エルフのお風呂作り イメージ、イメージ
大体のイメージは固まった。
大きな湯船、薬草風呂、そしてサウナと水風呂。
泡風呂は今回パスしておこう。あれもこれもになったら、私がまとめられない。
これらを男女別々に作る。大掛かりになりそうだけど、大丈夫かなぁ。
イラストに起こして、イメージをまとめる。
女王様はイメージっておっしゃられたけど、上手く伝えられるのか心配。
「そういえば、リーザが絵を描いた所を見た事が無い。リーザが見て感じた内容を、この私の(拙い)お風呂のイメージイラストに描き足してもらえないかなぁ」
「はい、やってみます」
おお、サラサラ、スッスッと、、、何かスゲーぞ。
さくらもお風呂のお絵かき中。
「あ、そう言えば私達はサウナに入らなかったので、見てもないや。リーザ、サウナ室の外観と中身をざっとでいいので描いてみて」
うおっ、サラサラと立体的に!
「リーザ、絵が上手い!」
「これは数学的な視点でもって、遠近法と投影図を用いてみました。ですので、絵と言うよりは図形になってしまってますね。見た目程は難しい事はしてませんよ。でもですね、『絵』となりますと、気持ちや感情を込めるモノですから、難しいですね」
感情の表現はエルフは苦手だからかな。
こんな絵を見せられて、難しい事してないって、言われてもなぁ。リーザ天才か!あれ?こんなディティールが。もしかして、、、。
私は近くにあった雑誌を手に取り、適当にページを開いた。
「リーザ、ちょっとこれ見て、覚えて」
私は広げた雑誌を5秒程リーザに向けた。
「ではリーザ、何ページだった?」
果たしてリーザは何と答える。
「はい、ページの記載はございませんでした」
「では、私の指は何本見えていた?」
「3本ですね」
適当に広げた雑誌にページの記載は無かった。
私は広げたページを押さえる為にあえて親指と小指を隠すように3本の指で押さえていた。
普通広げられた雑誌のページを覚えろと言われたら、誌面の記事内容に注視すると思う。
「リーザ、もしかして、見た事を画像で記憶する事が出来るの?」
「はい、場合によりますが。全体というより部分を覚えるべき時には自然とそうなる事がございます」
何かスゲー、やっぱ天才!
「リーザ凄い!天才!」
「そうでしょうか」
自分は意識せず、自然の行いだから、特に何も思ったりしないのかな。
でも、リーザが持つ才能の一端を知れたようで、何か嬉しい。
「うん、リーザ凄い事だよ」
こうして、エルフの里国に作られるであろう、お風呂のイメージが固まって来た。これじゃあ、まるで銭湯だな。
建設スペースの事は、正直余り考えていない。でも、浴槽に関しては1つ、大きな薬草の湯船にしようと思う。それと広いサウナ室に水風呂。
ひとつの入り口から入って、男湯と女湯を番台相当で挟んで左右に別れる。どうしても銭湯のイメージが抜けれないが、こうしたいと漠然と思った。日本的でいいのだ。
「リーザ、エルフのお風呂で使われる、木材の材料って、特別な物?」
「詳しくは存じませんが、別段特別な物とは思いませんが」
「うん。じゃあさ、石を平らに切り出す事。大きなタイルみたいな物も作れそう?」
「はい、石工相当の仕事が出来る者は居ます。住居用の基礎壁や土間を石にて作る事も有りますので」
ああ、女王様のいらっしゃる王宮も、石造りの部分が多いか。
よし。
私は大きな湯船の展開図的なマンガを描いた。
リーザにエルフ語で材料と組み立ての構造等を書き込んでもらう。読めない。
「こう、湯船は石組みで上の辺りは木組みになってて、、、」
リーザが微笑んでいる。
「ん?リーザどうしたの」
「はい、トキヒコさん凄く楽しそうです。私もスゴく楽しいです。私も次の機会が有りましたら、何かを建設する者に携わりたくなりました」
想像と創造。そりゃあ楽しい!色々と悩まず、その上予算を考えなくていいから。
「人間社会だとさ、建築費用の調達から始まって、建築基準法とか建物、建設工事の申請とか資格とか規則とか。お店を出すにも許可申請とか書類だけで、もう大変だから」
実際、申請などの手続書類を代行する事を生業としている会社も有る程だし。
「だけど今回は自由に勝手に考えていいから。でも、エルフの里国で、このお風呂に入ったエルフ達皆に喜んで貰いたい」
今回はエルフの里国の王にイメージを伝えれば、後は女王様がお決めになって、現場が進むだろうから気が楽だ。だから余計に楽しい。無償だけどね。無償だからこそ、楽しいんだ。
お湯の流れや、サウナの仕組みも描き上げた。
足りない所や辻つまが合わない所は、エルフ達が解決するだろう。
エルフ、頭いいからな。逆にこんなのおかしい、無理な事を言ってると、叱られちゃうかも。
さくらの描くお風呂の絵も描けた。
「さくら、絵の天才だな!(親バカ)よし、この絵をエルフ達の銭湯の脱衣場かどこかに飾ろう!」
さくらは、にまぁ~と見上げて来る。
「あ、さくら、もう一枚描いて。今度は女湯用かな」




