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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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エルフの歴史

ある日、エルフの基(ここでは便宜上ヒトと呼ぶ)が生まれた。

やがてヒトはその数を増やし、集団となり集落を作った。

集落は村となり町となり、州となった。

やがて州はまとまり、一つの国を形作った。

多くの時間も流れていた。

ヒト自体もその数が増え、集団から形態が変わるにつれ、言葉、文字、文化、計測、技術、科学、、、大いなる文明の発展を遂げた。

しかし、ヒトが新たな科学、技術を生み出す度『渦』成る物が発生してはヒトを度々苦しめた。

『渦』が現れると、多くの物、ヒトを飲み込み、技術や文化も衰退し、やがて『渦』は消えていった。

ヒトがひとつの『文明の発展』を迎える度に『渦』の出現・暴走は繰り返された。



ある日、その時代のヒトの科学技術の発展の一つの頂点を迎えた。

ヒトは空を支配出来る技術を得た。

そして文字通り空を支配すべきその日、またしても『渦』は発生した。

この時現れた『渦』は超巨大な姿で建物から自然の物、空を支配すべきだった物、そして多くのヒトを飲み込み暴れ回った。

しかしこの『渦』は消えなかった。


ヒトは『渦』を恐れ、逃げまとい、やがて飲み込まれていった。

超巨大な『渦』は神出鬼没、現れては飲み込み、去る。

何度も繰り返えされた。まるで何らかの意思を持つかのように。

やがて土地もヒトもその範囲、その人口も半分まで減ってしまった。

残されたヒトは『渦』の解明、研究に明けくれた。

再び永き時間が流れ、そして一つの答えを得た。


『渦』はヒトの誕生と同時に生まれていた。

なぜ、どうして生まれたのか、その起源は?

それはヒトがなぜ生まれたのかと同義である為に解明される事は不可能であった。

しかし『渦』の研究を進めた結果、『渦』はヒトのその時その時の大きな発展の際に現れていた事が突き止められた。。

ヒトの発展が『渦』の呼び水として発生していた。


ヒトは決断した。発展もしくは進化を手放すと。

到底信じられない、有り得ない事だ。

昨日まで当たり前となっていた事を止める。行わない。

例えば、蛇口を捻って出る水を川や池に汲みに行く事に変える。

想像すら付かない。

仮に当時の最先端となっていた、空に関する技術を捨てた。知識を捨てた。

果たして『渦』の勢いに変化が見られた。

ヒトは生き残る為の決断を続けた。

便利、都合の良さ、娯楽、、、捨てた。

さもそれは、中世の魔女裁判や宗教・思想の弾圧を行ったごときに破り、燃やし、消すように。

ヒトは原始的な生活に向かって行った。生き残る為に。

ただ、ヒトは『術』成る物を生まれながらにその身に宿していた為に、なんとか救われていた。


『渦』は確かに弱まり、縮小に向かっていた。

発展や進化を手放したヒトの暮らしも衰退していた。

黒々とし何ものをも吸い込む中心部は透け出し、何ものをも巻き込んでいた回転も弱まった。

いつしかヒトが近付いても危険すら感じなくなり、ゆらゆらと漂う存在にまで収まった。

しかし、それでも『渦』が消える事はなかった。


ある日『渦』に新たな変化が現れた。

『渦』が更に縮み出した。

その中心部を目指しゆっくりと、ゆっくりと。

最終的に点となった時、光輝き出した。それは長らく続いた。

『渦』が消滅に向けた為、輝きを増したと誰もが思った。


輝きの中から、邪竜が産まれた。



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