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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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海に行きたいエルフの王様 海の家へ

二人のエルフと半分のエルフ、3人の海での泳ぎは続いている。

右から左、ちょっと泳ぎの移動速度が速かったり、潜り出すとなかなか海面から顔を出さなかったり、3人の行動を凝視し観察している人が居たら、ちょっと違和感を感じてしまうかも。

でも、さくらは純然たる『エルフ』では無いのになぁ。

それと彼女エルフらは、疲れ知らずも合わせ持つ。

その上、こういった他人や周囲に影響を及ぼし無さそうな時は、思い切り行動する。

生真面目なエルフの側面でも有るが、手加減が苦手の面でも有るのだか。

まあ、私はそれを見ているだけで満足だ。


あ、上がって来た。

「リーザがの、休憩せよと申す。我はまだまだ泳げるぞ」

「ユーカナーサリー、泳ぎは「術」を使いました?」

「『術』は禁止とトキヒコ殿が申したでは無いか。先程貴公が申した顔回りと呼吸に関する事以外は用いておらぬぞ」

あの泳ぎは素の肉体的な運動能力かぁ。流石王様、エルフの体力と身体能力は計り知れないなぁ。

「ユーカナーサリー、泳ぐ事が為りました。感想はございますか?」

「うむ、良き事ぞ。リーザと競い泳ぎをしても良かろう。海成る者、なかなかに、なかなかに良いぞ」

あー、さっきまで海を少し恐れて海に入る事を躊躇されたりしてたのに。別に泳げなくてもどうとか言ってたんだけどなぁ。

「ユーカナーサリー、競泳はここでは禁止です」

「何故じゃ?」

「二人が競泳なんかしたら、あの島まで泳いで行っちゃうでしょ?」

私は沖に見える島を指差した。

「おお、リーザよ、ちと向かうか。思いもせなんだ」

「潮の流れが強く複雑に変わるので、あのブイより向こうは遊泳禁止です。ブイを越えて泳ぐと警備隊とか救助隊とかが出動する場合になったら大事おおごとですよ!海難救助は捜索費用は掛かりませんが迷惑を掛けますし、反則金が発生するかも、、、いずれにせよ禁止です。お止め下さい」

やっぱ競泳禁止だ。


「それより皆さん、お腹は減りましたか?」

3人共泳ぎ放しで昼時間は過ぎている。

さくらはお腹が減ってるかもな。

「海の家へと向かい、何か食べましょう」

「おお!あの小屋の食成るか!向かおうぞ!」

あ~、さくらより女王様の反応が早い!

「ユーカナーサリー、イカ焼きをお奨めいたします。我らの里には海が有りません。海の幸を食す良い機会となります」

リーザ、イカ焼きに思い入れが、、、そうか、イカは海の生き物。海の無いエルフの里国には居ない種類、、、いやいや、海があっても無くても、生態系と言うか暮らす生物はそれぞれの差異が大きく有るんだろうけど。


海の家『Sea Side Wind』

私達が着替え、日除けの貸し出しを申し込んだ、海の家。

海の家としては大きめで、木造の掘っ建て小屋なんだが、外壁は白いペンキが塗られていてシャレた名前が付いている。

昼時間を過ぎたタイミングだったので、上手い具合に空席がそこそこに有る。

「先に手と目を洗って来て下さい」

足に付いた砂も払い落として。

「うおぉぉ~目が!」

女王様、水道強く出し過ぎ!


4人揃って席に着いた所で、売店の窓口に向かう。

「あ、女王様の食事の多さと言うか、どれぐらいの食事量なの?リーザと同じぐらい?」

「そうですね、ユーカナーサリーは私より少なき事と存じます」

多分然程変わらないな。

「適当に注文して来ますので」


「こんにちは、食べ物まだ出来ます?」

「はい、どーぞ」

「え~では、焼きそばが5つとカレーが3つ、ラーメンも3つ、たこ焼きが4つ。イカ焼きが五個、ピザは二枚下さい」

まあ、こんなもんだろう。財布の中身が悲しくなるな。

「出来た順番にお願いします」

「それと先にソフトクリームを3つ下さい」

定員さんが、少し戸惑っている。

「ユーカナーサリー、食事が出来ますまで、少し時間が掛かります事をお許し下さい。でも、食事が出来るのを待ちながら先ににコレを食べましょう」

私はソフトクリームを差し出した。

「トキヒコ殿、何ぞ?」

「コレはソフトクリーム。アイスクリームと同等の物です」

女王ユーカナーサリーの目が、顔が輝く。

リーザとさくらにもソフトクリームを渡す。

「デザートを先に食べてはいけない決まりは有りませんので」

わぁ、3人共いい顔するなぁ~


「実はな、トキヒコ殿」

「はい」

「我はな、我は今日、何事に対しても新鮮で不思議な感覚を持っておる」

「新鮮で不思議、ですか」

「これはな、文化的な違いを体験しているとは異なる。土地じゃな、異なる土地への訪問に対し新たな感覚を得るに至った」

他の土地(エルフの里国の外)への訪問、旅行は行わないのかな。

「それは、良い事なんですか?」

「大いに良い。トキヒコ殿に感謝じゃ」

「いえ、ユーカナーサリーが海へとお誘い頂きました事が、さくらを海へと連れてくる事に繋がりました。礼のつもりが礼を返された気分ですよ」

実際に結果として、そうなった。


程なくして、注文品の第一陣が届いた。

「おう、この香!この場に来た時に嗅いだ香ぞ」

「ユーカナーサリー、焼きそばです」

「うむ、麺類じゃな、この細く長く、興味深い」

女王様、焼きそばをチュルチュルっと。

「良いな!この甘辛い味、刺激的な粉、そしてこの香!良い!」

焼きそばのお値段に対して比較にならない賛辞が。

「トキヒコ殿、個は何ぞ?」

「カレーライスです」

まあ、甘口カレーです。

「これは、食の進む刺激が適度に含まれておる!」

私も一口パクっ。これならさくらも問題無く食べれそう。

あれ?ユーカナーサリー、発汗が!

「刺激的じゃ~良いぞ」

レトルトカレーのレベルでこの反応!

ラーメンも届いた。

「此度の物は拉麺じゃな。これを我は望んでおった!」

「はい、ラーメンです。熱いので、お気を付け下さい」

リーザに食べ方のレクチャーを受ける。

フーフーしてズルズルっと。

「コレも良いのぉ!」

「あ、ユーカナーサリー、お箸を上手に使われてますね」

「おお、我が里国でも箸は発生しておるぞ。なれど我も試したのじゃ」

あ、それオレだ。リーザが向こうで作ってくれたお箸だ。

たこ焼きも来た。

リーザがお待ちかねのイカ焼きも届いた。

イカ焼きをさくらにも食べさせようとお箸で小さく切っていたら、ユーカナーサリーの『術』で、スパスパスパッと切ってもらった。反則なんだけど。

ピザが二枚届いて、注文分は出揃ったが、エルフの食欲と食べる量!エルフを二人も囲ったとしたら、生活費、食事代って考えると怖い。

猛獣を飼ってる人ってエサ代1ヶ月どんだけ掛かってるんだろう?

そんな想像をしてしまった。




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