サキュバスの夜 トキヒコ、シェンティヒダリィアンウォーシュ(魔力)を得る?
「何よぉ~さぁさぁ続けましょう!もっと、もっと、もっとぉ~!」
もぉ、そんな鯉みたいに、口をパクパクと!
「待った待った、イインジュさんストップ」
「何よぉ~」
「魔術を頂ける事は良いのですが、さっきおっしゃっていた、色々とプロセスと言うか順番が変です」
「順番?手順が変?私の?」
「はい。そもそも私達の出会いと言うべきか、手順を重視するとすると、この状況に至る順番が変です」
文通から始める恋の、途中がすっ飛んでる。
「何で私はココに居るのですか?」
「ん~、良く解らないわぁ。スルガトキヒコはここに居る。それでいいのだけど」
「私はイインジュさんに“狩られて”来ました。ですが、狩りを行う前に、印を付けて、お互いが認識して、理解しあって、、、」
って、言ってたよな。
「私はイインジュさんの事を知らないので、『お互いが』の所に反します。手順を重んじるなら、この状況を知った者から見逃せられませんよ」
「それは、スルガトキヒコが経緯線の繋がり易い眠りの状況に誘っても、寝てくれないからよっ」
あーそれ、逆効果。日中のうとうとの反動で、夜は爆睡の日もあったからなぁ。
「ですが、手順がイインジュさんの言われていた流れに乗ってません」
「手順が違う、、、他の者が知れば、、、」
そう、イインジュ・ブュヤ・ギュオワンが言っていた出会い(?)の順番を踏んでいない。
「それは私を思っての事ねっ!」
あ~、取りあえずこの状況を逃れる言い訳なんだけど。
「それと、ユーカ、、、(おっと危ない)、女王様、立ち聞きや覗きはいい趣味とは言えませんよ」
さっき私が得た痛みの感覚。エルフの里国の王、女王ユーカナーサリーが、わがの家に到着した時に得る、独特な感覚。
それと同じ感覚が有った。
「おう、トキヒコ殿。野性の勘成るか」
エルフの里国の王、女性ユーカナーサリーがその姿を現す。
「エ、エルフ里国王!どうしてこの場に!どうやって!」
やっぱ女王様、お知り合い?
「お主と一緒じゃ。結界と隠し。幻想、支配、消しのオマケ付きじゃがの」
魔法合戦!
「しかし、良きモノを見た。トキヒコ殿へは力ずくが有効成るか」
いやいや、女王様に力ずくで来られたら、窒息死したまま、床まで抜けるでしょう。
「じゃがの、イインジュ・ブュヤ・ギュオワンよ、トキヒコ殿はダメじゃ」
「何を言うか!私とやり合うとの申し入れで良いのだな!」
「順番じゃ」
「順番?がどうした」
「トキヒコ殿は今、リーザリー・エストラルク・ホーリョン・サー・フェアルンと沿いておる。知っておろう」
「ああ、女エルフだ」
「そう、そしてその女エルフの次なるトキヒコ殿の伴侶はの、我と決まっておる。此は大宇宙の摂理成るぞ!」
あちゃ~、大宇宙の摂理って何だ?
「スルガトキヒコ、誠の事か!」
あー、ちょっと利用しよう。
「え~、まぁ流れというか、ここ何年かはそう言う事みたいです」
「トキヒコ殿、何度も申すが決定事項じゃ」
「順番、、、エルフ里国王の次、、、順番、、、」
ヘイイアンデユンズィギュオ国とイインジュ・ブュヤ・ギュオワンは、手順や順序を重視する傾向に縛られてる様だからな。何かイインジュがショボ暮れてる。
「、、、順序、、、では、、、では、スルガトキヒコとの出会いは運命!運命也他の事が及び着かぬ!」
何かスッゲー後付け感が。
「イインジュ・ブュヤ・ギュオワンよ、運命とは有って無き物と等しい。お主も存じて居ろうぞ」
あっ、魔術王、、、いやいやツンデレちゃん、イインジュ・ブュヤ・ギュオワンが泣きそう?
「スルガトキヒコは私が狩った。だから私の物、、、それに運命なのよ、、、」
「どうしてよー!何よー!何よ何よ何よぉー、わあぁぁぁぁ~ん」
あーあ、魔術王、泣き出しちゃった。
もう、女性の涙の前では、オロオロするしか無いよ。
女王様、勝ち誇ってる?
「さてトキヒコ殿、戻るとするかの。リーザもさくらも貴殿の戻りを待って居るぞ」
「はい」
そう、私にはリーザが待ってくれている。
でも、、、
「イインジュさん、私はあなたのお陰で大変に貴重な体験、エルフの里国の外、隣国へと来る事が出来ました。ありがとうございます」
まあ、状況的にはひと悶着だけどね。
「スルガトキヒコ、私達の出会いは運命なのよ、だから、、、」
「イインジュさん、また別の機会にご訪問したいです。ですが、私の身分や力ではシャンチィには昇れません。下の地区止まりです。ですから次の機会には下の地区に入ります事をお許し下さい」
この国の王様だからな。一応お断りを入れておいた。
「私は、、、私は下界には降りない。降りれないの。スルガトキヒコには、シャンチィへと昇る魔力を口移しにて授けたわ。それで昇って来て」
おー、シェンティヒダリィアンウォーシュ(魔力)を得て、モォファシュ(魔術)を使えるのか!魔法使いになったのか!やったー!
「トキヒコ殿には災難とも取れる事象に多く見舞われるの。その上に女を泣かす。何故じゃ」
「う~ん、運命ですかねぇ」
「やも知れぬな」
いえさっき運命って、有って無いモノって言ってませんでした?
「でも魔術だか魔力を頂けました」
魔法使いに一歩前進!
「トキヒコ殿が得た魔力は少量成るがな、なおこの場、ヘイイアンデユンズィギュオ国内での限定じゃな」
「この国限定?」
「うむ、此度得たとの力、イインジュ・ブュヤ・ギュオワンの影響下でならずと効力を発揮せぬ。またの、元々魔術回路を持たぬ身で魔力を纏てみよ、トキヒコ殿が千切れ飛んでしまうわ」
えっそうなの!
「イインジュ・ブュヤ・ギュオワンも言ったであろう。魔力を得る為、強める為に鍛練と修練を繰り返すとな」
「はい」
「トキヒコ殿、200の歳月近くを鍛練と修練に掛けられるか」
200年!
「無理です」
死んでます。
私は女王ユーカナーサリーによって、私の世界へ『繋ぎ』帰った。
「痛ってぇ~!」
不思議なサキュバス?ツンデレちゃん、ヘイイアンデユンズィギュオ国の王、魔術王でもあるイインジュ・ブュヤ・ギュオワンが私に付けたという結び、糸は外された。
「トキヒコさん、ご無事で」
リーザが笑顔で迎えてくれる。
「うん、女王様が来て下さったから」
「ですが何やら、ご婦人の香を感じます。移り香でしょうか」
リーザ、そんなに鼻をヒクヒクさせて。匂いの技?術?
あ〜、リーザっていつから妬きもち焼きになったの?
でも、エルフが一夫多妻制だって、驚愕の事実!、、、いや、エルフ当人では無く、他の国の者が言った事だからなぁ〜真意はどうだろう。もしも間違っていたら、リーザに殺されそうだから。
「でもですね、こうしてご無事に戻られまして、何よりです!」
リーザに抱きつかれる。
飛び付かれたので、ちょっと後ろに一緒に吹っ飛ぶが。
あー、でもやはり私には、リーザが一番だな。
「お父さん、お帰りなさい」
さくらが私の背中に回り込む。
「さくらどうした、ハサミなんで持って?」
「うん、お父さんが赤いヒモをぶら下げていたから、切ってあげようと思って」
えっ!さくら見えてたの?!
「あれ~、取れちゃったみたい」
ええ~!?
「トキヒコ殿、此度のヘイイアンデユンズィギュオ国への訪問にて、繋がりの因と縁とを得た。何やらこの後結びは増えるやもな」
そんな、面白そうに言わないで下さい。
「『縁』ですか」
「トキヒコ殿、『縁』とは重要ぞ。『縁』は者と者とを繋ぐ事象。人間、エルフ、魔術者成れど自在とする事は不可能也」
「運命や宿命は後からでも付けるモノじゃ。しかしの『縁』は異である。定められるモノでも有るが、求め様にも求め手にする事は必ずしも叶わぬ」
『縁』は自由に希望しても、手に出来るとは限らない?
「トキヒコ殿の国、日本国には1億2千程の民が暮らしておる。しかし実際に直接触れる者は如何程じゃ。よしんば全ての民と会おう思い各人に訪問してみよ、幾度訪れても必ず会えぬ者が出る、数多く現れる。何故じゃ」
「うーん、相手の都合やタイミング、色々有りそうですね」
「それが『縁』じゃ。自身の行動如何としても、魔力を行使しても叶わぬ。しかし『縁』が繫ればいとも容易く叶う」
魔力でも『縁』は結べ無い。
そうなると、イインジュ・ブュヤ・ギュオワンとの出会いも『縁』の一環なのかな。でも、『縁』が有ったからこそ、こうして私はリーザに出会い、さくらを授かった。
女王様とも縁あって結ばれた?
「じゃがの安心せい。望む望まぬは別として、ヘイイアンデユンズィギュオ国からの新たな結びは、さくらが切ってくれるわい」
さくら、何故見える!?




