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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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幻獣の森 幻獣

幻獣、、、全身を覆う赤とオレンジの体毛を揺らすと、まるで燃え上がる炎の様だ。

先ほどまでは、傷付き死に掛かっていたが、エルフの里国の王、女王ユーカナーサリーの治癒の『術』で命を取り留めたのだろう。しっかりと、自身の四本の足で立ち上がっている。そして全身の体毛を揺らめかしながら。

「良かった!治ったのか!?」


幻獣に近付こうとする私をエルフの里国の王家の姉妹が、その間に立つ。

「トキヒコ殿、待たれよ。未知成る者、不明成る者に対して、些か安易、不用意成る」

女王ユーカナーサリー。

ああ、確かに。

「トキヒコ、待つが良い。こやつを見極めねば成るまい」

無敵なザーララさんも。

見た目は可愛らしい小動物だけど、、、そうだ、実態は不明だ。

私は初めて見る者だし、何よりエルフの里国の王家の姉妹が初見な相手。この二人がこの世界で知らない事が有るなんて、、、その上に『幻獣』だなんて。

「トキヒコ殿は、我らを飽きさせませぬな。また、此度は少なからず問題、と申しまするか」

 ありゃ、ロウまで来た。

 ええ~、でも、いい年こいてもオレって問題児か!

『幻獣(?)』も、私達を観察している様だ。


(『、、、あ。、がうぅ、、、』)

 何か聞こえた。

「今、あーがうっ、、、て、ロウ聞こえた?」

ロウは首を左右に振る。

ザーララとユーカナーサリー、姉妹二人は少し緊張感の有る横顔を見せる。

(『、、、あ、、、がう、あーがうぅ、。』)

「ほら、また」

私の少し前で、幻獣との間に立っている、姉妹のエルフの態度は変わらない。

(『、、、ありが。と、、、』)

まただ、、、幻獣も跳ねた!

「お前、喋れるのか?!」

頭の中に響いて来る。それも日本語で!

私は幻獣(?)に、一歩近付く。

(『、、、ルー、ルー、ルー、、、ルールー、ルー、、、』)

エルフの姉妹二人は、立て続けにトキヒコを守護の結界で囲む。

こいつ(幻獣?)からは、悪意も敵意も感じられなく思う。

良く見ると、小鹿の様な可愛い顔をしている。

でも、その見開かれた目は、体毛と同じく、赤い目をしている。


『紅い瞳』、、、私は生まれた時の我が娘、さくらの瞳と重なった。そして続けて口づさんでしまう。

  、、、『紅の瞳の者、幻想をも超える力を持つ』

女王ユーカナーサリーに聞かされた、エルフ達の持つ伝説。

この幻獣(?)も、紅の瞳を持つ。従って何やらの大きな“力”を持つのだろうか。

「ユーカナーサリー、こいつの目、赤いです。何かの力を持ち合わす、印か何かでしょうか?」

何か厄介者、危険物を持って来ちゃった?

「確かに。我らに伝えられる言と同じく。為れば必ずしも、二本足にて立つ者との語りも無き故、、、有り得よう」

おいおい、何か“力”を持ってたとしても、大人しくしててくれよ~。

「解らぬが、何やらは感じるな」

ザーララさんも、こいつを観察中のようだ。


しかしトキヒコは、相手に敵意が無いと判断し、無防備とも言える状態で、未知成る生物に進み寄る。そして手を伸ばし、その首をなぜる。

 首を撫ぜ、頭を撫ぜる。

「お前、何か可愛いやつだなぁ~」

未知成る生物の体が揺れる。まるで、炎が立ち上る様に。

(『、、、ルールー、ありがと、、、ルー、ルールー、、、』)

トキヒコは、未知成る生物、幻獣(?)の体を見た。

枝が刺さっていた傷口は塞がったな。でも、傷痕が残ってる。内臓とかの損傷や、多く流れた血とかは、大丈夫なんか?

女王ユーカナーサリーは、エルフの里国に住まう者物と大して変わらないとおっしゃってたけど。

死にそうなぐらいの大怪我だったんだし。

幻獣の超回復力!、、、いや、分からん。


ザーララが未知成る生物を観察する事は続く。

ザーララにとっても初見成る者。得体の知れぬ存在。

相手が持つ“力”を感じれば、放たれている“圧”も受けている。

自身と似ている波長を感じる。こいつは、何者なんだ?何処から来て、何を思う?

ザーララが眼力を上げる。この未知成る生物を見透かす様に。

未知成る生物は、ザーララに対して反応を示す。

防衛本能とも呼べるか、その身に持つ“力”を上昇させる!


「おっ?」

幻獣(?)が持つであろう“力”が大きく膨れ上がるのが感じられる、何やら伝わって来てるのが判る。

「トキヒコ!」

私は、この幻獣(?)の広がる力の範囲に触れたであろう瞬間に、後方にふっ飛ばされた。

ふっ飛ぶ私の体は、空かさずロウに抱き止められた。

「あー、ロウありがとう」

何時も、私をキャッチしてくれるのは、ロウの役目になっちゃってるなぁ。

でも、エルフの王家の姉妹が掛けてくれた、結界に救われたのだろう。

幻獣(?)も、私が弾かれた時に同じ様に弾かれ、そして消えた。

「幻獣も消えちゃった、、、何処へ行ったのだろう」

この世界(エルフの里国)とは違う場所の者。見る事も行く事も出来ない場所。幻の世界、、、でも、何処に在る?


パリッ、パリリッ!

「あー!もうっ!」

ザーララさんが上半身から青い電気みたいな小さな雷をパリパリと出す。機嫌が悪い?

恐る恐る、、、

「ザーララさん、どうされました?」

声を掛けたら、ギュっと見られた。あれ~オレ、何かしたか?

「あいつが消えた。折角トキヒコの頼まれ事だったのにっ!頼まれ事が消えた!」

いえいえ、何か変な迷惑を掛けずに済みましたが。

それに、もしかすると、大迷惑を掛けちゃう事になったかも知れませんし。

「どうもあいつとわたしは、相性が悪そうだわぁ」

ザーララさんも紅の瞳を持ち(左目だけだけど)、大きな“力”を持つ。

「だからトキヒコ、責任を取れ」

ええ~、何の?何でそうなるの?




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