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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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155/296

さくらに流れる王家の血 力が集まる

あれ?何だ何だ何だ!

『ゾワゾワゾワゾワゾワゾワワワ~ン』

うっわー!何だこれっ!スッゲー嫌な感じ!スッゲー嫌!

「おう、トキヒコ!」

なんと!ザーララさんまでわが家に来た!

何の集会だ?!

「我が子よ、如何とした?」

「母様!」

「お父さん!」

ありゃ、さくらまで。

いったい全体、何事だ!

現在の私が思う『膨大な力』の持ち主の内、ザーララさん、さくら、それと多分お母さん。三人も揃っちゃったよ。いいの?

「あー、皆さん、何の寄り合いでした?」

「母様が居られるとは遂知らず、ご無礼致しました」

ザーララさんが頭を下げたり、詫びる姿初めて見た!

「こんなに一度に“力”が集まるなんて異常よ!ウチが歪んじゃいそう!慌てて帰ってきたわ!」

ウチが歪む?それ、さくらも含まれるんだよなぁ。

ではここに、女王様かロウが来たら、家が潰れちゃう?


ザーララさんが来た。

「母王ジール、ザーララさんこっち来ちゃって大丈夫なんですか?」

ザーララさん、初来訪だ。何で私の家が分かったの?あ~、そこは『造作も無い』か。

「何だトキヒコ、不満か?」

いえいえ。

「ここがトキヒコの住み家かぁ。一度来る事を望みみたが。しかしトキヒコ、トキヒコの住み家、狭く無かろうか?」

いえ、私の収入としては、精一杯なんです。

ザーララは、家の中をうろついたり、あちらこちらのスイッチを入り切りしてる。

放っておこう。

リーザが突然立ち上がる。

「申し訳ございません。何もお構いの準備無く。しばしの間をお許し下さい」

いやリーザ、突然来たのはこのエルフ達だし。

リーザは慌てる様に、キッチンへと消えた。

「私も手伝います」

さくらも、キッチンへと消えた。

エルフの里国の王家二人と私はリビングに残された。

何か私だけ取り残された感が。


今この周囲の状況は、、、放っておこう。

「話しを戻させて頂きますが、母王ジール、さくらが“力”をその身に表した事になったとして、それがどうして母王ジールの責であった、ザーララさんの“力”を抑える事から解放に至るとなったのかが、理解出来ません」

私、別段賢くは無いので。

「ザーララ成るは自由に、、、とも行かぬが、その力は溢れぬ。スルガさくらの存在成るがそうさせぬ」

力が溢れ無い?理解出来ない、解らん。

「ははははっ!見ろ、見ろ、トキヒコ!見ろ!ははははっ!」

そんなザーララさんは、テレビ番組を観て笑ってるんだが。


「スルガトキヒコよ、至極簡単、単純成る仕組み也」

はぁ。

「ザーララ成れが力を広げると、スルガさくらの力の範囲に触れる事と成る」

はぁ。

「ザーララの持つ魔力自体、それがスルガさくらの魔力へ干渉する事を自ら押し留める事と成る」

はぁ。

「強き力に押し戻されるに近き、否、強き力に行くと成らず働きが起こる。故にザーララの力為れはザーララの内に留まり申す」

はぁ、分からん。

さくらの持つ魔力なりの力が、ザーララさんの力を広げさせない、さくらの魔力の範囲に干渉出来ないって事?

だからあの時、覚醒したさくらにザーララさんは『届かない』って、、、。

「では、ザーララさん弱くなったの?」

「素は変わらぬ。力は衰えぬ。どこへと自由にその力を伸ばせ無く也しのみ」

何か解った様な分からんような。

つまり、そのさくらをオレが抑えれば、、、やっぱゴッド・オブ・ゴッドの名称が!

あ、さくらその目、何?


さくらが紅茶を淹れて、ティーカップを2つ乗せたお盆を持って来た。

「母王ジール様、挨拶が遅れました。私はスルガさくらと申します。ここに居ますスルガトキヒコ、スルガ・リーザリー・エストラルク・ホーリョン・サー・フェアルンの子となります」

さくら、ちょっと母王ジールに警戒心を持っていたようだったけど、、、今日は疲れる。色々と深い所で思わないと、、、。わたしの思いは全部筒抜けだろう。

「我はジール也。スルガさくらよ、誉れの子よ。お主の存在が我を帰還へといざなった。礼を申す」

さくらは母王ジールの礼を受け、ペコリと頭を下げる。

(「この母王、いやらしい。この間お父さんに付けた私の印の近くに、自分の印を付けちゃって。直ぐに取ったけど、、、私と、やり合う気!?」)

何かこの二人が向き合う姿を見ると、私が変に緊張しちゃうのは、何故?

「母王ジール様、こちらの世界での飲み物であり、紅茶と成ります。お口に合えばよろしいのですが」

母王ジールはティーカップに手をのばす。

迷わず口を付ける。

「熱い!」

母王ジールが私を睨む。

「いえ、母王ジール、こういう飲み物なんです」

殺意は感じ無かったけど、鋭い目線、止めて。それで何で私を睨んだの?

「ザーララさんも、如何ですか」

「あははは、、、ん」

テレビを観ていたザーララが振り返る。そしてティーカップに手を伸ばしひと口。

「熱い!」

何だよその、親子揃っての反応は!親子だからか。


リーザはお菓子の乗ったお盆と、私用にコーヒーを持って来てくれた。リーザ自家製のおやつだ。

「母王ジール、畏れ多く。我が菓子と成ります」

今日のリーザのおやつは、マドレーヌだ!実はさっきから焼き上がるいい匂いが漂って来ていたんだよなぁ~


母王ジールが手を伸ばす。

またも迷い無く口にされる。

母王ジールが止まった。

ありゃ、お口に合いませんでしたか。

「リーザリー、私も貰おうぞ」

ザーララさんも迷わすパクリと。

「ああぁーーー!旨い、旨い、何だぁ!旨い!美味しい!」


「リーザリー、もっとだ、もっと有るのか!」

「あ〜〜~!」

母王ジールが叫んだ!?

「これは、この物也は、、、旨い!美味しい!」

母王ジールが笑顔だ!でもまた親子で似た様な反応を、、、親子だからかっ!

「、、、母様が笑われておられる!」

思い出した、母王ジールはエルフ的では無い。感情を調整されて居ない者。

それはエルフの里国の初代王、調整に『失敗した者』とエルフの前者である『ヒトの術者』の間での子だからだ。

ザーララさんと女王ユーカナーサリーから聞いた話しだと、エルフと違い感情表現は豊かだったと、、、どちらかと言うと、女王ユーカナーサリーに近いのでは?

「母王ジール、私の分もどうぞ(リーザには、また焼いてもらう様にお願いしよう)。ここはエルフの里国ではございません。思った様に振る舞われたとしても、咎める気持ちを持つ者は居ませんし、、、」

もともと母王に意見出来る者は、エルフの里国には居なさそうだ。でもここは、エルフの里国では無い。

女王ユーカナーサリーもわが家に来た時は、『個』としてここに居ると、都合良く言うからなぁ。


「あ~、何て、なんて美味しいの。この様な物を口にする機会を得れるとは!スルガトキヒコ、リーザリー、まだ、まだ他にも有り様か?!」

「母王、恐れながら本日は眼前成る数しか整いません。お許し下さい」

リーザは畏まる。

「、、、成るか」

ウチに有るマドレーヌの型で、一度に焼けるのは六個だから。生地が残って無いのかな?

まあ、突然の来客だからなぁ。

母王ジール、残念がってる。なんか可愛い。

さくらが自分の分を母王ジールに回す。

「母王ジール様、こちらで宜しければ、如何でしょう」

「おお!スルガさくら、誉れの子!」


お皿には、あと一つマドレーヌが有る。

リーザは自分の分をザーララさんにお渡ししたので。

母王ジールが手を伸ばす。

「母様、待たれよ」

「何ぞ?」

「母様は既にサー(3つ)食された。ならば、其は私に権が在っても良い」

「ザーララよ、我に意見と成るか、いつしか我と等しき位置成るや、、、しか成るが、譲れぬな」

親子が睨み合う。

あれぇ〜エルフは『分け合う』って、女王ユーカナーサリーは良く仰られるのに、、、あ〜、このエルフ達は自分の事をエルフじゃ無いって言っちゃてるからか?


「母様と私の力は五分に等しき。ならばトキヒコ、来い!」

「グェッ!」

ザーララに強引に引っ張られ、肩から腕を回されると、ネックロックされた。

「母様もお気付きであろう、トキヒコは多くのルイラーを纏う。五分也力の衝突時に、どちらが優位となろうか!」

ザーララにやり、とする。

「ほほぅ、今迄我にまさる事無き存在が、時を経て何ぞをその身に宿したと為るか。良かろう、試すかザーララよ!成長成る証し、しかと見せてみい!」

何か変な、熱の籠った変な空気感が渦巻き出したんだが。

とばっちりだ!巻き込まれる!

と思った時、

それよりも、もっと大きな何かの気配を感じて、振り向く。

母王ジールとザーララさんも、同じタイミングで目線を移す。

「お二人共、外にておやり願います」

さくらの瞳が赤くなってる。

さくら、オレを解放する事も伝えて欲しいんだが。

あ〜




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