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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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リーザの家 花の王の来訪

エルフの里国の王、花の王が私が訪問中のリーザの家にやって来た。


リーザの家はエルフの王宮の城壁内にあり、王宮より歩いて数分に位置している。

女王様はお付きの者を従え、リーザに与えているこの家にやって来た。


私とリーザは女王様の声を聞くと、ベットから飛び起き(ちっ)、遅ればせになったが二人揃って出迎えた。


「我が王よ、このような所に自らご足労を頂き恐縮です。本来であれば到着し次第ご挨拶に伺うべきでした。お許し下さい」

リーザは畏まった。

「、、、女王様、こんにちは」

私はさあ、そういった態度や言動を知らない、身についてないの。だから自分が出来る丁寧な気持ちと態度で接した。(だって出来ないんだもん)


「良い、良い、我が許可しとる。気を遣うな」

本当『王様』という地位に付きながら、花の王は寛大でお優しい。

素でこれなら、(エルフ以外でも)皆が好きになるのも納得する。


「トキヒコ殿、越える者よ、我が邪魔をする事を許せ」

リーザは再び頭を下げ畏まった。


花の王がお付きの人達に合図をすると、次から次へと食器、食べ物、飲み物、、、とにかく色々と(サイドテーブルまで)家屋内に運び込まれ、食事の準備がずらりと並び整った。

「少し我とのお茶に付き合ってもらうぞ」

いや『お茶』って感じでは無い。

豪華な夕食、晩餐会だよ。


ただ印象的だったのが、給仕をされていた方々が何か嬉しそうな顔をしていた事。

エルフは感情表現が余り無く、表にする事も少ないと聞いていたし、(実際感じていた。リーザと女王様は別格だが)女王様の影響かなぁ。


給仕を行った方々は、一通りテーブル上を飾ると、皆揃って退席してしまった。

王宮へと一度戻るとの事。


え~、こんな得たいの知れない外来生物と王様をいっしょの場所に置いっててもいいんですか?

まあ、王様の側にはリーザもいるし、女王様自身が超強大な魔力をお持ちとの事。

私の存在程度、取るに足らんって事ね。


「すまんなトキヒコ殿、リーザよ。二人の邪魔をするぞ」

ホント、測ったようなタイミングで起こし下さりました。見てた?

「我が王、ユーカナーサリー。こんなにも、もてなしを頂きありがとうございます」

「前回トキヒコ殿が来て下さった時な、なーんも出せんかったでな」

色々とありましたので。


「女王様、ありがとうございます」

私はお礼を言った。本心でこのような対応を頂き感謝している。

エルフはお世辞、愛想笑い、おべっかをしない。私も嫌いだし出来ない(だから出世も出来ないのか)。

それに頭の中(心の内)も見られてしまうケースも有る。

だからか、エルフと接する時は気は使うが、飾らず素直な気持ちになれる気がする。




「なあトキヒコ殿、貴公はこちらで暮らさんのか?」

あ、思ってもなかった。

エルフの世界でリーザと一緒に暮らす、、、考えもしなかった。


「女王様、」

「ユーカナーサリーと呼べ」

「??」

「我の名じゃ。我ら3人の時だけじゃぞ、その名で呼ぶ事を許すのは」

何か意味が分からんが。

「はい。ではユーカナーサリー、それは考えてもいませんでした」

「ほう」

リーザも私に向いた。


「実は今回、私の人間社会での暮らしの中で引っ越しを考えていまして、その流れでリーザの家を見る事になったのです」

今日ここまで来た流れや、私自身がエルフの生活習慣や環境を知らな過ぎる点も加えた。


「ですが、こちらで暮らす、生活するとの考えには至りませんでした」

「ふむ」

花の王はしっかりと相手の言い分を聞いて下さる。


「やはり自己中心、独りよがりだったのかも知れません」

実際リーザには「人間社会で苦労しないにはどうすれば」としか考えて無かった。主語、前提が『人間社会』『私の生活』である。

ただ、エルフの世界で暮らす事は私の選択肢に入れて良いのか?入れるべきなのか?


「女王、、、ユーカナーサリー、ちょっと判断が着きません。なんか迷い出しました」

迷い出した。


「リーザと一緒に暮らしたいのは私の本心です。ですがそれが人間社会で一緒に暮らす事なのか、エルフの社会で暮らす事なのか。我々にとって何か最善なのか分かりません。分からなくなりました」

花の王にじっと見られた気がする。


「リーザよ、お主はどう考える?」

花の王が空気を変えて下さる。

「私もトキヒコさんと一緒に過ごす事を望みます」

うわぁ~恥ずかしいが嬉しい。


「そしてトキヒコさんの下す判断に従います。王の判断には従いません」

「な、何を言うんじゃ、我はまだ何も下しておらぬぞ」

リーザ何故に女王様に対してそんなに強い。王様に従わないって!


「でもですね我が王よ、許されるのであらば、私はもう少し人間社会を覗きたいです」

え?

「でもリーザ、リーザに色々と負担が掛かってるのは事実だし、人間社会に汚染された?」

「嫌ですわ汚染だなんて。エルフの里国の民達には申し訳ないのですが、私、色々と楽しんじゃってます」

エルフが楽しむ。感情的な表現、行動だ。


「既に汚染されとるな」

花の王が呟き頷く。


「まあトキヒコ殿、いつでも、常に貴公の事は受け入れるぞ。なんせリーザの次に我がお主の伴侶じゃからな」


「トキヒコ殿の居住も作ろうぞ、そうじゃ、そうしよう」

カッカッカッカと花の王は笑う。


「いえいえ、女王、、、ユーカナーサリー、それ解除して下さいよ」

「嫌じゃの」

「リーザからも、ほら」

リーザは少し考えた。


「いえ、我が王、花の王との縁は後々トキヒコさんの為になる事があり得るかも知れません。その縁、もらっておきましょう」

縁か?でもリーザの後釜って?


「さあ、食おうぞ」

女王様、口が悪い。


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