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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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ジゴクからの招待

「トキヒコさん、『天国と地獄』と言われる物は存在するモノなのでしょうか?」

おやリーザ?何か仕入れた?

「え〜何で?」

「ええ、実生活におきまして『天国と地獄』は頻繁に見聞きする機会が多く思われます」


『天国』って、そこで暮らす者(神様か?どうやって行く?)にとって理想的な世界と言われる所。

でも、宗教によってその捉え方や解釈、表現方法も要素も意味も違う。何だ?天国?

神や天使などが住まう場所、領域。天上界。極楽浄土。(何かの宗教を信仰する)信者の魂が永久の祝福を受ける場所。

表現方法や言い方も多いので、鵜呑みに出来ない。逆に信じられないかも。

神様の世界が複数あって、それぞれがひとつの地球の人間に語り掛けて来るのか?

あ、だから宗教戦争があったの?神様達あいつらは人間に代理戦争をやらせているのか。

『神に救われた』って言う人、多いかも知れないが、オレ的には『神(宗教)によって殺された人』の方が多いと思う。誰か集計してくれないかなぁ~。でも死者は声を上げれない。

まあ天国が、暖かくて、旨いもんを食わしてくれるなら、行ってもいいけど。


では『地獄』は?

生前において悪い行いをした者が、死後に魂なのか?が地獄に送られて罰を受ける場所。

悪い事をやったっていう、悪さのレベルは分からないけど、細かい事を言われたら、、、見に覚えが有る内容が多いんだろうなぁ。

厳しい責めや苦しい責めを受けるとされるが、死んでからもそんなのは嫌だなぁ。

閻魔大王が居て、罪に対する罰の審判をしたり、鬼や悪魔が居たり、、、。

まあ、行きたくは無い場所だけど、これも宗教によって解釈や表現が違っていて、同じ宗教であっても違った表現をしたり、、、。

ただ『天国』と『地獄』は東洋においても、西洋においても、似たような存在は不思議だ。

やっぱどっかに在るの?


「この社会において、天国と地獄は身近に表現される事が多く、随筆、オペラ、映画、テレビのドラマであるとか、内容に限らず、多くのタイトルとして使われております。何か、、、テレビ番組においての会話中に表現されましたり、ゲームだとかスポーツでの試合の予測時や結果についても当てはめて表現として使用される事が多く思われます」

「まあ確かに、身近に良く使われるなぁ」

『天国と地獄』良く聞く何かのタイトル。『天国のようだ』とか『地獄を見た』とか『歩行者天国』『借金地獄』。

「やはりいつの日にか、どなたかが訪問された景色を表し、伝承されたのでは、と想像してしまう程です」

「う~ん、それは宗教的は側面、影響だと思うなぁ」

神成る存在を広く強く信仰させる対比の存在として悪魔や地獄を恐怖の存在を植え付けさせた。だからこの恐怖から逃れるには、神を崇めましょう。って。

「でもみんな、『天国いいトコ』『地獄は嫌なトコ』っていう考えや気持ちを持っているのは不思議だけど」

私にも、有る。


「では、トキヒコさんは天国と地獄の存在については?」

「無い、、、な。それが、宗教を前提として謳われるのであれば、私は宗教自体は人間によって創られたモノだと思っている。その中で天国と地獄は対比の存在として創られたのかな。天国はいい所だから神様を崇めましたら行けますよ。でもそうしないと、地獄行きですよって」

我が国は信仰の自由が有るけれど、宗教が社会や生活の基盤として有る国の国民だったら、確実な反逆者だし、神を冒涜する罰当たり者。それこそ『悪魔』って叩かれるかも。非国民だな。

無宗教者が許される国で良かったよ。


「私はさ、宗教的な存在の神様は居ないと思ってるから、その対比とされる悪魔なり地獄とされる物は無い、と思っている。宗教は悪魔や地獄を恐怖の存在として、上手く人間の存在意識の中に植え込んだなぁと感心しちゃうよ」

実際私も、悪魔や地獄の存在は恐しく思うし、好き好んで出会いたくは無い、行きたくも無い。

でも、神様は神様でも土地神とかは居そうだし。

だから地獄とは、もっと別の『嫌な』場所か何かは有るのかなぁ~とも思っている。


「リーザは?」

「私どもエルフは、信仰すべき神も宗教もございません。ですので、信じる信じない以前に感覚がございません。問いに対して窮してしまいます。でもですね、もしも存在するなら、一度行ってみるのも良いかと。何事も体験や経験に勝る事はございません」

相変わらず、リーザは怖いモノ知らずだなぁ。

「リーザ、怖いモノって有るの?」

「いやですわ、トキヒコさん。有りますよ」

リーザはそう言うと、天井を指した。

「そうか、雷ね」

「はい、でも他にも有りますよ」

リーザが抱きついて来る。

「トキヒコさんですよ」

「オレ?!」

「はい!」


「リーザってさあ、、、」

リーザの、エルフの持つ『死生感』って、どんな物なんだろう。

エルフの女王ユーカナーサリーは「我らも命有る者ぞ」とおっしゃる。だから『死』が来る事も解っている。

もしかしたら『死後の世界』も知っているのかも。

でも、何か今は聞きたく無い。エルフのリーザより先に命が尽きる私は聞いてはいけない様な気もする。


「トキヒコさん、どうされました?」

「うん、リーザ。私は地獄落ちだけど、どうする?」

一応仏教が私の(実家が持つ)宗教だとして、性別を問わず、守るべき基本的な五つの戒の五戒。

『生き物を故意に殺してはならない。』

『他人のものを盗んではいけない。』

『不道徳な性行為を行ってはならない。』

『嘘をついてはいけない。』

『酒類を飲んではならない。』

ニュアンス的には行けそう?あ~、やっぱ地獄行き決定的。

「私は!トキヒコさんをお迎えに上がります。地獄であろうとも、必ずや向かいます!」

いや、その時私、死んじゃってるんですけど。


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