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早朝の邂逅





俺たちメルゲン学園Sクラスが、ルスミス王国のエノルド学園に留学に来てから半月が経った。留学当初は、慣れない授業、見知らぬ生徒、環境に戸惑いはあったものの、この半月でそれなりに俺たちは慣れていった。




そんなある日の朝、珍しく早起きをした俺は、暇だったためルスミスの中を散歩しに寮から出た。




「ふぁぁ〜〜。早起きなんていつ以来だろ?」




俺は軽く自分の頬を両手でパンパンと叩きながら、散歩を始めた。どこに行くっていうあてもなかったから、とりあえず適当にふらつく事にした。




「......にしても、人が全然いないな。さすがにこの時間だとまだみんな寝てるよな......?」




俺が起きたのは朝の5時。さすがにこの時間帯で起きてる人は少ないだろう。むしろ普段寝坊助な俺がこんな時間帯で起きてる事自体おかしな話なんだがな......。頭をかきながら俺は普段あまり通らない路地裏に入った。何で普段通らないかっていうと、単に通学路ではないのと、なんか抵抗感があって入るのを躊躇っていたからだ。そんでもって朝方という人がまるっきりいない時間に至っては、余計シーンとしていて......何というか......不気味な感じに見える。




「当たり前だけど、ここにも人影無しだな......。ってか普段でもこんな感じがするけど......まぁ良いか。とにかくさっさと通って......ん?」




歩を速めて、さっさと通過してしまおうとしていた俺だったが、俺の視界の隅に、壁にもたれかかってる1()()()()()が映ったため、歩を止めた。その人物は、お世辞にも綺麗だとは言えない装いをしていた。まず体中傷だらけ、着ている服もボロボロ、そしてフードを深く被っているため性別の判別も出来ない。そんな感じの人だった。なんか、訳ありみたいな感じだったから、抵抗があったが声をかけてみる事にした。




「あの〜?どうかしましたか?」





「......っ?......!!」




「え?うわっ!!」




俺が声をかけた途端、その人は血相を変えて俺に向かって自分の拳を突き出して来た。俺は咄嗟に体を逸らして躱した。




「くっ......避けられたか......」




「ちょ!?何すんの!?」




「うるさい!!貴様もわたしの事を蔑むのであろう!痛め、傷つけ、汚していくのだろう!?ならば......される前に自分から排除してやる!!」




「はあ!?いや、ちょっと落ち着いーーー」




「問答無用!!覚悟しろ()()!!」




俺の制止の声も目の前の人には届いてないみたいだった。俺に向かって何度も何度も殴りかかって来て、全く冷静ではないことが分かった。声の限りでは、この人は女の人だろう。今の段階ではそれしかわからない。とりあえず話してみない事には何もわからないため、とりあえず落ち着いてもらう事にした。




「いや......だから落ち着けって!!」




「ぐっ!!がっ......」




俺は、彼女が突っ込んでくる勢いを利用して、そのまま彼女を軽く投げ飛ばした。地面に投げ飛ばした彼女を俺は間髪入れずに取り押さえ、抵抗できないようにした。




「君の言ってることはよく分からないけど、少なくても君に危害なんか加えないって」




「信用できるか!!そう言って来た人間どもも最後には皆んなわたし達のことを蔑んだ!貴様もどうせそうなのだろう!?」




「いやだから勝手に決めつけるなって......。ってか暴れるなって!」




「離せ!離せぇぇ〜〜!!!」




組み伏せられてても抵抗をやめない彼女。彼女は一体これまでどんな目にあって来たんだ?と、彼女の身を案じていると、暴れたせいか、深く被っていたフードが脱げてしまい、彼女の顔が露わになってしまった。ある意味好都合だと俺は彼女の素顔を覗いてみたが、彼女の顔もとい()()()()を見て驚愕をした。




「へ......?その”耳”......」




「?......はっ!!?」




俺に”それ”をみられたことに気づいた彼女は咄嗟にフードに手をかけ、自分の頭に被り直した。




俺が彼女の顔を見たのは一瞬。まず分かったことは、彼女は思っていたよりも痩せ細っていて、弱っていた。クリーム色の髪の毛もくしゃくしゃになって色褪せてしまっていた。そして何より驚いたのは、彼女の耳が......俺たち人間の耳ではない”尖った耳”をしていたところだった。つまり彼女はーーー




「もしかして......”エルフ”?」




「......」




黙りこくっているってことは肯定と捉えて良いだろう。エルフか......だとしたらさっき彼女が言ってたことも納得ができる。これは学園で習ったことだが、この世界には種族というものが存在していて、それぞれ人間族、魔族、そしてエルフ族がある。とりあえず言えることは、エルフ族は人間族のことをとても嫌悪している。というのも、何でも昔......というか今もらしいが、エルフは人間にそれはそれはとてもひどい迫害を受けてたらしいんだ。何で人間がそんなことをしているのかはよく分からないが、俺の予想だと......エルフは人間に害を及ぼす存在だとか言いふらしてエルフを毛嫌いするように人間達が仕向けたんじゃないかって思ってる。まぁ......こんなこともあって、エルフは人間達を信用しないし滅多に人間のいる場所には来ないんだけど、この人は何でここにいるんだ?




「なあ?君はエルフなんでしょ?」




「......だったらどうだと言うんだ?貴様もわたしを蔑むのか?」




「違う違う。別に蔑まないし馬鹿にもしないよ。たださ?何でそんなに人間を嫌ってるのにこんな人間がいる国なんかに来てるのかな〜って思ってさ?」




「それは......」




なぜか言い澱んでしまう彼女。何だ?言いにくい理由でもあるのか?




「......なんか訳ありって顔してるな。よければ聞かせてくれないか?」




「ふん!貴様に話したところで何も変わらぬ!」




「んなの話してみなきゃわかんないだろ?勝手に決めつけんのは良くないぞ?」




「人間がわたしに説教するな!!」




エルフの彼女がまた抵抗しようと暴れ始めたため、これ以上はかわいそうだと思い、俺は彼女を解放した。




「はぁ.......はぁ......はぁ......」




「全く......落ち着いてくれるなら手荒な真似はしなかったのに。一応は君のせいだからね?」




「うるさい!はぁ......朝から余計な体力を使った......」




「俺も朝からこんな動きたくなんてなかったけどな〜」




「貴様のせいだろ!!もういい!これ以上貴様と関わっていたくない!!」




そうプリプリと怒りながら、エルフの彼女はその場から去って行ってしまった。エルフか......初めて見たけど、やっぱり耳はあんな形なんだな......。




「それにしても......あの子がここに来た理由ってなんだったんだろ?」





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