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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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さくらの高校への入学

桜が咲いた。春が来た。

桜の開花宣言が出されて二週間は過ぎ、桜は散り出したが、さくらの高校生となる入学式には何とか間に合った。

さくらはこの春から高校生となる。通う高校は県下でも有名な公立進学校のひとつだ。

とにかく、私は嬉しい。

何処のどんな学校であろうとも、娘が高校生となった事が喜ばしく、手放しで嬉しい。

尚且つ、公立高校である事は、家計的にも喜ばしい。

ただ私は、さくらに関して少し気になる事を感じ出していた。


さくらが中学三年生の後半頃から私が感じていた事だが、さくらは家の中、それこそ家族三人だけで過ごす時と、外出先で取る態度に違いを少し感じ出していた。

さくらは、家族だけで過ごす時、その年齢よりも幾らかの幼さが出る。

中学生の女子って、背伸びしたくなる年頃。あどけない幼さと多感で耳年増のイメージを持っていたが、さくらは小学生にも通じる、感じてしまうイメージを出す。

だけど外出先では、もうひとつ上の段階、次は高校生に向かう、お姉さん的な女子の態度が見られる。


私が感じたコレって何だろう?

女の子って、そういうモノなのかなぁ。

でも、外出先でも周囲に他人の存在を感じない時は、家の中の態度が現れる。

甘えて来るのとも違う。

親と子の垣根が低く、全面的に委ねて来る感じ。

そう、少しおませな幼女の様に。


「さくら、高校入学おめでとう。受験勉強頑張ったもんなぁ」

私は仕事で、さくらの高校の入学式には行けなかった。

「さくら、初めて高校に登校した感じはどうだった?」

入学式には、リーザが付き添って行った。

「うん、まだ分かんないよ、だって今日は入学式だもん。でもね、生徒数が凄く多いの。一学年だけでも、中学校の全校生徒並みよ!」

まあ、さくらの通った中学校はココ、田舎の学校なので。

「さくら、高校生になって、何しよう?」

「うんお父さん、私サッカー部に入る!」

うん、聞いていた。さくらが受験する高校を選ぶ時の第一の選択肢は、女子サッカー部が有る事。

でも、いつからそんなにサッカーが好きになったの?実際はボール扱いなんて、下手っぴいだし。

「さくら、お勉強もしっかりとお願いしますよ」

リーザはそう言うが、私はさくらの勉強面に関しては、何も心配が無かった。

「はい!」

返事がいい。

それに、新しい世界に飛び込むワクワク感が、さくらから確かに何かエネルギーとして伝わって来る。


さくらの勉強面で私が心配しなくて良いのは、リーザの教育と家庭学習の成果が多大である。それにさくらは、エルフの持つ賢い頭脳の良い一面を出している。

人間離れ、、、いや、並みの人間(私)からすると、人間離れの記憶力、理解力、判断力、応用力、想像力、、、私が見た事も無い、触れた事も無い数式でも、対応し理解し難無くこなす。何か天才?親バカ。

エルフの里国の王、女王ユーカナーサリーによって、さくらには人間とエルフとの間で悪しき影響を及ぼす差異の有無についての観察と調整を生まれたその時から、いや生まれる前から、行って頂いている。

それに合わせて、人間社会で暮らす為に、エルフの持つ『力』『術』(と未知成る何かしらの“力”)を女王ユーカナーサリーによる『術』と『魔力』で『枷』を掛けて頂いている。

さくらの頭脳は、それからすり抜けているようだ。多分。

『力』(パワー)面も、少しすり抜けてるかも。


あ、私が少し感じていた、さくらが出す“幼女感”って、すり抜けてるエルフの頭脳の一部?


エルフは人間(人類)よりも永き時を過ごす。

まあ、リーザと女王ユーカナーサリーから聞いたりして得た感覚なんで、具体的には分かんない。

でも少なくとも、私の10倍以上の時を過ごす。1000年以上だ。

エルフの里国にも時の流れは有る。

でも、実際に時計をあちらに持参して、地球上で刻まれる時間と比較した事は無いので、正確な事は言えないけど。

あくまでも私の感覚だ。感覚だけど、エルフは人間の10倍以上を生きる。きっと、そうなんだろう。


そんな時を過ごすエルフからしたら、さくらが現在16才になっても、エルフの過ごす時間としては10分の1以下の成長具合かも知れない。そうだとしたら、まだまだ赤ん坊だ。だからかな?

だから、女王ユーカナーサリーによって掛けられている『枷』から、すり抜けてるエルフの部分の影響で、さくらは幼い一面を現すのだろうか。


「お父さ~ん、スパイク買って~」

「まだ入部して無いじゃん。部活の練習風景見学した?どんな先輩が居るとか部の雰囲気とか感じた?」

「まだよ」

今日の入学式当日は、部活動と勧誘も全面禁止だったそうだ。

明日から各種の勧誘攻勢に合うかもな。

でも、さくらは女子サッカー部に本気でプレーする人達と舞台を求めているだろう。同好会的な集団では、満足しないだろう。

「一回部活を見学して来なよ。さくらが持つイメージと違っていたら、学校外のクラブチームでも今はサッカーが出来る時代だから」

私が高校生の頃は、高校で女子サッカーが部活として存在していたなんて、聞いた事が無かったし、女子サッカーの存在自体も知らなかった。田舎者だったから?

「そうですよ、さくら。闇雲に走りましても結果は伴いません。先ずは一度、自身の目で見て確認します事は大切ですし、其れ成る行為に対しての負荷も伴いません」

「は~い」

さくらはリーザの言う事は、無条件に聞く。聞き分けがいい。

なんか、私の場合とは温度差を感じてしまうが、まあ良し。


「さくら、スパイクはな、チームメートと買いに行くんだ。サッカー経験者が居たら、お店に連れて行ってくれる。それは楽しい!」

私の高校サッカーもそうだった。チームメートとなった者にお店に連れて行ってもらって、スパイク買った後に、皆で街ブラするんだよ。

「へぇ~楽しそう!」

「ああ、楽しい」


さくらの高校生活が始まる。



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