表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/296

夢魔2 夢魔の世界へ旅立つ

 エルフの里国の王、ユーカナーサリーの計らいで、リーザはザーララの山岳城へ運ばれた。

 私とリーザ、さくらには、ザーララが『印』を付けたので、彼女から発散される魔力、邪竜の力から来る影響を抑えてもらっている。

『眠れるリーザ』見た目は普通にスヤスヤと眠るままだ。


 特製のベットで寝かされているリーザをザーララが覗き込む。

「どうじゃ、姉様?」

「、、、夢魔、、、だな」

「やはりか」

 ムマ?

「夢魔とはの、眠れる者の意識に入り込み、住まう。」

「住まう?」

「簡単に言うとじゃな、乗っ取る。」

「そっちの方が酷く聞こえます」

「まあ同じじゃな、大差無いわい。」

 不安です。リーザが起きない。


「今のところ害は無い、無いのじゃがな。トキヒコ殿、お主が眠り続けるとなるとする。どうなる?」

 何も悩まなくていい、 嬉しい。違う、床ずれ?

「あ〜寝たままだと、ご飯も食べれず衰弱しちゃう?」

「正にそれじゃよ。」


 眠ったままでも体力は使うし、お腹も減る。睡眠中は発汗するし、一度の睡眠で多い時は1リットル近く体内から水分が出る場合も有ると聞いた事がある。水分を補給しなければ脱水症状になってしまうだろう。水分補給は必要だろう。

 熱い夏の昼寝で、汗とノドの渇きで良く起きるもんなぁ

 脱水症状は実は怖い。水分が失われた血液はドロドロとなり様々な病気を引き起こす原因になるし、美容の面ではお肌に悪い影響が出ると聞くし健全な精神にも支障をきたす。


 見た目も内面もパワフルで輝いているリーザが病気や弱弱しい姿なんて想像も付かないし見たくない。

 でも何故リーザが狙われた?入り込まれた?

 エルフは睡眠中の夢を余り見ないと以前女王ユーカナーサリーから聞いた。でもリーザは時々夢を見る事が有る、見るようになったとも聞いたが。


「トキヒコ殿、お主も存じていよう、エルフは夢を見ん」

「ええ、以前そう伺いました」

 以前に自慢大会風に。

「だからの、夢魔。我らエルフには無縁のモノと思っておった」

 しかしリーザは、、、。

「知っての通り、リーザは特別ぞ。夢を見るようになったと言っておったからの。」

 内容は聞いてませんが、エッチぽいのも有るそうで。

「夢を見るエルフ、、、珍らしがられたのかしら。」

 ザーララも心配してくれている。


「どうしたらリーザを起こす事が出来るのでしょうか?」

 何やらの術を使うとか、ザーララさんの魔力とか。叩いてでも、、、はちょっと気が引けるけど、物理的に揺すったりしても起きなかった。何か無理矢理にでも起こせないものなのかなぁ。

「リーザを起こす方法はな、リーザに憑いた夢魔を見つけ出し、そ奴を起こさねばならん。」

「夢の意識の中では無く、実体をね。」

「でも、何処に行けば」


 ザーララが続ける。

「それにはトキヒコ、あなたが行かなければならないわ。」

 私が?

「先ず、相手が解らん。」

 とユーカナーサリー。ザーララも頷く。

「だがの、リーザとの繋がりが一番強き者が、対象となる夢魔に辿り着けるじゃろう。」

「それなら、さくらの方が適任では?」

 さくらはリーザの子。血の繋がりが有る。

「昨夜、リーザと一緒に床に入ったのは誰じゃ?」

「、、、私です」

 何か少し恥ずかしい。

「お主がリーザに次いで今、リーザに入り込んでいる夢魔に一番近いぞ。出会えば感じられるじゃろう。」

「『こいつだ』とね。」


「ただねぇ、夢魔については余り分かってないのよね。」

 ザーララさんでも?

「直接の危険が無いような事は聞いているけど、エルフの世界では実際に誰も夢魔に入られた者はいないし、その本体を見ても無い。」

 ユーカナーサリーが続く

「我も里国の外から来た者にそういった現象や存在が有ると聞いただけじゃ。だが、今回のリーザを見てピンと来た。ピンとは来たがの、どうしたものか。姉様に助けを求めたのじゃ。」

 エルフ王家の姉妹の連携が。


「ザーララさん、お力添えありがとうございます」

 トキヒコはペコリと頭を下げた。

「わたしはまだ何もしてないわぁ。でもトキヒコ、今回無事に解決出来たら、わたしにお礼なのかご褒美をくれるのかな?」

 え〜、ザーララさんを満足させれるような物、持ってないぞ。神へのお供え物か?

「え〜、私の出来る、準備出来る物でありましたら、お礼をしたく思います」

「ウフフ、楽しみだなぁ〜」

「でも、ザーララさんの要求を満たせる物など私が持ち合わしている事なんてあり得ませんから、期待はしないで下さいよ!」

「よし、頑張るぞぉ〜」

「トキヒコ殿、姉様を余り刺激するで無いぞ。」


 じっとリーザを覗き込んでいた、ザーララが口を開いた。

「わたしが行けたらいいのだけど、、、」

 ザーララはつまらなそうに言う。

「わたしが行くにはそこ、感じた所小さいの、狭いのよ」

 ん?私、小型化の術でも掛けられるのか?

「単に大きさではなくて、説明すると、、、あなたのお国の言葉で、ん〜、質量というか、わたしの概念的な大きさにその空間が耐えられそうに無いわ。潰れちゃうかも知れないの」

 もう、ザーララさんの存在スケールが分からない。

「トキヒコ、あなたの目で見えてる物には全て意味が有る。だがそれが全てでは無い事を知りなさい。常に意識しなさい。」

「はい」

 どこかで聞いた事が有るような。


 でも実際女王ユーカナーサリーやザーララの存在を目の当たりにすると、決してたわ言では無く、現実的に考えさせられる。

 見たモノが全てでは無い、、、聞いた事の有るフレーズだが。物事の奥に有るモノ、裏に隠されている事。

「それと」

 ザーララが続ける。

「コレはトキヒコとの『契り』とは別案件だ。」

 あー、誤解されるような言い方。

 女王様、ユーカナーサリーが割って入る。

「『契り〜い』?なんか姉様、淫靡な響きを感じるが」

「トキヒコの褒美の件よ。聞きたい?」

「いや、まあ、そうだな、、、」

「後で話すわ」

 あー、なんかなー。

「リーザリーは今の状態では命の危険には晒されて無いわ。だから契約外。でもこの状態があまりにも続くようになったら本気を出しましょう。」

 ザーララの本気って見たい様な。でもその力を見た途端に私が消滅しちゃうような。


「トキヒコ、愚弟に手伝わすわ。ロウよ!」

「はい、ここに居りまする」

 え?いつの間に?

 私のすぐ左後ろに、エルフ王家の長男、ロウはいた。

 あの時から一回り大きくなったのか、顔色も良い。

 まさしく『憑き物が取れた』って感じだ。

 別人、、、もとい別エルフかと思った。

「久し振りです、ロウ」

「トキヒコ殿、お会いしたかったです。」

 本当に〜?前の事恨んでない〜?

 逞しい腕や背中をガシガシさすり、バンバン叩いた。

 あ〜体育系のガッシリした体、好きなんだよな、憧れる。

「ん?変わった仕草だな」

 とザーララ。

「私が逞しく、強そうな男子に対する、私の挨拶ですかね」

 犬をなぜてるのとは違うぞ。あれ?もしや似てるかも。

「ロウ、嫌だった?嫌だったのなら謝るが」

「いえ、こんな風に挨拶をされた事は無かったもので。私も機会があれば行ってみようかと。」

 やっぱちょっと戸惑ってるな。

「いや、ロウ、初対面の人には止めておいた方がいいかもよ」

「そうなのですか。」

 私は初対面の見ず知らずの相手でも、一言言葉を交わせばやっちゃうから、変な誤解を招く時も有る。


「お前、トキヒコを連れて越えられるな。」

「無論です。」

「良し。」


 ザーララはリーザの頭に手を当てた。

 しばらくして、ザーララがリーザの頭から手を離すと紫色に光る一本の光の帯が現れた。

「コレを辿れば良い」

 おおーなんかスゲー!

「ただしね、残念ながら途中までなの」

 途中まで?

「夢魔の居る世界までは届くと思う。でもその先リーザリーを眠らしている張本人までの道筋が何か、妨害?障害に感じる物があるわ。まあ、わたしも未知の相手だし。」

 ザーララの力を遮る妨害?障害?

「気に入らないなぁ〜、やっぱわたしが直接行ってぶっ潰しちゃおうか」

 ザーララ出撃!

「仮にそうしたら、どうなります。」

「リーザリーを眠らしている奴が起きる前につぶれちゃったら、リーザリーは起きないかもねぇ〜、たぶん」

 それ、凄く困るんですが。

 ユーカナーサリーが言う。

「後は正直、現地で相手を探すしか無い。容姿も分からん。」

「簡単よ、見た相手、出会った相手が眠っているようだったら片っ端から叩き起こせばいいのよ。」

 いや、そんな強行、暴力的でいいの?

「で、ですが、相手を眠りから起こす方法って?穏便な方法も有るでしょ?ロウが術でなんとかするとか」

 姉妹は顔を見合す。


「ん〜」と、ザーララは腕を組み小首を傾げ、ユーカナーサリーは人差し指を口の横にトントンと。

 少し考えていたようだが、二人揃って私に向き直った。

「殴れ!」

「蹴り飛ばせ!」

ええ〜!?


 しかし、見た事も無い相手、経験の無い現象に対して解決策(方法は別だが)を導き出す、もしくは知っているって、この姉妹は知らない事や対処出来ない事が無いのかなぁ。


「ではロウよ、トキヒコを導き守れ。良いな。」

「はっ!」

ロウ、元気いいなぁ

「それと、コレを渡そう。」

 ザーララがそう言うと、ザーララの前に何やら物質が集まり(以前、指輪を出してもらった時と同じだ、、、不思議。神様の行いみたいだ)、凝縮されると、ふたつの腕輪が現れた。

「それを持て。」

 腕輪は空中を移動して、ロウの左手首、私の右手首に納まった。

「これはブレスレット。トキヒコ知ってた?」

 ザーララはクスクスと笑う。

 この間の指輪の時の続きか。

「コレはね、迷子防止装置よ」

 ネーミングが可笑しかったのか、ザーララは再びクスクスと笑った。


 迷子って、、、。

「トキヒコがロウとはぐれたら、まともにはココへは戻って来れないかも。ロウがトキヒコを見付ける、トキヒコがロウの存在を感じるモノよ。」

 確かに、迷子だ。

「まあ、トキヒコにはお守りと思って付けておきなさい。」

 迷子になって帰れなくなる、、、リーザが前に少し言っていたなぁ

 では、私はこの後、空間?時空?を越えて異世界へ! ファンタジーなSFの世界観なトリップを!、、、って既に私、実践してるか。


「ではトキヒコ殿、私の背中に」

「え?おんぶ?」

「はい、一気に行きますので」

 ロウの逞しい背中。

 おんぶと言うよりは、一人騎馬戦だな。

「では、行って参ります」

 トキヒコとロウは光に包まれる様に渡った。


 紫色の光の帯を追うように。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ