さくら日記 高校1年生 春 新入生
今日から初登校だ。
通学には、自転車で駅まで行って、契約した自転車置き場に自転車を停めて、カギも忘れずに。
駅からは、一人で電車に乗って行くけど、定期券って初めてだ。何か嬉しい。
朝の電車、、、混んでる。色々な制服を着た高校生が多いけど、会社に出勤する人も多い。
お父さんもこうやって、電車に乗って会社に通ってるんだなぁ。
だけど人、多い。狭い、キツい、汗かきそう。
45分電車に揺られて、踏ん張って、電車を降りれば、歩いて15分ぐらい。学校に近付くにつれ、ここの生徒と思う人達が増えて来る。
(さくらの通う高校は、制服は有るが、服装は自由でも良い。それは、かなり前の代の生徒会が学校側から勝ち取った歴史でも有る。ちなみにさくらは、制服で初登校だ)
正門だ。
ここを潜れば、今日からここに通って、今日からココで私の高校生活が始まる!
そんな心躍る感受に浸る間も無く、正門の周囲は部活やクラブ、同好会への勧誘者でいっぱいだ!まるで大学生みたい!
さくらが『写真部』のチラシを受け取った途端、我よ我よと、あっと言う間に各部の勧誘チラシが集まり、まるで紙の束を持つ羽目になった。
『1-B』
さくらは校内地図を見て、自分のクラスを位置を確認して教室へ向かった。
建物内にも多くの勧誘者が待ち構えており、声を掛けられても、何か圧倒されるパワーにタジタジだ。
「うわぁ〜、想像してたのと全然違う。何か高校生を飛び越えて、大学生になっちゃった気分」
この学校は、生徒の独立性が重んじられていて、細かい事に対して学校側は口を出さない。
かと言って生徒達は自由気ままなのかとは違う。高校生也の倫理観を持ち、自主的で自己主張の出来る生徒が揃っている為、おかしな道に逸れる様な事は少ない。いい意味でマセている。
さくらは教室に辿り着くと、前面に貼り出されていた座席表に従い、自分の席に着いた。
既に多くのクラスメートと成る者達は、教室内に揃っていた。
さくらはこの学校に、中学校時の同級生も居なければ、同校の卒業生も居ない。
でも心細いとか、不安は無かった。
それよりも、これから先に何が有る、何が起こるとの期待感が溢れていた。
担任教師が登場し、教室内のザワつきが収まる。
各自が簡単な挨拶を行う事となった。まあ一種の恒例行事だ。
さくらの順番は直ぐに回って来た。
席を立ち、教壇に向かう。
身長が165cmのさくらは、女子としては背が高く、スラリとしていて、目立つ。
ピンと伸ばした背筋は、母リーザの教えで有る。
(あー、ろくすっぽ挨拶考えて無かった。チョット緊張する〜)
「スルガ さくらです。サッカーは初心者ですが、頑張ります!、、、ありゃ、部活用の挨拶でした」
さくらのちょっと間違えた挨拶はクラスの皆に受けた。緊張感が漂っていた教室が、いい具合になごんだ。
「へへっ」
頬をポリポリ。
休み時間になると一人の女子が寄って来た。
「スルガさん、私は桜井 友美です。私もサッカー部に入部希望なの。今日の放課後に一緒に行きましょう」
わぁ〜嬉しい!
「私はスルガ さくらです。サッカーは初心者です、、、さっき言ったか」
2人で笑った。
登校の初日は、本校での学業に対するオリエンテーションに終始し、校内の案内も有り、午前中で終わった。
本格的な授業の開始は、明日からになる。
「スルガさん、行きましょう」
休み時間に声を掛けてくれた、桜井 友美に誘われ、女子サッカー部へと向かう。
あ~何かちょっと緊張して来た!
どんな先輩達がいるんだろう。私みたいな入部希望の新入生は、何人ぐらいなんだろう。
緊張感よりも、期待感が勝っていた。
「桜井さん、こう言う場合は、部室に行くべきか、グランドに向かうべきか、どっちなんだろう?」
「友美でいいわ」
桜井 友美は、一枚のチラシを手にしていた。
『『来たれ、女子サッカー部!』』
友美に見せられたチラシには、そんな文字が踊っていた。
あ、チラシ、、、沢山もらったけど、女子サッカー部に入ると決めていたから、殆んど見て無いや。
「私も『さくら』って呼んで。勧誘チラシは沢山貰ったけど、見て無いや」
女子サッカー部の人達もいたのか。
正門を潜って、勧誘者の多さに圧倒された中、自分のクラスに、自分の席に辿り着く事ばかり考えていたので、周りが見えて無かった。
「友美は何でサッカー部なの?」
桜井 友美は、サッカーを地元の少年団で小学生から始めたが、進学した中学校には女子サッカー部が無かった。
そのままクラブチームに入り、中学3年間を過ごし、高校生になったら学校の部活でサッカーがしたいと思った。
だから、この学校を選んだ動機は、さくらと似ていた。
「私もこの学校に、女子サッカー部が有るからこの学校にしたの。だから友美と一緒ね」
さくらは、何か同房を得れたようで嬉しかった。
「どうしてさくらは、サッカー部なの?」
友美に返された。
「う~ん、面白そうだから」
「それだけ?」
「うん」
「へぇ~。いいんじゃない」
「へへっ、うん」
二人は女子サッカー部の部室へと向かった。




