エルフ王家の異変 母王の帰還
「母様!」
狂気とも聞こえる、エルフの里国の王、女王ユーカナーサリーの声が響いた!
ザーララの“力”を抑える為に、石となってしまったとされる、エルフ王家の母が階段を降りて来る。
スラリと伸びた手足、凛とした姿、美しく小さな顔。そして見る者が目を逸らせられ無くなってしまう右目が漆黒、左目が燃える様な紅いオッドアイ。ザーララさんと同じだ。
ただ階段を降りて来るだけなのに、優雅さを漂わせ気品を纏い、そして何だろう、王族としての品格と風格を感じる。
そして、何とも言えない、まるで相手を服従させる様な『圧力』が私に掛かる。
階段を降りる母を迎える為、その下に集まったエルフ王家の三人こそ、石になってしまった様にピクリとも動かない。
女王ユーカナーサリーだけは、両目から涙を流し続けている。
しかし、母王の目線が捕らえているのは私であった。
エルフの里国の母王の刺す様な視線を受ける。
咎められてる?、、、何かが、バレてる、、、?
リーザは私の隣で両膝を着き両手を合わせ組み、震えている。
さくらは、、、さくらはシャンと立っているが、両の拳を握り締め、まるで睨み付けるかの様に、エルフ王家の母王を見詰めている。
私は、、、私は、ポカ~んとしてるが、何か行き場が無い様な、ここにいてはいけない気がしている。
エルフ王家の母、母王は一言も声を発する事無く、階段を降りきった。
そのまま歩を進め、『圧』が迫る。
先程までここに居る皆が座り集まっていた、私が立ちすくむテーブル横に来た。
上座とおぼしき場所に一段豪華な椅子が現れる。
その席へ当然の如く、エルフ王家の母王は着席された。
そしてこの場に集まっている者達は、音も立てず、母王に習うかの様に席に着いた。
あれ?いつの間にかエルフ王家の姉弟妹が揃ってる!
私は最後に、椅子をガタガタと音を立てながら席に着いた。
このテーブルの席に着く者達皆が、母王の言葉を待っている。
いや私とさくらは、実はそれほどでも無いかも知れない。
あっ、やべっ、私ごときの思いや思惑は筒抜けだろっ。
ただ、聞きたい事は多い、凄く多いと思う。
「先ずは、、、」
女王ユーカナーサリーが生唾を飲む。
「此度の事、我の帰還と也事であるが、、、」
『ただいまぁ~』じゃ無いのね。
「この者、人間スルガ トキヒコの縁により、スルガ さくらの因と也」
縁だか因だか、、、何?私達親子が何か?
「スルガ トキヒコよ、、、貴公は何者成る」
石から還られた、エルフの里国の王家の母、母王の第一声は、刺す様な視線と共に何故か私に向けられた。
エルフの里国でやらかした、どの事がバレてる?




