珍客 シャドーピープル?影太郎
『影太郎』
トキヒコによって名を与えられた正体不明の者。
シャドウマン?シャドウピープル?幽霊?意志を持つ陽炎?
いずれにせよ、その姿をフルフルと揺らし、喜びの表現をし出した。
「おいおい影太郎、その不気味なダンスを止めてくれ」
なんか気持ち悪い。
リーザが私に向かい、『しー』のポーズをした。
あっ、さくらが寝ているんだった。
「嬉しさぁ、嬉しさぁなんですよぉ!喜びっぃぃ喜びぃなんですよぉぉ~!」
私はシャドーピープル?影太郎に『しー』のポーズをした。
「ありがとうぅぅございますぅぅぅ!ありがとうぅぅございますぅぅぅ!」
フルフルと揺れ続いていて、見てない、聞いてないな。
そもそも、目はどこだ?
「存在感ですかぁ~が上がりましたぁぁ!私ぃ、濃くぅなってませんん?」
なって無いよ!
「ウワーン!」
さくらが泣いた!
私とリーザは慌ててベビーベットに向かう。
リーザがさくらを抱き上げ少し経つと、リーザの腕の中でまたスヤスヤとさくらは寝出した。
あー残念!寝直しちゃったので、抱っこ出来なかった。
でも、実はここからが大変で、抱っこして寝たと思った子を布団にそ~っと降ろし、腕を抜いた途端、起きて泣く!
乳幼児の子育てのあるあるだ!
乳幼児は親の心音に心地よさを感じると云われるからな。
だけどリーザは見事に、さくらを着地させた。思わずリーザの頭を撫ぜ撫ぜしちゃった。
しばらく寝直したさくらを二人揃って眺め、観察してからキッチンに戻ると、影太郎の姿は消えていた。
「影太郎?」
返事は無い。
リーザに夜目と『術』を使ってもらったが、我々以外の何者かが、私たちのアパートの部屋内には感じられ無いと。
影太郎は『存在』していた。だからリーザの観測で引っ掛からないのであれば、私達が住むこのアパートの部屋の外へ出て、何処かに行ったのだろう。
リーザはエルフの里国で見られた『漂う黒き者』は、一定の場所に留まらないと言っていたが、影太郎も同じなのかな。
次の場所なり、何処へ行ったのだろう。
しかし、何で『影太郎』は私に惹かれたのだろう?
以前、私が持つ(リーザ曰く)生命の色が、『ズーと暗くなった』と言われた事があったけど(風の民のクーリャ・ククール・なんとかに)関係あるのかなぁ。『暗さ=影』で引っ張られた?
まあいいや。
影太郎はこの後、どこに行くのだろう。
いつまで、この世界にいるのだろう。
また会う日が来るのだろうか。
もしも、また何処かで会う事があったのなら、今度は少し、驚いた素振りでもしてやろっかな。




