ドラゴン退治 ルナ編
俺一人でも問題はないと言ったものの実は俺自信も正直わからないのだ。なぜならまだ全力で魔法を出したことがないからだ。いつもの鍛錬の時は村のことも考えて、威力を抑えながらやっている。魔法には段階があり全部で5段階ある。順番に言うとーーー
初級魔法
↓
中級魔法
↓
上級魔法
↓
超級魔法
↓
絶級魔法
という順番になる。詳しい魔法の説明はまたの機会ということで。俺が今まで使ったことがあるのは【上級魔法】までだ。それ以上は使えるがまだ制御ができないというのと村どころかこの辺り一面を吹き飛ばしてしまう恐れがあるため使ってない。これは神様達からの受けおりだ。そのため、制御ができる上級までの魔法でどうにかこのドラゴンを退治しなければならない。退治せずに撃退させることも考えたが、そうすると場合によってはドラゴンが村の方へ向かってしまう可能性が出てくる。それだけは避けなくてはならない。
悩みに悩んだ結果、俺はやはり、このドラゴンを退治することに決めた。
「2人共、今から作戦を話すから俺の近くに来て!」
そう言って俺は2人を集め、2人の役割(危なくない程度の)を言い渡した。
作戦はこうだ。まず疲労耐性のあるルナにはドラゴンの周りをひたすらぐるぐると動きまわってもらう。そうすれば必然的にドラゴンの注意はルナに向く。その間に俺が背後から上級魔法を打ち込む。ある程度のドラゴンなら上級魔法でも問題なく倒せるだろう。魔力は尽きることが無いため、仕留めきれなかった時はもう何発か打ち込む予定だ。本来なら剣があれば剣に魔力を付与して対抗するところだが、あいにく子供の俺にはそんな剣は無い。いつもは木の棒などで剣の鍛錬をしているのだ。無いものにすがってもしょうがないのでとりあえずは魔法だけで倒すと考えた。そしてルージュにはサポートとして入ってもらう。ルージュは初級の回復魔法が使えるため、万が一怪我した時は、ルージュに治してもらう。これが最善の手だ。これであのドラゴンを迎え撃つ!
「こんな感じの作戦だ。いいな?あとくれぐれも無理だけはするなよ?」
「わかった!」
「はい!」
一応2人には【結界】の魔法をかけてある。防御魔法の初級魔法だが、ある程度の衝撃なら防いでくれる。万が一ということもある。保険はつけておくべきだろう。
「じゃあ頼む!ルナ!」
「まかせてー!」
俺の掛け声と同時にルナはドラゴンの前に飛び出した。ドラゴンは畑を荒らすのをやめ、ルナの方を向いた。
「こっちこっちー!ここまでおーいでー!」
ルナが挑発すると気に触ったのかドラゴンは少し呻くとルナの方へ向けて一気に飛びかかった。
「ほいほーい」
だがそんなドラゴンをまるで鬼ごっこの鬼のように扱うルナはサッと横にジャンプして躱した。
「ほらほーら!こっちだよー!」
ルナに躱されたドラゴンは目の前にあった巨木に思いっきり激突した。
「きゃははは!もー間抜けさんなんだからー!」
ドラゴンはさらに怒気を増した。するとドラゴンの体の表面を薄く火が纏う。おそらくこのドラゴンは火属性の持ち主なのだろう。
「グオォォォォォーーーー!!!!」
ドラゴンが強く吠えた。次第にドラゴンが纏う炎が強くなっていく。そして、ドラゴンは口を大きく開くとルナに向けて【火の玉】を放った。
ーーまずい!そう思った瞬間、俺は【火の玉】を相殺すべく魔法を唱えようとしたがーー
「ひょい」
••••••それは余計なお世話だった。ルナはボールを避けるようにひょいっと首を捻って躱していた。
「(また何かスキルが追加されたか?)」
あれだけの反応の速さは常人ではない。何かしらのスキルがあるはずだ。
「ね〜もうお終いー?まだまだ遊ぼうよ〜」
躱した後、ドラゴンの後ろに回り込んだルナは再び挑発?した。本来ならこの時点で普通の5歳児なら体力がとっくに尽きてドラゴンの餌食となっていただろう。だがルナに至っては疲れているとは微塵にも思えぬほどの余裕の笑みを浮かべ、尚且つ、ドラゴンを弄ぶかのようにしている。ルナのあの身の軽さは森の探索から身についたものだろう。森の中は木々が生い茂り、進みにくいところもたくさんあった。そこをルナは毎日のように通っていたのだ。必然的に身体能力も上昇する。ルナも5歳児とは思えない技量の持ち主だった。
そんなルナを••••••いや、正確にはドラゴンとルナをじっと観察している者がいる。その銀色の瞳を光らせながら場の状況を冷静に分析している人物、ルージュはドラゴンの行動パターンを観察していた。
ドラゴン退治は3つに分けて送りします!
今回はルナの戦闘をお楽しみください!
次回はルージュになります。




