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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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珍客 影の身の上話し

 「それで、影、、、って取りあえず呼ぶけど、いつから居て、どこから来たの?どこで生まれたの?名前は?」

 影は口に当たる辺りを開け閉めして、話し出した。

 「わたしぃは~名ぁ前えぇ、持ちまぁせんん〜今ぁ、振り返りますとぉ、、、2ィィ00年ぐらぁい、、、たぶんん、そぉれぐらいにですねぇ、『ここにぃ来たぁ』とぉ思いますぅ。

 どこからぁ来たのかぁ、どうしてぇ生まぁれたのぉかは、分かりぃません」

 「そんなに長く?歴史を見て来たの?」

 「いえぃぇ、始めわぁ何も考えらぁれぇずぅにぃ、ただぁ『そこぉにいた』としぃてたぁ、長いぃ時間がぁあった、とぉ思われますのでぇ、正ぇ確ぅにぃは分かりまぁせんん~」

 不思議とこの『影』が話す言葉が耳に入る。いや正確には聞き取っているのか何かが伝わって来てるのか。変な言い方だけど。でもハッキリと理解出来る。

 「いつのぉ日からかぁ、周囲ぃの音、雑ぅ音ぉ~、騒ぉぉ音んそしてぇ人ぉ々ぉの声ぇ、会話がぁ聞こえるよぉうにぃなり~少しぉづぅつぅ言葉を覚えぇたのでしょぅぅ~

 その内にぃ内ぁ容ぅもぉ分かりぃましたのでしょぅ。そしてぇ何かをぉ考えられるぅ部分が出来たぁ、ようですぅぅ~

 そうぅしてぇ考えましたぁ『自ぃ分んはぁ何者ぉ』か、とぉ」


 影の独白は続いた。

 「何ん度もぉ~同類のぉ者を見ましたぁ。

 声もぉ掛けましたぁ。

 でもぉ~初めのぉの私よぉうにぃ、何もぉ持たないのぉか、通ぅじぃないんですぅ。

 お互いにぃ認識はしぃたとぉ思うぅのでぇすが~感心をぉ持ぉってもらえませぇん。そしてぇ何時も~いつのぉ間にかぁ~その相手ぇはぁ消えてぇしまうぅぅ。

 消滅ぅしたのぉか~、別のぉ何処かにぃ移動ぉしたのかは~分かぁりませぇんん。

 私もぉいつなんんどきぃ~消えるのかぁ何処かへ飛ぉんでぇしまうのかぁ解りません~。

 私はぁぃい今はぁ~少しぃ考ぁえる~モノぉぉを思うぅ事~を行ぁえるぅみたいです~、元々はたぁだぁ漂ううぅ~だけぇ、存在ぃしているのかぁ理由を見ぃ出ぇだせ~ませんんん。

 またぁ、太陽のぉ光のぉ下だとぉ晴れやぁ曇りにぃ関係なく~光がぁ強過ぎぃて~わたぁしのぉ体はぁ消えてしまいぃまぁす~。消えぇるというかぁ透けてぇしまって~見ぃえなぁくなるぅようでぇす」

 影は変な癖の有る話し方だが、すごく分かり易い言葉で話してくれた。でもやっぱ、耳から声が入って来てるのか、正直分からない。

 リーザも黙って影の独白を聞いていた、


 「こんんなぁ私を~お二人ぃは怖く無いのぉですか?不気味ぃにぃ思いぃまぁせん~?」

 あ~普通に受け入れちゃってるな。

 「まあ確かに、私達の人間社会において、あなたは結構不気味な存在だと思うよ。何者だか解らない幽霊やUMA(未確認生物)の類いだもんな」

 「でぇしたらぁ何故ぇにぃぃ?」

 「私はエルフを妻に持つから、、、エルフって、厳密に言うと生物学上の人間とは違う生命体と思うから」

 リーザは自分が『人間とは違う』と言われても、気を悪くする事は無かった。

 それはトキヒコがそんな自分を認め、エルフと人間との間に線を引いていない事を理解しているし、エルフと人間に違いが有ると一番悩んでいるのがトキヒコ自身だと知っているからだ。

 「でもさ、何で私に声を掛けたの?」

 人と話した事が無かったと言っていたしなぁ

 「実ぅぅは少し前ぇ、数ぅ日前にぃあなた様ぁをお見掛けぇした時にぃ何か気にぃなったんでぇすぅよぉ~何かをぉ。惹かれたぁとでも言いぃましょうかぁ~」

 何で?何が?何に?

 「ここぉ数日ぅ、あなたぁを追っかぁけてぇ~みました。つけてぇました」

 ストーカーかよ。

 「で、実際に私とこう話しをしてみて、何か感じる事はある?」

 影は何やら考えているような仕草に見えた。

 「実はでぇすねぇ~今ぁ特にコレェと言ったぁ事はございませぇん。ですがぁコレがぁ会話ぁなんですねぇ~こうしてぇ人ぉと接ぇする事でぇ~自分とぉいう存在がぁ今ここに有るとぉ思えて来ぃましたぁ~」

 リーザが口を開いた。

 「『意識』を持つ者は『存在する』と考えて良いと思います」

 影が揺れた。


 「影、、、なんか言いずらいというか、変だな。名前を付けよう。う~ん何がいいかな?」

 突拍子も無く、、、でも何か呼び名でもあった方がいいと思った。『未確認生物さん』って呼べないし。

 「リーザ、何かいい案有る?」

 「申し訳ございません、私は特に。名を与える、授かる事は自身にとっても相手にとっても大変に重要な事となります」

 へぇ~、私が考え過ぎ?いやいや『さくら』と名付ける時は相当悩んだわ。

 「そう言えばリーザは誰が名付け親なの?」

 聞いた事が無かった。

 「私達エルフは、先祖代々の名を継承していきます。私の名も受け継がれて来たものと成ります。リーザリーは私だけの名前になります。でも詳しくは、申し訳ございませんがトキヒコさんだけにお伝えしたいので、この場ではここまでにして下さい」

 名前が持つ重要性は、余り考えた事は無かったからな。名前が大事だと思う考えは私も一緒だと思うが、だけど重要性の度合いの感覚は相当に違いが有るんだな。

 「あ、リーザなんかごめんね。配慮と言うか細かく考えて無かった」

 「トキヒコさんにはしっかりと聞いて頂きたいです。みっちりと」

 みっちりが意味する所が分からないのだが。

 「影、さん?希望は?」

 「いえぇ、考えた事すらぁありませんんでしたぁ~」

 うーん、何がいいかな?自分が言い出しっぺのくせに、私はこの場で余り重要視する気ないぞ。

 「男女の性別は関係無く(自分で言い出しておいて失礼ながら、、、やっぱ何か面倒くさい)、、、。『影太郎』!で、どうだろう?」

 ブルブルブルブル、、、

 影が震え出した。

 「なにぃかぁ、何かでぇすねぇ、実感が、存在ぃ感ですかぁ~が上がったぁ感じぃぃですぅ!」

 影はブルブルと震えている。

 気持ち悪いなぁ。

 「何でぇぇしょうぅぅ~何かぁ感情ぅぅがぁ湧きぃぃ上ぁぁぁがって来まぁすぅぅぅ!」

 「嬉しぃさぁ、嬉ぇしさぁです!こぉれが嬉しいぃぃぃ、喜びっぃぃぃて事なんでぅすねぇぇぇ~!」

 「そんな大げさな」

 「ありぃがとうぅぅございますぅぅぅ!今日ぅ、今ぁから私はぁぁ影太郎ぅですぅぅぅ!」

 フルフルと影は揺れ出した。




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