ロウ
ロウは人間世界に来た。
ロウは人間社会において愛する者が出来、同時に哀しみを知った。
ロウは哀しみと愛を封印し、改めて人間社会を見渡し自問自答を繰り返した。
ロウには時間があった。
自分は何故、このような感情を得なければならなかったのか。
ヒトは何故、争い、悲劇を繰り返すのか。
何故。
何故。
なぜ、、、。
ならば私が解決しよう。
どのような手段で?
ロウは自身が神と成る事に辿り着く。
ただ人間社会において、宗教的な意味合い、要素としての『神』とは、ヒトを創り出した存在なのか?
いや違う、人間、ヒト達が作った存在である。
神は実在しない。
神を見た者もいない。
神とは一体?
彼はもうひとつ、別の方向からの答えを導き出した。
私自身が実在する、目に見える神となればいいのだ。
それからだ、世界中を周りヒトの持つ宗教感、神についての考察を行う。
ヒトが想い望む神の存在、意義。
神に救いを求む、感謝の意を伝える。
好かれる神、嫌われる神、名だけの神、忘れ去られた神、、、。
何故、世界各地それぞれに多種多様な神が信仰されるのか。
信仰によるヒトの団結、差別、争い。
宗教上の神、地域や環境に関する神、伝承による神、経典、、、。
様々な『神』に関する事、ヒトに対する理解が進む。
力を持つ自分にとって、神としての存在、能力のそれらは容易に感じる。
そしてもうひとつ、自分自身が神と成るに完成させるべき重要なパーツの存在に気付く。
それはロウ自身を信仰し崇める人間、ヒトの存在が必要であると。
自身を信仰の対象とさせるべきには『均し』が必要であった。
多種多様な考えを持つヒトに、初めから考え思い留める環境が必要だな。
白紙の状態の事だ。
ならば、この世の中を一度破壊し、再創生を行えば。
そうだ、渦を使おう。
父王から聞き及んだ『渦』。
『渦』にこの世を均させる。
そしてその後、創造主として救世主として人間、ヒトの前に立てばよい。
私を見、『渦』の後に残ったヒト達の全てを愛し、その成長を見守り、次の段階に彼らを導く。
簡単な事だ。
ロウは満足気に微笑んだ。
それからロウは渦を作る事に没頭した。




