道中は騒がしい?
俺たちが森に入ってどのくらい時間が経っただろうか。大体10分程度入った辺りで周りの空気が変わる感じがした。俺は森に入る時は常にスキル広範囲探知を発動させている。これにより魔物や敵がどこに位置しているのか認識できている。空気が変わったというのは敵が俺の探知の範囲に入ったことを意味している。
「近くにいるな・・・・・・」
「セレーン。まだー?」
「もうすぐだから頼むから俺の背中の上で大きな声出さないでくれ・・・・・・」
ルナの現在位置は俺の背中の上だ。言い換えると、今俺はルナをおぶっている。なんでこうなったかと言うとーーー
ーー5分前ーー
「セーレーンーまだなの〜?」
「お前・・・・・・もうそれ何回目だよ・・・・・・」
「7回目です。兄さん」
森に入って5分で早くもルナは飽き始めてしまったらしい。このルナ行動力は凄まじいのだが。その反面、持続時間は極端に短い。簡単に言うと、目的のことがなかなかできないとすぐに飽きてしまうのだ。鍛錬の時はそこまで森に入らないためそこまで問題にはならなかったのだが・・・・・・。
「まだ何も感じない。俺の間合いに入ればすぐにわかるからもう少し待て」
「む〜」
ルナとルージュには俺の能力については話してある。秘密にしておいてばれた時、説明するのが面倒だからだ。最初に説明しておいた方が楽だ。
「そう言えば聞きたかったんですけど。兄さんのその広範囲探知?はどこまで探知できるのですか?」
「まあ大体5kmくらいなら大丈夫かな」
この広範囲探知は成長するにつれて探知できる範囲を広げることができる。上限がなく、成長速度は個人差である。ちなみに5歳の平均探知範囲はよくて500mだ。
「それならば兄さんが先に行ってドラゴンの場所を把握して来た方が効率が良いのでは?」
「いや・・・・・・さっき守ってくれって言ったのは誰だよ・・・・・・それに俺も2人を守るって大口叩いたんだからしっかりと守らないとだろ?」
「セレンかっこいー!」
「うっせ!」
そんなこんなで俺たちは再び歩き始めたのだが、後ろからルナに呼び止められたため再び止まった。
「どうした?」
「疲れたからおんぶして〜」
「なんでだよ?お前疲労耐性あるから疲れないだろ?」
「ん〜そうだけどなんとなく疲れたからさ〜」
「いや・・・・・・何となくって・・・・・・」
「細かいことは気にしない気にしない!ささ!はーやーくー!」
ルナは疲労耐性というスキルを持っている。このスキルはその名の通り疲労という概念を無くすスキルだ。ルナの年中無休であのテンションはこのスキルからきているのだろう。まあ・・・・・・スキルが無くても関係がないようにも感じるのだが。
そして冒頭に戻る。またもルナの我が儘に付き合った結果、俺はルナをおぶりながらドラゴンのもとに行くことになった。横でルージュがルナのことを目で仕留める勢いの視線を向けていたのは見なかったことにしておく。
「あれだ!」
俺は目的のドラゴンを見つけるとすぐさま2人に伝えた。何かあってもすぐに逃げれるようにするためだ。
「へ〜結構大きいのねー!」
「確かに予想してたよりもずっと大きいですね」
「・・・・・・お前らは恐怖というのを知っているのか?」
予想に反・・・・・・いや何となくわかっていたが2人は全くと言って良いほど落ち着いていた。むしろキラキラした目でドラゴンを見ていた。まるで遊び道具を見つけた子供のように・・・・・・子供なのだが。まあこちらにとっては好都合である。怯えてるよりはマシだろう。
「だいぶ荒らされてるな・・・・・・」
見渡すとあたりには栽培中であったであろう作物が無残にも食い散らかされていた。もはや見る影もないほどにだ。
「(確かにこれを野放しにしておくのはまずいな)」
退治しておくべきだ。そう心に決めた俺は2人に向き直った。
「今からあのドラゴンを退治しようと思うんだが・・・・・・2人はーーー」
「面白そう!私もやる!」
「わたしも兄さんが一緒なら・・・・・・」
「・・・・・・」
もはやつっこむ気も起きなかった。何となく予想できたからだ。何度目だ?このシチュエーション?俺は心の中で深くため息をはいた。
「・・・・・・わかったよ。でも一人で行動するのはまずいから固まって行動すること!それだけは守れよ?」
「うん!」
「はい!」
2人に強く念を押すと俺はドラゴン退治の対策を練った。5歳でもできることをだ。
少し短めです。
次はドラゴン退治です!




