さくら日記 高校1年生 春 入部希望者
女子サッカー部の部室前に立つ。
あ、こう言う時は、何と言って入るんだ?よし、
ノックをする。
コンコン
「頼も~う、入部希望者です!」
ドアの向こう、狭い部屋に集まっている部員達が、少し驚きの顔をして、さくらを見つめる。
「さくらぁ、頼のもうって、、、何時代?」
一人の生徒が対応してくれる。
「来てくれてありがとう。今日は部活見学になるの。体育館の隣にサッカーゴールの有る半面コートへ集まって。他にも入部希望の新入生がいると思うから」
新入生は今週中、各部活動見学と体験期間に当てられ、部活動として本格的に参加出来るのは来週からだ。1ヶ月間は仮入部となる。
これは、入部を強制したり強要させない為の学校側が取る措置だ。
さくらと友美、女子サッカー部の部活動の舞台、体育館横の半面コートに向かった。
「勧誘チラシにグランド集合って、書いておけば良かったのに。ねぇ」
確かに、案内を受けたグランドの場所は、分かり難い場所では無かった。
実は、新入生の初登校となる今日が、雨天の場合も考慮しての記載して作られた入部勧誘ビラ。先輩達の考慮であった為、部室を集合場所としていた。
「でもさ、部室の場所も分かったし、オリエンテーションで校内一周したけど、通って無い、行って無い場所が殆んどなんで、いいんじゃない」
「さくらは前向きなのね」
女子サッカー部の練習が始まった。
(先輩達、スパイク履いてる!いいなぁ~カッコいいなぁ~)
練習着で現れたサッカー部の先輩達は、ユニフォーム姿では無く、各々(おのおの)が思い思いの格好をしていた。
上下ジャージ、サッカーパンツにスパッツ、赤青黄色と色とりどりのストッキング。
部員数は13人、2人がスタメンから外れるが、試合をするにはちょうどいいぐらいの人数。
ランニングから始まって、円になっての準備体操、2人一組の軽いストレッチ。
パス交換からボール回し。
ゴール横から送り出されるボールに対しての、シュート練習。
「何さくら、トイレ?」
さくらはソワソワしていた。
人がサッカーをやっている所を見せられて、自分もボールが蹴りたくなっていた。
シュート練習が二回りすると小休止となり、先輩サッカー部員と見学者達が集まった。
流れで自己紹介をする事となった。
「スルガ さくらです。サッカーは初心者ですが、頑張ります!」
今日3回目。やっと言えた感じ。満足!
隣に居る友美が、クスッと笑った。
10人集まった新入生の中で、サッカー経験者は2人だけ。さくらも含めて、殆んどの者がサッカー初心者だ。
「ここからは自由にして。見学を続けてもいいし、今日は帰ってもいいわ。隅っこでなら、ボールを使ってもいいよ」
やったー!
先輩部員は半コートでミニゲーム形式の練習に移っていた。
「友美、ボールを蹴ろう!」
さくらの格好は制服でスカート、靴も革製のローファーだ。桜井友美も同じ様な格好である。
「さくらは初心者よね」
「うん」
「じゃあ先に少し教えるわね」
桜井友美は、さくらにサイドキックを教える。
「先ず、パスの基本ね。ボールを止めて、相手に対してこの足の面を向けて真っ直ぐに押し出す感じで、蹴る」
「うん」
「こんな格好だから、少しだけよ」
「分かった!」
さくらは友美と距離を取る為に、少し小走りで離れた。
「よしこーい!」
(さくら、そんな掛け声出す程じゃないよ?)
友美からさくらにボールが優しく蹴り出される。
さくらは足の裏でボールを止めようとして、、、トンネルした。
さくらはサッカーがド下手だった。




