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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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富士山山頂での捜索

着いた。

3時間半は掛かったが、なんとか登り切った。

登山路には積雪も見られ、滑ったり転倒しないように気を付けていたせいか、モモの裏側や脚のつけ根とか普段使わない部位が痛みだした。

膝と腰もガクガクでは無く、痛い。

息も切れ切れで、30分を目安に休憩を取ったが、実際は何度休憩を取ったのか不明。

寒さの中、喉が異常に乾いて、持参したペットボトルの水は残り1本。水筒の中身はとっくに空だ。

それでもなんとか、富士山山頂だ。

途中というか、ほとんどの行程を女王ユーカナーサリーの力ですっ飛ばして到着し、残りの工程を自分の足で登ったとしても、登山者からすれば殆んどズルしたようなモノ。たが、さすがに感受に浸る。

山開きの時期は過ぎ、登山客の姿はちらほらとは見られるが、その数は片手程度。


10月で既に富士山山頂はすっかり雪に覆われている。

お鉢巡りのコースは他の登山客の足跡が形作っている。

その跡を辿るように私もお鉢巡りを始めた、

しかし、このコースだと火口の中が見えない。

私は足跡で作られたコースを外れ、真っ直ぐに火口の見える山頂部を目指した。

積雪は思いの外あり、膝上、腰近くまで雪に埋もれる。傾斜も手伝い、見ている以上に厳しい工程となった。

最長部と思われる所まで辿り着いたが、富士山火口の全体は見渡せない。広い。曇り空も視界の悪さを作り出している濃霧を手伝っているように感じる。


右の中指がチリチリとする。ザーララの指環が反応しているな。

ロウはこの近くに必ず居る。

でも、何処だ?

辺り周辺には当然建物なんて無い。横穴とか洞窟何て物も無い。火口の地下へと続く扉が、、、有る分け無い。全て雪に覆われている。

指環の反応はしてるのになぁ〜

と、ぼおっと火口を見下ろしていたら。

あれ?

何か変?

まるで空間に切れ目でも入るように、潰れた菱形の何かがちらっと現れては消えて行く。

まただ。

目の錯覚では無い。ザーララの指環の効果かも知れない。

何も無い空間が裂けるように、潰れた菱形が現れては消える。

火口内に円を描くような回転移動をしているようにも思える。

ちらっ、ちらっと、菱形の空間の裂け目が現れては消えるを繰り返している。

その菱形の空間の裂け目の向こうに何か見えそうだが、瞬間的で裂け目は細長く確認出来ない。

だがしかし、何かがある。

まるで見えない壁の向こうに何か別の空間があるように感じられる。

直感も有るが、ザーララの指輪の力だろう。


しかし、どうやって近づく?

チラチラと見えるとは言っても、地面の上では無い、空中での確認だ。

手を伸ばして届くようなモノではない。

いっそ声でも掛けてみるか。

、、、と、思った時、私は落ちた。

足元を滑らし、斜面に落ちてしまった。滑落というやつだ。

あわわわわ、非常にマズイ!

滑り落ちる体は止まらない。

雪にまみれ1回転、2回転、ウエストベルトを留めていなかった登山ザックがぶっ飛んだ!

このままゴロゴロと転がるように落ちるのは、何とか踏みとどまったが滑り落ちる速度は落とせない。

滑り落ちると、見た目以上に急斜面である事が分かる。

分かったけど止まらない。止められない。滑落のスピードは増している。

幸か不幸か足から先に滑り落ちているので、両足裏で踏ん張った!

これは失敗、大失敗だ!

一瞬ブレーキが効いたかと思ったのもつかの間、踏ん張った足先を支点に私は飛んだ。

私は滑り落ちるスピードのまま、空中に投げ出された格好となった。

絶対絶命。

掴まる物も着地をする所も無い。

どうする、どうする!

考える間も無く眼下の雪に埋もれてしまうだろう。積雪がマットのように受けてくれるのはマンガの世界だけだと知っている。

積もった雪の真下に岩が隠れていたら!

このまま頭から突っ込んだら、窒息だ!

一貫の終わり!


フッ

と先程からチラ付いていた、菱形に吸い込まれるように飛び込んだ。





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