう。

(先日、16階のビルの屋上に行く機会があったので、その時の感覚が丁度有る)

 自分的には、相当に高くまで来た。

 そして『ジーン』も来た。


 初めに気付いた時より、明らかにはっきりと認識出来た。

 ロウにも確認をしたが、ロウにはその感覚は来ていないと。

 やはりコレはリーザに取り憑いている夢魔が発しているモノだろう。でも、そうでなかったら、他に対象の夢魔に辿り着く手立ても目標も無いよ。


 いずれにせよ、もう少し上へと登る必要がありそうだ。

 しかし私は足に来た。モモがパンパンだ。(到着地点から変な地面を進んでいた時で既に疲れてしまっていたが)

「ゼイゼイ。ロウ、休憩」

 ロウは疲れを見せず、逞しいままだ。

 それに引き換え自分の何て脆弱な事か。


「ロウ、ごめん。日頃の不摂生と運動不足で疲れが早い。元気なロウに迷惑を掛けちゃってるね」

 ロウは例の水筒を差し出してくれた。

「トキヒコ殿、何を申す。無理をして進むよりも安全が第一。ここは我らも知らぬ土地、知らぬ相手な故、咄嗟の判断や動作が必要な場面に出会うやも知れません。万全は無理であっても良い状態を保つ事が課せられる場面でもあります」

 あー、ロウ、頼れる男!

「ロウ、ありがとう。実は目的の相手に近付いてると思う。ザーララやユーカナーサリーが近付けば(多分だけど)判ると言っていただろう感覚を受けていた。それが少し強くなった」

「朗報ですな」

「まあ、多分と言う所も有るけどね。それに、そろそろ見付かってもらわないと、こっちの体力が何時まで保つのか」

 リーザも早く起こしてあげたいし。

「私は全面的にトキヒコ殿をサポートいたします。何でも申し付け下さい」

「あー、ありがとうロウ。安心して倒れられるよ」

 と言い、私はニヤリと返したが、、、エルフってシャレ的な事って伝わらないんだろうな。


 それからされにビルの4階分ぐらい登っただろうか。

 ジーンが強くなって、ジンジンと私の頭と体に響いて来る感覚が強くなった。

 このフロア(?)だ、この枝だ!この先だ!

「ロウ!多分この先だ!」

 その方向に進むと、ジンジンが増すます強くなって来た。

 何か導かれるのように足が進む。

 感じる、リーザを強く感じる。


「ロウ!こいつだ」

 そいつは、多くの木の枝、葉を一ヶ所に引っ張り集め、丸く形を作ったベットの上で、短い両腕をお腹の辺りに合わせて置き、眠っている。

 イビキは、、、かいていない。

 一定間隔の呼吸をしているようで、それが先程から感じていた『ジーン』と『ジンジン』とリンクしている。

 頭にはお団子結びが三つ有り、真ん中の一個からキラリと紫色の光の線が出ているのが一瞬だが見えた。

 この光がリーザを繋いでいるのか?

 さてどうする。



 ザーララさんと女王ユーカナーサリーは『殴れ』だ『蹴れ』だと、物騒な事を言っていたけど、、、見ず知らずの初対面、その上見た事が初めての異世界の生き物に対しては、乱暴で冒険過ぎるだろう。

 先ずは声を掛けた。

「こんにちは~おはようございます、起きて下さい」

 これじゃダメか。

「おーい、起きろ!!」

 チョッと声を大きく荒げてもみたが効果無し。

 直面して相手が無反応なので、腹が立って来た。凄く腹が立つ!


 勝手に人の嫁の頭の中に入り込んで、スヤスヤと気持ち良さそうに眠ってやがって!

 よし、実力行使だ!

 往復ビンタ!

 あれ?

 足を蹴る!

 あれ?

 そこに実体は有る、透明に透けてる分けでは無いのに、手応えが無い。

 相手に触れようとする私の手足が空振りになる。

 相手に差し出した手足が通り抜ける、透けてしまうのとも少し違う。なんか届かないという表現が近いかな?

 なんだコレ?


 目の前にそいつは居る。実体が見えているし周囲の物も実在するのに、手を伸ばしても触れない。

 別の場所が投影されているとも考えられない。

 どうしたもんかな?

「ロウ、何か『術』で起こせないかなぁ」

「うむ、こ奴の頭の中へ問い掛けてみましょう」

 ロウは目を閉じ、夢魔へ手を伸ばす。

「ダメですね。問い掛けは働いているんですが、何かに遮断されるというか、ブロックされるような感じですね」

 世界や空間を越えているとはいえ、ザーララさんが感じたブロックみたいな働きか。

 眠りを邪魔されない為に特殊な力を持っているのかな。

 叩けない、蹴れない、そもそも触れられない、、、どうしたもんだか。


 まあ古典的だが、水でもぶっかけますかね。何もしないよりかはマシだろう。

 それでもダメならベットにしている葉や枝を切って、下へ落してしまおう。

 丁度、目の前にバケツになりそうな巻き貝のようなクセの付いた大きな葉っぱが有る。

「ロウ、水筒の水を術で凄く増やす事出来る?」

「ええ、可能ですが、どれくらいの量を。」

 私は目の前の大きな葉っぱを千切り、筒状に丸めた。

 わ〜モロ、葉っぱのバケツが出来た。

「コレをいっぱいにするぐらい」


 葉っぱのバケツに波波と水が溜まった。

「トキヒコ殿、その水を如何様にされます?」

「こいつにぶっかける」

「水を、、、ですか?」

「ああ、古典的な方法だけどね」

「古典的、、、?」

 私はリーザと繋がってる夢魔の足元から顔に向かい正面に立った。

 そして葉っぱのバケツを頭上に構えた(振ら着く、ちょっと重かった)。

「人の嫁の夢の中に勝手に入り込みやがって、起きろボケっ!」

 怒りと一緒に葉っぱのバケツごと、目の前で眠っている夢魔に叩き付けた!


「バッシャーン!」

 夢魔はずぶ濡れとなり、慌てて起き上がった。

「あれ?効果有り?」

 とにかく起こす事に成功したみたい?

 先程から感じてしたジンジンも収まった。

 では我々は帰るばかりだ。

 さいなら〜


 水を掛けられ起こされて、怒りを顕にしている夢魔が飛び掛かって来た。

 でも、我々が夢魔に触れられなかった様に夢魔も我々を捕まえられないみたいだ。

 何だコレ?でも、こうなったら好都合!


 すると、起こされたこの夢魔は空に向かって叫び声を上げた。

 上から上から黄色に青の縞模様の夢魔達が、転がり落ちる様にゾロゾロと集まり出した。

「ロウ、逃げよう」

 目的は果たした。たぶんリーザは起きたと思う。

 早く帰ってリーザの無事を確認したい。

 リーザに会いたい。

 私達は超大木を駆け降りた。

 夢魔の動きはそれ程速く無い。むしろ、ノロい。

 息は切れ切れだが一気に最後の枝、地上から5~6m程登った、最初の1本目の枝まで降りて来た。


 そうだ!

「ロウ、飛び降りよう!」

 5~6mもの高さから!?

 勝算はあった。あの地面だ。

「とりゃー!」

 あ、でもちょっと高過ぎたかも。

「ぼよよ~ん」

 と地面は落下した2人を受け止めてくれた。

 さっきの夢魔が寝ている枝や葉っぱを切り離して落としたとしても、彼らは枝から落ちたとしてもこの地面に守られたかもな。

 水をぶっ掛けて起きてくれて良かったよ。


 超大木を降り切った。

 が、今衝撃を吸収してくれたフワフワの地面が今度は抵抗となるべき待っていた。

 一歩踏み出すと足から沈んで歩きにくい。走っても一緒だが、とにかく走った。

 夢魔はワラワラと超大木から降りて来た。

 あいつら、この地面でもスーと移動してたからな、追いつかれるかも。

「トキヒコ殿、私の背中に!」

 夢魔に追いつかれる前に「渡って」しまおう!



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