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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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リーザの進んだ道

「リーザってさあ、どうして女王様の元で仕えるようになったの?」

エルフは自身の進む道を自身で選ぶ。それは自由に。

私達の社会でも、将来については基本、自由に選べる。夢や目標を掲げて!

だけど、どこかで社会の組織や構成の中での制約があったり、継承とか、適した能力とか才能とか、、、その自由度が制限もされている様な気がする。貨幣社会の中で、自分が好き勝手な事をやっても食って行けないのが現実。

妥協?諦め?大人になって就職して、賃金を稼いで、、、モヤモヤして無い人が大半なのかなぁ〜。

私はモヤモヤしてるけど。

リーザはいつから女王様に仕えるようになったの?自由な選択としては、かなり特殊な位置に有ると思う。

自分が王様になる事を選び求めるエルフも居るかも知れないし。

リーザとユーカナーサリー、2人のエルフのなり染めって、どんなんだろう?


「それは、私について少しお話しさせて下さい」

そう言えば、リーザの過去って詳しくは、聞いた事が無かった。

「私はホーリョンの里の娘『ホーリョンの狩りの刃』の子です」

知ってる。『ホーリョンの狩りの刃』はお義父さん。


「『ホーリョンの狩りの刃』は狩りを行う者。その者に狩りの手順を学びました。しかし若気の至りですね、教えも不十分なまま、単独行動を好み、ある日ホーリョンの狩りの刃の元を飛び出しました。

私は狩が好きでした。

狩る者と獲物。不謹慎ではありますが、ゲーム感覚を持ちました。

相手に対して優位に立つべきは?相手を発見する方法、追い詰める手順や策、相手の特性、生態、狩場の地形や環境、、、学ぶ事も多く、肉体の鍛錬も求められました。

私の学びと修練状況は順調であったと思われます。順調過ぎたのでしょう。

アロガンツィア、、、おごりを持ちました。もう、一人でやれるとの思い上がりです。

それは私が若輩者の時、、、そうですね、さくらの今と同じぐらい、人間で言います所の16、17歳の頃に狩り場にて大きなミスを犯しました。

単独にて狩旅中に大鹿であるツェクラクソンレニフェを狩り損ないました。手負いとなった獣達の群よりの逆襲とでも言いましょうか、正面からの反撃を受けました。

それは大きな壁の如く私に迫り、彼らの持つ角にて私は体の多くを貫かれ、それは、死に至る様でした」

リーザ死に掛かった!?

「本来ならば死に行く者。しかし私は、ある者により救われました」

死にそうなリーザを救った者?

「その時の私の意識も薄く、はっきりと目視もままならない状態であったと思われます」

「その者は同房であるエルフには間違い有りません。ですが何者であったのかが定かでは有りません」

「その者は治癒の『術』を使い、また別の力で傷口を塞ぎ、自らの血すら分け与えて下さりました」


「意識を取り戻した時には、その姿はございませんでした。しかし出会ったのであれば、分かるでしょう。特別な繋がりの感覚を得ました」

「私は療養を続け『ホーリンの狩りの刃』の元へと戻り、改めて狩りの修行を執り行いました」

リーザが死にそうな事があったなんて、、、驚き!

「ですがその後にですね、私は『越える』事が出来る様になりました。

元々は狩り場にて、危険を回避する為に得た力と思っておりましたが、その力は特別な位置にある『術』で有り、魔力を用いる高位の術である事は後に知りました」


「私は『ホーリョンの狩りの刃』より独立した後、西門に出向き、戦士と呼ばれる者に成るべき道を選びました。

実はあの時の恩を得ましたエルフ探しの一環と考え、戦士成る立場となれれば、我が里国を大きく周る事が可能と考えた末でした。

エルフとして、個人の都合で道を決めた事に、後ろめたさは少なからず有ります。ですからトキヒコさん、ナイショですよ」

あー、うん。

「しかし、戦士と呼ばれる者には程遠く、鍛錬の日々は続きました。そこで王宮より訪問頂きました我が王ユーカナーサリーに見初められ、王の元へと就きました。

我が王は、私の持つ力に早くからお気付きになり、導いて下さりました。

私の持つ力が他のエルフより少しだけ強いのは、我が王のお導きによる賜物です。

その後、我が王と過ごす時間が永きに渡り、王よりの親しみを頂いたと思われます。

我が王には大変に良きにして頂きました。それは今も変わりません」

王様は孤独だと、何かの本で読んだ事が有る。

それは、エルフであっても同じなのかも知れない。

リーザはエルフの里国の王、女王ユーカナーサリーの孤独感を和らげて来たのかもな。

でもリーザ、私と結婚して、こちらの世界に暮らすようになったので女王様は今、孤独なのかもな。だから、怒ってるかも?


「そして王の元に就き、里国の巡回の任を得ました。これは恩を得たエルフを探す事を行う事に繋がりましたが、今日まで出会えてません」

「願ったり叶ったりだったんだ」

「はい。しかし、任は任です。道を逸らす訳には行きません。エルフ探しと言えども、優先順位を異としては成りません」

やっぱエルフは真面目だ。リーザも堅いなぁ〜

「じゃあさリーザ、今からでも恩人探しを再開しなくちゃ(恩エルフか)」

「いえトキヒコさん、今はトキヒコさんと居られる事、何らかの形にせよ、こうして暮らしを過ごす事が、あの者から生を残して貰った、私のご恩返しであると考えられるようになりました。当人に会い恩を伝える事が必ずしも恩返しと成らざる限りと学びました。トキヒコさんのせいですよ」


「でも、多分何時か出会えるね、その恩人エルフに。私も会いたい、会ってお礼を言いたい。リーザを救ってくれたから、今の私の生活が有ると」

「はい」

「ちなみに、リーザを救ったエルフって、何か特徴とか有るの?男エルフなの女エルフなの?」

「特徴と言いますか、私の持つ感覚ですね。ただ、予測の範疇になりますが、女エルフで間違い無きと思います」

どんなエルフがリーザを救ってくれたのだろう。会ってみたいなぁ。





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