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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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幻獣の森 光の来訪者

(『スルガトキヒコ目覚めなさい。』)

トキヒコは一度眠ると、その眠りは深い。

多少の事では起きないし、起きても直ぐに寝直してしまう。

(『スルガトキヒコよ、目覚めなさい。』)

トキヒコは一度眠ると、、、。


眠りに付くトキヒコの前に現れた、光を纏う者。

隣で眠るリーザは気付かない。

(『スルガトキヒコよ、目覚めなさい。』)

トキヒコは一度眠ると、、、。

「あがっ!」

トキヒコは変な刺激を受けて目を覚ます。

目を覚ますと言っても、睡眠途中で眠いまま。周囲を一瞬見回して、まだ眠りの時間と速攻で判断。まだまだ起きる気は無い。

(『スルガトキヒコよ、目覚めなさい。』)

「あががっ!」

トキヒコは機嫌悪く目覚めた。


(『スルガトキヒコ、境を行く者よ。』)

さかいを行く者』?誰?

トキヒコに声を伝える者は、小さな強い、姿無き光。

(『スルガトキヒコ、ぬしは、二つの世界を過ごす。力持たぬ者である主は、何を知り見て参った。ことわりの中にて、その様な者は存在せぬ。』)

ことわり~?すみません、か?

いや、あんた誰?

(『私は理の中にて廻る者。』)

すみませんって、断りながら謝って回る者、、、。


「え~、夜も更けてます。私は寝てます。では」

どうやらオレの夢か。変な夢。

「あがっ!何だよもぉ~」

トキヒコは再び刺激を受け、眠りの世界から引き戻される。

(『スルガトキヒコよ、何を見、何を知った。』)

「あぁん?何をって、何を?」

もぉ~『すみません』って断って回るんなら、下出したでにしなくっちゃな。


(『主は先程一つの新たな生命であるが、レーニャフィアンマサルトーの消え逝く運命を動かした。それは理を漂うがごとき行為を決定にいざなった。主にてくだされる定めが着かぬ。何故の動とした。』)

ん?生命、運命、動、、、あっ、女王ユーカナーサリーがおっしゃられてた事か。怪我した『幻獣』、、、フオコォの事を言ってるのか。あー、思い出しちゃうじゃんか。

「では、あの傷付いた者を目の前にして、オレはどうするべきだったのか?あなたなら、どうした?」

あ、質問に質問で返しちゃった。

(『私は良い。しかしながらスルガトキヒコはあの場にて、手を出さぬ、触れぬ事が最善であり、理と成る』)

何であんたは、いいんだよ。

「ん~、それだと自分の持つ思いに反する。それは私の持つ“善”に反する」


(『理は『善』と『悪』にて形創られている。よって、理の中に居る全ての者は『善』と『悪』とを持ち合わす。さすればスルガトキヒコ、主の持つ『善』とは何とする。』)

う~ん、オレは善人では無いからなぁ

でも何か、問答でも始まっちゃったか?

「私は人間であって、その中でも小さな部類です。ですので、力の無い私は、自分の周囲にいる者達の幸せを願う事。(お金も地位も名声も無いからな)ですが、自分が幸福で無いと、周囲や相手に幸福を願う気持ちも落ちてしまいます。ですので、私の善は私自身の幸福感。となるのかな」

かな?やっぱ自分本位、自分が可愛い。

でも実際は、何が善であるかは分からない。見る人や立場で変わってしまう事も有るだろうし。

種族や文化、地域、それこそ宗教によって『善』も『悪』も違うし、変わる。


(『ではスルガトキヒコよ、人間の持つ悪とは?』)

う~ん、人間が持つ『悪』、、、いっぱい有るぞー!でも、なんだろう。

「人間は欲望の生き物としての一面を持ちます。代表的だと『食欲』『性欲』『睡眠欲』この3つを満たしたい為に生きます」


「ですので、これらに限らず、自分の持つ欲求が満たされず、また欲求のどれもが満たされないのであれば、悪意を持ってでの行動を取るかも知れませんし、これらを得る事に対して邪魔をする者が現れたましたら、その者に対して、その者自身も同様に悪意を持つかも知れません。ですので、、、」

「オレの睡眠を妨げるな!あんた、オレに何の恨みが有るんだよっ!」

もお~

「だから今、あなたが私に対して行っている事が、悪。さっ、帰った帰った」

トキヒコは寝直した。

まあ、私が持つ善も悪も、結局他人が決める事かも知れないからな~。オレの事が嫌いな人はオレが悪だろうし。かといって、万人に好かれる事なんてあり得ないし、くだらない。

それと、立場によって善悪は変わるものさ。善と悪が立ち位置で真逆となる事も有るしな。

オレは、リーザとさくらに嫌われなければ、それだけでいいの。

おやすみ~。

「あがっ!」

何だよ~まだ何かあるのかよ~。


(『スルガトキヒコよ、理へと定めた運命、生命。あれを主は如何にする。』)

『幻獣』の運命かぁ。でも待て、運命って。

「一つ聞きたい。運命って何だ?理の中に居る者には運命は決められていて、運命に従って動くのか。運命って何だ、どういった事が運命なんだ?!」

運命が決められている事であったのなら、オレがあの傷付いた『幻獣』フオコォを見付けたのが運命だとして、その後に傷の手当てとなったのも運命。今この場にすいませんのあなたが現れているのも決められた運命だとしたら、どこからどこまでが運命なんだよっ!

あー、女王ユーカナーサリーにも似た様な事を思っちゃったんだよなぁ~。以前、“運命”とは有って無きモノ、後付けでもされちゃうみたいな事も聞いた事あるし、、、。

(『スルガトキヒコよ、運命は定められている。知りたいのか、主自身の運命を。』)

オレの運命、、、


「いや、オレの質問の返事になって無い!」

すみませんの何か、質問をすり替えやがったな。

(『また、何れ会おう。』)

あー、逃げた!

なんだよっ!目が覚めちゃったじゃんか!

あー、もう寝る!



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